一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

僕の歌姫 3

「誰だよお前は!いきなり入ってくんじゃねぇよ!!」
廣瀬先輩が怒鳴る。

「あ...てめぇ...」
そうちゃんが詰め寄る

わたしは廣瀬先輩の後ろに咄嗟に隠れた。

「来蘭どうした?」
後ろに居るわたしに振り返りながら廣瀬先輩が言う。
「さっき屋上で、あの人にパンツ見られちゃったの...」

「パンツぅ?」

「おっきい声で言わないでー!」
廣瀬先輩の背中を叩いた。

「来蘭ちゃーん、屋上でパンツ脱いじゃったの?やだー破廉恥ー」
吉井先輩がわけのわからないことを言い出した...
「ちがーう!!」

「ちょっともう!それぞれ言いたいこと言わないで!わけわからないよ!」
英二先輩が声を上げる。

「はい、まず、いきなり入ってきたキミから!」


「いきなり入ってきてすいません。
僕は1年の黒沢 優輝と言います。
来蘭ちゃんのパンツ見ちゃったのは不可抗力です!屋上で寝転がってたら、来蘭ちゃんが僕の正面に体育座りしたもんだから、ばっちり見えちゃっただけなんです! 
そんなことより!
来蘭ちゃんのその声で、僕の作った曲を歌ってくれないか!頼む!」

「なにが不可抗力だ!俺の来蘭のパンツ見といて!許すか馬鹿野郎!その上、お前の曲を来蘭に歌ってくれだとー!歌わせるか!冗談じゃねぇ!!」
興奮したそうちゃんが怒鳴った。

「さっきから俺の来蘭、俺の来蘭って!彼氏だからって、来蘭ちゃんは来蘭ちゃん自身のものであって、お前のもんじゃないだろ!」
優輝くんが声を荒らげて言った

わたしは廣瀬先輩の後ろに身を隠して、顔だけ出して2人の言い合いを見守っていた。

すると英昭先輩が
「君、曲書けるんだ?音源あんの?
あるなら聞かせてよ!来蘭ちゃんだって、いきなり歌ってくれって言われたって、どんな曲か聞いてみないとなんとも言えないでしょ?」
と言ってくれた。

「あります!音源!是非聞いてください!!」
と言ってPAに自分のiPodを繋ぐと、スピーカーから彼の曲が流れ始めた。




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