未空のバスケ!
二年目の春
アラームが鳴る前に意識が覚醒する。
嫌な夢を見た。
去年の冬の四校戦。準々決勝。あの日も完敗だった。
時刻は六時と少し前。
あと数分も経てばアラームが鳴るだろう。
そう思うと二度寝する気もおきずに、そのままベッドから上体を起こす。
坂井未空。今年朱雀高校二年生になる男子生徒だ。
身長百七十後半。
黒髪の短髪のくせっ毛である。
未空はあまり身だしなみを気にしない性格なので、寝癖が直らなくてもそのまま学校に行くような男子生徒である。
バスケをしているということもあり、体は引き締まっている。
今は寝起きということもあり、目に覇気がないがそれはいつものことだ。
バスケをしている時以外は。
「今日から二年生か」
未空はベッドから起き上がり、カーテンを開け朝日を浴びる。
未空の部屋は二階にあり、遠くの方には海が見える。
朝日に照らされて光り輝いている水面は幻想的で、美しい。
「着替えるか」
腕を上方に伸ばし、体をほぐすと未空は着替えを始めた。
ここは太平洋の中に浮かぶ島、朱雀島だ。
朱雀島は文字通り南に位置しており、北に玄武島、東に青龍島、西に白虎島があり、その四つを繋いでいるふた回り大きい島の中央島の五つの島で成り立っている。
この島ではスポーツが盛んで、未空もバスケをしている。
朱雀島に朱雀高校があるように、中央島を除く全ての島に高校が設立されている。
四校戦というのは、四つの高校がスポーツで戦い一位を決める大会のことだ。
日本でいうインターハイと同じ意味だ。
未空は二分で着替えを終了させた。
朱雀高校の制服は男女ともに赤のブレザーに黒のスラックス、女子はスカートである。
ワイシャツの襟元には男女共用の黒いネクタイを締める決まりになっている。
「お兄ちゃん、朝ごはんが出来たよ」
「あぁー、今行く」
着替えが終わったタイミングで一階から妹の沙耶美に声をかけられる。
未空は返事をして部屋の外に出た。
未空の家は二階建てで、未空を含む四人の兄妹が一つずつ自分の部屋が二階にある。
ちなみに両親の寝室は一階だ。
「今日は早いな」
「だって、今日は高校の入学式だもん。なんか興奮して寝れなくて」
一階に下りた未空はキッチンで朝ごはんを作っている沙耶美に声をかける。
「入学式って言っても校舎が変わるだけで、同じ敷地内にあるだろ」
「それはそうだけど。やっぱり中学校と高校って違くない。ほらっ、制服だって違うし」
沙耶美は真新しい制服を見せびらかせるように、クルンと一回転する。
未空が中学から高校に上がった時は、ほとんど舞い上がらなかった。
理由は同じ敷地内にあるということや、同級生もほとんどが中学校からの持ち上がりだ。
はっきり言って、新鮮味がない。
確かに制服は変わったが、未空はおしゃれには興味がないのでどうでも良かった。
坂井沙耶美は、未空の血の繋がった妹であり今日から未空と同じ朱雀高校に通う高校一年生の女子生徒だ。
身長は百六十半ばと女子にしては高いが、バスケをするには低い身長である。
血の繋がった兄妹だが、見た目が全然違うせいでまず兄妹に間違われることはない。
まずは髪の毛だ。
未空が漆黒のような黒髪に対して、沙耶美の髪は新雪すらも霞んでしまうぐらい綺麗な銀髪だ。
しかもくせっ毛ではなくストレートで、レギュラースタイルのホーステールと呼ばれているツインテールだ。
目はパッチリしており、頬もモチモチしており、ザ女子高生だ。一ヶ月前まではまだ中学生だったが。
沙耶美も未空と同じバスケをしているため、無駄な脂肪はなく手足もおなか周りもキュッと引き締まっている。
胸は日本人女性の平均ぐらいの大きさでCカップぐらいの大きさである。
兄の色眼鏡抜きにしても沙耶美は美少女の部類に入ると思う。
交友関係が狭い未空に対し、沙耶美は持ち前の明るさと天真爛漫さですぐに友達を作ることができ、同性異性問わず人気者である。
「あまりはしゃいでるとすぐに汚すぞ」
「ぶぅー、あたしそこまで子供じゃないですー」
あまりはしゃいでいるので、未空が注意するとそれが気に食わなかったのか沙耶美は頬を膨らませて抗議する。
「二週間前はまだ中学生だったろ」
「チッチッチッ、お兄ちゃん。この年の女の子の成長は目覚しいものなんだよ」
二週間前まではまだ中学生だった沙耶美はなぜそんなにも大人ぶっているのだろうか。
きっと大人に憧れる年頃なのだろう。
未空は大人にも子供にも興味がなかった。故に今という人生を過ごしている。
口の前で指を振る沙耶美がウザい。
「それで夜寝れなくて朝が早かったんだな」
「だって今日は入学式だし~」
「……子供か」
「聞こえてるよお兄ちゃん」
そういうことが子供っぽいというのに。
沙耶美は子供扱いされたことを未空に抗議する。
ここで相手にするのも面倒なので、未空はその後スルーした。
沙耶美が作ってくれた朝食を食べ、未空が皿を洗いちょうど良い時間になるまでリビングでニュースを見ながら時間を潰した。
嫌な夢を見た。
