一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

両想い 6

「来ー蘭!来ー蘭ちゃん?機嫌直してってー」
俺に手を引かれながらも、だだをこねた子供のような顔をしたままの来蘭の機嫌を取りながら2人で廊下を歩いていた。
まだ機嫌を直さない来蘭の耳元に顔を近づけて
「後でチュウしてあげるから♡」
って言ってみたら
「ちょっとそうちゃん!!」
余計怒られた...

職員室に続く渡り廊下を来蘭とギャーギャーやってたら、閉じられた校門を飛び越えて入って来るデカい男が...
ストンと着地すると、遅刻して来てるのに急ぐ様子もなくこっちに向かって来る...

来蘭と2人で声を揃えて
「あ、吉井先輩だ」
と言うと、気だるそうな吉井先輩が俺たちに気がついて
「来蘭ちゃん、そうちゃん、おはよ」
と眠そうに言った。
「遅刻ですよ?先輩?」
と俺が言うと
「いやさー、昨日泊まった女んトコで寝坊しちゃってさぁ...あいつ起こしてくんねぇんだもん...」
とか言ってる...
「チョトナニイッテルカワカンナイデスセンパイ」
と白目で言ってやった...
「来蘭の教育上良くないんで失礼しまーす」
と抑揚なく言うと、来蘭の手を引いて職員室へと急いだ。

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