一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

手紙 10

陽介と連絡を取った。
俺の家と陽介の家は、数軒しか離れてない近所だから、陽介はうちへやって来た。
来蘭と俺とを、別々に呼び出すための手紙のことを陽介にも話した。
軽音部の先輩たちの力を借りることにしたことも話した上で、陽介にも来蘭を守って欲しいと頼んだ。

「来蘭ちゃんを守るのは、やっぱりお前のがいいんじゃないか?」
と陽介が言う

「出来ることなら俺もそうしたいけど、そうしたら白石の来蘭への嫌がらせは、益々エスカレートすると思う。思えば俺は、アイツとちゃんと向き合わずに来たから、マネージャーのこともあんなことになったんじゃないかと思うんだ。アイツはきっと、俺と2人で話がしたいから、来蘭を遠ざけるように同じ時間に別々の場所へ呼び出してるはずだから、アイツの望み通り、俺は1人でここに行く。」

「なるほどな...そうかもしれないな...」
陽介が頷く。
そして来蘭のいじめの過去と、それを乗り越えさせるために、来蘭自身に立ち向かわせてやりたいということも陽介に話した。

「多分図書室には緑川と関野が居るだろう。その2人だけなら陰湿な言葉を浴びせる程度だろうが、書庫と場所を指定しているのが嫌な予感がするんだ。白石の取り巻きの男に来蘭を傷付けるように指示していたとしたら、男の力で応戦しないと危険だ!ただ、陽介はアイツらと同中で顔が割れてるから、図書室と茶道室の間での見張りを頼みたいんだ。図書室には先輩たちに居てもらう」

「白石の取り巻きって言ったら、吉田か!」

「あぁ、吉田は絶対関わってるだろうな...」

「吉田は俺と同じ1組だから、朝から監視しておくよ!」

「頼む!」

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