去年の冬の四校戦。準々決勝。あの日も完敗だった。
時刻は六時と少し前。
あと数分も経てばアラームが鳴るだろう。
そう思うと二度寝する気もおきずに、そのままベッドから上体を起こす。
坂井未空。今年朱雀高校二年生になる男子生徒だ。
身長百七十後半。
黒髪の短髪のくせっ毛である。
未空はあまり身だしなみを気にしない性格なので、寝癖が直らなくてもそのまま学校に行くような男子生徒である。
バスケをしているということもあり、体は引き締まっている。
今は寝起きということもあり、目に覇気がないがそれはいつものことだ。
バスケをしている時以外は。
「今日から二年生か」
未空はベッドから起き上がり、カーテンを開け朝日を浴びる。
未空の部屋は二階にあり、遠くの方には海が見える。
朝日に照らされて光り輝いている水面は幻想的で、美しい。
「着替えるか」
腕を上方に伸ばし、体をほぐすと未空は着替えを始めた。
ここは太平洋の中に浮かぶ島、朱雀島だ。
朱雀島は文字通り南に位置しており、北に玄武島、東に青龍島、西に白虎島があり、その四つを繋いでいるふた回り大きい島の中央島の五つの島で成り立っている。
この島ではスポーツが盛んで、未空もバスケをしている。
朱雀島に朱雀高校があるように、中央島を除く全ての島に高校が設立されている。
四校戦というのは、四つの高校がスポーツで戦い一位を決める大会のことだ。
日本でいうインターハイと同じ意味だ。
未空は二分で着替えを終了させた。
朱雀高校の制服は男女ともに赤のブレザーに黒のスラックス、女子はスカートである。
ワイシャツの襟元には男女共用の黒いネクタイを締める決まりになっている。
「お兄ちゃん、朝ごはんが出来たよ」
「あぁー、今行く」
着替えが終わったタイミングで一階から妹の沙耶美に声をかけられる。
未空は返事をして部屋の外に出た。
未空の家は二階建てで、未空を含む四人の兄妹が一つずつ自分の部屋が二階にある。
ちなみに両親の寝室は一階だ。
「今日は早いな」
「だって、今日は高校の入学式だもん。なんか興奮して寝れなくて」
一階に下りた未空はキッチンで朝ごはんを作っている沙耶美に声をかける。
「入学式って言っても校舎が変わるだけで、同じ敷地内にあるだろ」
「それはそうだけど。やっぱり中学校と高校って違くない。ほらっ、制服だって違うし」
沙耶美は真新しい制服を見せびらかせるように、クルンと一回転する。
未空が中学から高校に上がった時は、ほとんど舞い上がらなかった。
理由は同じ敷地内にあるということや、同級生もほとんどが中学校からの持ち上がりだ。
はっきり言って、新鮮味がない。
確かに制服は変わったが、未空はおしゃれには興味がないのでどうでも良かった。
坂井沙耶美は、未空の血の繋がった妹であり今日から未空と同じ朱雀高校に通う高校一年生の女子生徒だ。
身長は百六十半ばと女子にしては高いが、バスケをするには低い身長である。
血の繋がった兄妹だが、見た目が全然違うせいでまず兄妹に間違われることはない。
まずは髪の毛だ。
未空が漆黒のような黒髪に対して、沙耶美の髪は新雪すらも霞んでしまうぐらい綺麗な銀髪だ。
しかもくせっ毛ではなくストレートで、レギュラースタイルのホーステールと呼ばれているツインテールだ。
目はパッチリしており、頬もモチモチしており、ザ女子高生だ。一ヶ月前まではまだ中学生だったが。
沙耶美も未空と同じバスケをしているため、無駄な脂肪はなく手足もおなか周りもキュッと引き締まっている。
胸は日本人女性の平均ぐらいの大きさでCカップぐらいの大きさである。
兄の色眼鏡抜きにしても沙耶美は美少女の部類に入ると思う。
交友関係が狭い未空に対し、沙耶美は持ち前の明るさと天真爛漫さですぐに友達を作ることができ、同性異性問わず人気者である。
「あまりはしゃいでるとすぐに汚すぞ」
「ぶぅー、あたしそこまで子供じゃないですー」
あまりはしゃいでいるので、未空が注意するとそれが気に食わなかったのか沙耶美は頬を膨らませて抗議する。
「二週間前はまだ中学生だったろ」
「チッチッチッ、お兄ちゃん。この年の女の子の成長は目覚しいものなんだよ」
二週間前まではまだ中学生だった沙耶美はなぜそんなにも大人ぶっているのだろうか。
きっと大人に憧れる年頃なのだろう。
未空は大人にも子供にも興味がなかった。故に今という人生を過ごしている。
口の前で指を振る沙耶美がウザい。
「それで夜寝れなくて朝が早かったんだな」
「だって今日は入学式だし~」
「……子供か」
「聞こえてるよお兄ちゃん」
そういうことが子供っぽいというのに。
沙耶美は子供扱いされたことを未空に抗議する。
ここで相手にするのも面倒なので、未空はその後スルーした。
沙耶美が作ってくれた朝食を食べ、未空が皿を洗いちょうど良い時間になるまでリビングでニュースを見ながら時間を潰した。
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