禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第102話・本物を見つけろ。
(幻術とレイピアによる攻撃だべぇか。職業は幻惑剣士とでも呼べばいいべぇな。)
ウルスラの作り出せる幻術は人間だけではないようです。物でも魔法でも可能なようです。そして、現在………。
「誰が本物のウルスラだべぇか?多過ぎて分かんないべぇ!」
「落ち着け、エッサ!……本物は1人だけだ。幻術の攻撃からはダメージを受けない。何とか本物だけを見つけるんだ。」
EXダンジョン90階『ウルスラの間』には20人のウルスラがフロアのあっちこっちに散らばっています。何故だか、2人だけ全裸姿と裸エプロンのウルスラがいました。
(ゴクリ………あの全裸の2人に集中力を奪われているべぇ。敵ながら恐ろしい女だべぇ。オラは全裸派だったべぇが、あの裸エプロンもヤバイんだな。うんだぁ。)
『ドォス!』
「痛いべぇ!さっきから何処に隠れているんだべぇ?」
キョロキョロと周囲を見渡しますが、どのウルスラが攻撃して来たのか分かりません。さっきから同じ状況が続いています。
(何をやっているんだ、エッサは?さっきから飛び跳ねて痛がっているようだが……まさか!ウルスラは痛みまで幻術で与えられるようになったのか。)
エッサとグロリアは苦戦しているようですが、20人のウルスラは全て幻術です。本物のウルスラは透明になってエッサだけを攻撃していました。
(このエロ男を倒せば、残りは筋肉だけ……魔法さえ使わせなければ全然問題ないわ。)
ウルスラは魔法の誘導システムを警戒しているようです。攻撃魔法だけは幻術を無視して本物だけを確実に狙います。姿を透明にしても魔法には意味がありません。
「おりゃー!そりゃー!ハァハァ、一体本物はどれだべぇ!仕方ない、次はこれにするべぇ。天空より訪れし神々の雷!ライトニング!」
『ピィシャン!』
「きゃっあ!」
エッサの雷魔法が透明になっていたウルスラの頭に直撃しました。彼女は驚いて軽く悲鳴を上げてしまうと、透明化が解けてしまいました。
(これで2回目だべぇ。魔法は避け切れないべぇか?)
魔法を喰らった直後は姿が見えるんだな。でも、すぐに透明に戻るんだべぇな。だったら常にオラが魔法攻撃を撃ち続ければ、ウルスラさんの居場所は特定出来るはずだべぇ。
「天空より訪れし神々の雷!ライトニング!」
『ピィシャン!』
んんっ?どういう事だべぇ。避けられたべぇか?でも居場所は特定したんだべぇな。
「紅蓮の焔よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」
『ヒューン、ボォーン!』
駄目だべぇ!またハズレたべぇ。左から右に向かって移動しているようだべぇが、狙いは誰だべぇ?
(ウッフフフフ。私の弱点に気づいたみたいだけど、それだけで勝てる程、戦いは甘くないわよ。)
部屋にいた20人のウルスラの幻が次々に消えて行きます。全てのウルスラが消え去ると部屋の中央に今度は沢山のエッサが出現しました。何故か1人だけ全裸姿なのか理解出来ませんが、偽物のエッサ20人が、一斉に本物のエッサに攻撃を仕掛けて来ました。
『ヒューン、ドォス!ヒューン、ヒューン、ドォス!』
「ぐぅっ!そういう事べぇか!オラの偽物と、オラに変身したウルスラがいるんだべぇな。これじゃあ、グロリアは本物のオラを助ける事も出来ないべぇ。」
また、だべぇ。また本に載っていない攻撃方法と戦闘パターンだべぇ。オーディンの時もそうだったべぇが、明らかに強過ぎるべぇ。このままでは全裸のウルスラさんとの『きゃっきゃうふふ』が絶望的なんだな。この状況を変える最善の手を考えるんだべぇ。
エッサは幻術の欠点を見抜こうとしています。幻術の攻撃は喰らわないけど、ウルスラの攻撃は喰らいます。今までの攻撃は全てレイピアによる刺突攻撃でした。つまりはレイピアを幻術でエッサが持っている両手剣に見せているだけで、レイピアはレイピアのままなのです。
「そういう事だべぇか。グロリア!合体必殺技の準備だべぇ!コイツらまとめて吹き飛ばしてやるべぇ!」
「分かった。すぐに始める。獄炎の焔よ!魔王の力よ!我が共に宿し魂よ!我が力を受け入れ、解き放て!デーモンズ・スタンプ!」
(最初から決めていた事だ。ここにいるウルスラは本物ではない。私の事も分からないし、覚えてもいない。話も通用しない。ただのウルスラの姿をした幻影なのだろう。今日で本当のさよならだ、我が妻よ。)
