禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第105話・強制転移。
(さてと、プレイヤーキラーのオラは街には入れないべぇな。入るなら村だべぇか。)
目指すならオルべ村ぐらいしかありません。金はあるので大金を積めば、誰か1人は買収出来るかもしれません。エッサは復讐を諦めて静かに暮らす事に決めたようです。そんなエッサの頭の中に不思議な声が鳴り響きました。
『ビィービィー、システム設定により、対象A3を地下迷宮に強制転移させます。転移開始まで、3、2、1…………転移完了しました。』
エッサは光の球体に包まれると、目の前の景色が一瞬で変化しました。何度も入った事がある地下迷宮1階の洞窟が目の前には広がっていました。
(どういう事だべぇ。こんな魔法は存在しないはずべぇ?)
そうです。この世界には一瞬で遠くの場所に移動するような魔法はありません。飛行魔法ももちろんありません。あるのは攻撃と回復魔法ぐらいです。
『久し振りだな、A3。……いや、エッサ。特別に俺が直々に消去してやる。さっさと俺の所までやって来い。ただ消去せずにたっぷりと痛め付けて、俺のゲームを滅茶苦茶にした事を死ぬほど後悔させてやる!』
(この声はプロデューサーの岩田だべぇな。オラが何か怒らせるような事をしたべぇかな〜?)
ドンドンと地下迷宮の出入り口を叩いてみましたが、透明な壁に完全に塞がれていました。だとしたら、奥に進むしかないようです。
レベル100を超えた4人パーティーならば、地下19階の邪神を倒す事も可能ですが、レベル121のギャランが1人で倒す事はいまだに達成出来ていませんでした。
(とりあえずは進むしか道はなさそうだべぇな。)
ステータスを確認しましたが、レベルは204と変化していません。どうやら、プロデューサーはただ地下迷宮に強制転移させて、閉じ込めただけのようです。これならば問題なく地下19階までは進めそうです。
『ザァンザァン!サァーーー。』
全てが一撃で終わって行きます。やっと6階のボスモンスターで2撃です。出現モンスターのステータスも一切変化していません。
(どういう事だべぇ?オラに嫌がらせしたいなら、もっとモンスターのステータスを強化するべきなんだな。こんなに簡単に進ませて何を考えているんだべぇ?)
『ビィー、言っただろう。俺の手で直接痛めつけるってな。それに俺は元々優しい人間なんだよ。まだ8階までしか探索してなかっただろう?クックク、続きをやらせてやるよ!』
余計なお世話です。エッサは別にこんなダンジョンには未練はありません。閉じ込められてもいい迷惑です。さっさとプロデューサーを倒して、オルベ村の取れたてジャガイモを美味しく料理する研究を始めないといけません。
「ムカつく奴だべぇ。またオラの心を無断で読んだべぇな。何も細工してないなら、こんな低級ダンジョン、EXダンジョンの『恐怖』をクリアしたオラには簡単過ぎるんだな。」
本当はゲームをクリアして世界を救ったエッサを、喜ばせるサプライズかもしれません。実際は地下19階に到着したら料理や花束が用意されているかもしれません。
︎
前回はエッサ、ルナ、エミィ、ロックタの4人で倒しました。今回は地下8階の大森林のボス3体と、エッサ1人で戦う事になりました。
『ポワポワ〜〜……』と早速魔法使いの足元に魔法陣が出現しました。魔法を使われる前に倒しましょう。
「斬空乱波!」
『ザァシュン!サァーーー。』
『『ギィ!!』』
残りの2体が驚いていますが、ここのボス3体はHP2400程度です。もう楽勝です。残りは通常攻撃で余裕で倒せます。
(こんなに弱くなるんだべぇな。前も簡単に倒せたべぇが、今はもう簡単を通り過ぎて、スライムと同じぐらいの雑魚なんだべぇな。)
ちょっと強くなり過ぎた事で、エッサは苦戦や苦労という気持ちを感じる事が出来なくなったようです。苦労はしたくないですが、苦労した事のない人間がマトモな人間になれるかは疑問です。
傷つけ、傷つけられる事でちょっとずつ自分や他人の痛みを理解出来る立派な人間になれるはずなのです。プロデューサーにはゲームの登場人物の苦痛を理解してもらう必要があります。
(聞こえているべぇか?オラ達の痛みを骨の髄までしっかりと教えてやるんだべぇ。)
︎
「あぁ、やれるもんならやってくれよ、エッサ。」
岩田プロデューサーは地下19階の邪神の中に入っているようです。ボスモンスターをプレイヤーが操る事は出来ませんが、ゲームの開発者ならば可能です。現在の邪神のレベルはエッサと同じ204です。プロデューサーは対等なステータスで最後の決着をつけたいようです。
目指すならオルべ村ぐらいしかありません。金はあるので大金を積めば、誰か1人は買収出来るかもしれません。エッサは復讐を諦めて静かに暮らす事に決めたようです。そんなエッサの頭の中に不思議な声が鳴り響きました。
『ビィービィー、システム設定により、対象A3を地下迷宮に強制転移させます。転移開始まで、3、2、1…………転移完了しました。』
エッサは光の球体に包まれると、目の前の景色が一瞬で変化しました。何度も入った事がある地下迷宮1階の洞窟が目の前には広がっていました。
(どういう事だべぇ。こんな魔法は存在しないはずべぇ?)
