一目惚れから始まった俺のアオハルは全部キミだった...

来亜子

下駄箱 2

教室に鞄を取りに行こうと急いでいたら、陽介の後ろ姿が目に入った。後ろから近づいて「陽介!てめぇコノヤロー!」と言いながらヘッドロックしてやった。
「うわぁ奏太!ほんとごめん!あの子大丈夫だった?」
陽介に悪気がなかったことは分かってる。
「大丈夫だよ、気にすんな。 でも明日にでも来蘭に謝れよ?」

「わかったよ」
申し訳なさそうな顔した陽介が言葉を続ける
「随分あの子と仲良さそうだったじゃん」

「一目惚れした...」

「え??一目惚れ?? お前の方が一目惚れされることはあっても、お前が一目惚れするなんて初めてじゃないの??」

「初めてだね、うん。  あ、悪い陽介、彼女を下駄箱で待たせてるから急ぐわ!また明日なー」

「え?おい、一緒に帰るんじゃねーのかよー!おい奏太ー」
陽介が叫んでるけどまぁいいや

教室に置いてあった自分の鞄を取り、来蘭の元へと急いだ。

ちょっと不安そうに来蘭は1人下駄箱で待っていた。俺の姿をみつけた来蘭は
「あ、そうちゃん」
と言って駆け寄ってきた。

なんかもぉその姿にいろんな理性がぶっ飛んでしまった!
駆け寄ってきた彼女の手を掴み、引き寄せ、抱きしめた。
柔らかい
あったかい
いい匂い

ハッ!
身体を離し
「ごめん!つい...」

来蘭はきょとんとしてる
そしてゆっくりと笑ってこう言った
「帰ろう、そうちゃん」

俺の高校生活でやりたいこと、見つかった。
〈俺の青春を君に捧げる〉


コメント

コメントを書く

「現代ドラマ」の人気作品

書籍化作品