一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

軽音楽部 4

〈奏太side〉

来蘭の透明感のある不思議な強さを感じる声が響いた。
俺も陽介も顔を見合わせて驚いた!
吉井先輩はポカン顔、演奏陣の3人も驚きながらも来蘭の歌に引っ張られるように強さを増す。

来蘭はそれは楽しそうに歌っていた。
羽が生えたような来蘭に、俺は見惚れることしかできなかった。

歌いきった来蘭は、膝に両手を付いて、肩で息をしていた。
そんな来蘭の様子に、身体が勝手に来蘭の元へと動いていた。
「来蘭?」
身体を屈めて来蘭の顔を覗く。
次の瞬間、来蘭が俺に抱きついてきた。
「そうちゃん!わたし歌えた!すごい気持ち良かった!わーん!」
と、子供のように声を出して泣き出した。

来蘭に抱きつかれて、一瞬棒のように固まったが、そんな来蘭が愛おしくて愛おしくて、よしよしとなでてやった。

楽器を置きながら、先輩たちが口々にすごい!すごい!と驚いてる!

廣瀬先輩が
「来蘭ちゃん!ベースはいいから歌え!」
と言ったとたん、来蘭は俺から離れて
「それはイヤです!わたしはベース弾きたいんです!」
と言い放った!

これには先輩たちも俺たちも大爆笑

「ねぇ、来蘭ちゃんって何者??」
吉井先輩が腹を抱えながら言ってる。

ほんとに何者なんだよー来蘭ー

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