栴檀少女礼賛

マウスウォッシュ

垣間見る彼女の真の姿

 僕は少し疲れながら、フラフラとお風呂場に向かった。めっちゃ無意識な状態で脱衣所の扉を開けると、僕の視界にトンデモ無いものが飛び込んできた。


「ああぁ〜っと! ごめーん!」


 一瞬にして僕の視界は肌色一色に染まり、慌てて僕は目を逸らした。どうやらアミが先に風呂に入ってたらしい。


「ん、あぁ別に構わないよ。」


 僕が急いで閉めた脱衣所の扉越しに、アミの声が聞こえてきた。幸いなことに、どうやら怒ってはいないらしい。


「構わないって、それヤバくね? フツー気にするでしょ。」


「いや、起伏に乏しい私の身体を見たところで、別に劣情を催すなんて事ないでしょ?」


「いやいやいやいやいやいやいやいや......ボンキュッボンがどうとかの前に、見られて恥ずかしいとか思わんの?」


「あぁ、ハヤテだからね。」


 僕はこの言葉をどう受け止めていいのか分からなかった。僕に心を許してるからOKという事なのか、僕の事をマジで何とも思ってないからドーデモイイということなのか。


「とにかく......寝床は準備しといたから。」


「うん、さっさと資料作りを終わらせて、今日はもう寝よう。」








 数時間後、資料作りを終えたアミは、データを僕に渡して居間で眠りについた。


 僕はデータをパソコンに繋いで印刷し始めた。そして印刷してる間、特に何もすることが無いので、アミの寝顔を見ていた。


「ハヤテ、ちょっと良い?」


 突如、居間に母親が入ってきた。僕は安らかに眠るアミを起こしてはならないと思い、居間から出ていって廊下で話を聞いた。


「どうしたの?」


「アミちゃん、よく眠れてる?」


「あぁ、多分ちゃんと寝れてる。」


「それは良かった......」


「アミに何があったの?」


「ん......あまり詳しくは言えないんだけど、10年ちょっと前に起きた遭難事件のことが、どうやらトラウマになってて、実家で眠ると悪夢となって思い出すみたいなの。」


「なるほど......トラウマか。」


「あまりアミちゃんの前で話さないようにね。彼女、多分いつもは気丈に振舞ってるんだろうけど、内心はヒビとか穴だらけ。多分なにかふとした事でプツンと切れちゃいそうなくらいには、あの子は不安定よ。」


「分かってる。」


「貴方がしっかりあの子を支えるのよ。」

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