一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

保健室 4

「奏太が来たから大丈夫だな?俺は教室帰るね」
そう言うと陽介が立ち上がった。

「陽介くん、ほんとうにありがとう。」
まだちょっと青白い顔をしながら来蘭が言う。

陽介が保健室を出て行くと、来蘭と俺と2人きりになった。

ふぅーとひと息吐いて視線を落とした先に、ベットに座った来蘭のつま先が床に着いてないのが目に入った。

やばい、かわいい
心の中でつぶやく

来蘭の横に座ってみる。
俺の足はもちろん床に着く。

「来蘭、足着かないの?」
ちょっといじわるに言ってみる

ハッて顔して足元を見る来蘭
その途端に、ぷくーっと膨れた顔をする

たまらず笑う俺の太ももを
「もー!そうちゃんのいじわるー」
って言って叩いてくるその手を掴んで抱き寄せた
「心配させんなよ...」

「ごめん...」

「いや、来蘭悪くない。目を離した俺が悪い。守ってやるって言ったのにダメだな俺」

「......」

「教室見渡して居なかった時点で、トイレに探しに行けば良かった。女子トイレん中までは入れないけど、外で待ってれば良かった。そしたら陽介におんぶなんかさせないで済んだのに」

俺の腕の中で、来蘭がクスっと笑う。
「陽介くんに妬いてるの?」

「そりゃそうだろ!おんぶだぞ?俺だってまだ来蘭をおんぶなんてしたことないのに!」

「おんぶしたいの?」

「したいよ!」

「やだ。させない。」

「なんでだよ!」

「わたし重いから...」

「なに?気にしてるの?」
そう言って来蘭の身体を離し、目を見て言った
「来蘭はかわいいし、魅力的だからね?間違ってもダイエットとかしちゃだめだからね?」
さらに続ける
「来蘭くらいお姫様抱っこするのなんかなんでもないからね?どれだけバレー部で鍛えて来たと思ってんの?」

すると来蘭が笑って
「それさっきも陽介くんが似たような事言ってた」

「陽介が?」

「うん。 わたしがね、おんぶしてもらって連れてきてもらったこと、重たかったでしょ、って謝ったら、バレー部で鍛えた身体甘く見ないで!って言われちゃった」

「陽介のやつ...」


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