そうです。この世界には一瞬で遠くの場所に移動するような魔法はありません。飛行魔法ももちろんありません。あるのは攻撃と回復魔法ぐらいです。
『久し振りだな、A3。……いや、エッサ。特別に俺が直々に消去してやる。さっさと俺の所までやって来い。ただ消去せずにたっぷりと痛め付けて、俺のゲームを滅茶苦茶にした事を死ぬほど後悔させてやる!』
(この声はプロデューサーの岩田だべぇな。オラが何か怒らせるような事をしたべぇかな〜?)
ドンドンと地下迷宮の出入り口を叩いてみましたが、透明な壁に完全に塞がれていました。だとしたら、奥に進むしかないようです。
レベル100を超えた4人パーティーならば、地下19階の邪神を倒す事も可能ですが、レベル121のギャランが1人で倒す事はいまだに達成出来ていませんでした。
(とりあえずは進むしか道はなさそうだべぇな。)
ステータスを確認しましたが、レベルは204と変化していません。どうやら、プロデューサーはただ地下迷宮に強制転移させて、閉じ込めただけのようです。これならば問題なく地下19階までは進めそうです。
『ザァンザァン!サァーーー。』
全てが一撃で終わって行きます。やっと6階のボスモンスターで2撃です。出現モンスターのステータスも一切変化していません。
(どういう事だべぇ?オラに嫌がらせしたいなら、もっとモンスターのステータスを強化するべきなんだな。こんなに簡単に進ませて何を考えているんだべぇ?)
『ビィー、言っただろう。俺の手で直接痛めつけるってな。それに俺は元々優しい人間なんだよ。まだ8階までしか探索してなかっただろう?クックク、続きをやらせてやるよ!』
余計なお世話です。エッサは別にこんなダンジョンには未練はありません。閉じ込められてもいい迷惑です。さっさとプロデューサーを倒して、オルベ村の取れたてジャガイモを美味しく料理する研究を始めないといけません。
「ムカつく奴だべぇ。またオラの心を無断で読んだべぇな。何も細工してないなら、こんな低級ダンジョン、EXダンジョンの『恐怖』をクリアしたオラには簡単過ぎるんだな。」
本当はゲームをクリアして世界を救ったエッサを、喜ばせるサプライズかもしれません。実際は地下19階に到着したら料理や花束が用意されているかもしれません。
︎
前回はエッサ、ルナ、エミィ、ロックタの4人で倒しました。今回は地下8階の大森林のボス3体と、エッサ1人で戦う事になりました。
『ポワポワ〜〜……』と早速魔法使いの足元に魔法陣が出現しました。魔法を使われる前に倒しましょう。
「斬空乱波!」
『ザァシュン!サァーーー。』
『『ギィ!!』』
残りの2体が驚いていますが、ここのボス3体はHP2400程度です。もう楽勝です。残りは通常攻撃で余裕で倒せます。
(こんなに弱くなるんだべぇな。前も簡単に倒せたべぇが、今はもう簡単を通り過ぎて、スライムと同じぐらいの雑魚なんだべぇな。)
ちょっと強くなり過ぎた事で、エッサは苦戦や苦労という気持ちを感じる事が出来なくなったようです。苦労はしたくないですが、苦労した事のない人間がマトモな人間になれるかは疑問です。
傷つけ、傷つけられる事でちょっとずつ自分や他人の痛みを理解出来る立派な人間になれるはずなのです。プロデューサーにはゲームの登場人物の苦痛を理解してもらう必要があります。
(聞こえているべぇか?オラ達の痛みを骨の髄までしっかりと教えてやるんだべぇ。)
︎
「あぁ、やれるもんならやってくれよ、エッサ。」
岩田プロデューサーは地下19階の邪神の中に入っているようです。ボスモンスターをプレイヤーが操る事は出来ませんが、ゲームの開発者ならば可能です。現在の邪神のレベルはエッサと同じ204です。プロデューサーは対等なステータスで最後の決着をつけたいようです。
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