本物のエッサが偽物のエッサを連れて、グロリアに向かって行きます。敏捷が高い本物のエッサについて行けずに、偽物のエッサ達は引き離されて行きました。
「グロリア!1番速いオラが本物のエッサだべぇ。力を貸すんだべぇ!」
「受け取れ、エッサ!」
グロリアの攻撃力と魔力が全てエッサに引き渡されました。2人の力が合わさった現在の合体必殺技の威力はダメージ10万を超えます。
オラの姿をした本物のウルスラさんの攻撃は、必ず刺突攻撃だべぇ。振り下ろし、斬り上げ、薙ぎ払いは全て無視するんだな。両手剣の突き攻撃を待つんだべぇ。
エッサはハァ〜、ハァ〜と呼吸を落ち着かせると、運命の瞬間が訪れるのを待つ事にしました。そして、その瞬間がやって来ました。
『ヒューン、ヒューン、ヒューン』
(焦ったら駄目だべぇ。突き攻撃を待つんだべ。)
幻の大きな両手剣がエッサの身体を次々と通り過ぎて行きました。右方向からやって来る4人目のエッサが、両手剣の剣先を正面に向けて突っ込んで来ました。おそらくはアレが本物です。
「天を焼き尽くす炎龍の咆哮!魔皇獄炎昇龍破斬!」
『カァッ!ザァンザァン、ドォンドォン、ボォォーー!』
天に向かって振り上げられた両手剣の一撃は、エッサに変身したウルスラに直撃しました。激しい斬撃と爆発と炎の嵐がウルスラの身体を蹂躙しました。エッサの望み通りに黒色のロングドレスは消滅して行きました。
(おそらくはウルスラさんのHPは残るはずだべぇ。だとしたら、まだ過去の記憶を取り戻す可能性はあるはずだべぇ。やれる事は全てやるんだな。)
ウルスラの作り出せる幻術は人間だけではないようです。物でも魔法でも可能なようです。そして、現在………。
「誰が本物のウルスラだべぇか?多過ぎて分かんないべぇ!」
「落ち着け、エッサ!……本物は1人だけだ。幻術の攻撃からはダメージを受けない。何とか本物だけを見つけるんだ。」
EXダンジョン90階『ウルスラの間』には20人のウルスラがフロアのあっちこっちに散らばっています。何故だか、2人だけ全裸姿と裸エプロンのウルスラがいました。
(ゴクリ………あの全裸の2人に集中力を奪われているべぇ。敵ながら恐ろしい女だべぇ。オラは全裸派だったべぇが、あの裸エプロンもヤバイんだな。うんだぁ。)
『ドォス!』
「痛いべぇ!さっきから何処に隠れているんだべぇ?」
キョロキョロと周囲を見渡しますが、どのウルスラが攻撃して来たのか分かりません。さっきから同じ状況が続いています。
(何をやっているんだ、エッサは?さっきから飛び跳ねて痛がっているようだが……まさか!ウルスラは痛みまで幻術で与えられるようになったのか。)
エッサとグロリアは苦戦しているようですが、20人のウルスラは全て幻術です。本物のウルスラは透明になってエッサだけを攻撃していました。
(このエロ男を倒せば、残りは筋肉だけ……魔法さえ使わせなければ全然問題ないわ。)
ウルスラは魔法の誘導システムを警戒しているようです。攻撃魔法だけは幻術を無視して本物だけを確実に狙います。姿を透明にしても魔法には意味がありません。
「おりゃー!そりゃー!ハァハァ、一体本物はどれだべぇ!仕方ない、次はこれにするべぇ。天空より訪れし神々の雷!ライトニング!」
『ピィシャン!』
「きゃっあ!」
エッサの雷魔法が透明になっていたウルスラの頭に直撃しました。彼女は驚いて軽く悲鳴を上げてしまうと、透明化が解けてしまいました。
(これで2回目だべぇ。魔法は避け切れないべぇか?)
魔法を喰らった直後は姿が見えるんだな。でも、すぐに透明に戻るんだべぇな。だったら常にオラが魔法攻撃を撃ち続ければ、ウルスラさんの居場所は特定出来るはずだべぇ。
「天空より訪れし神々の雷!ライトニング!」
『ピィシャン!』
んんっ?どういう事だべぇ。避けられたべぇか?でも居場所は特定したんだべぇな。
「紅蓮の焔よ!敵を焼き尽くせ!ファイヤーボール!」
『ヒューン、ボォーン!』
駄目だべぇ!またハズレたべぇ。左から右に向かって移動しているようだべぇが、狙いは誰だべぇ?
(ウッフフフフ。私の弱点に気づいたみたいだけど、それだけで勝てる程、戦いは甘くないわよ。)
部屋にいた20人のウルスラの幻が次々に消えて行きます。全てのウルスラが消え去ると部屋の中央に今度は沢山のエッサが出現しました。何故か1人だけ全裸姿なのか理解出来ませんが、偽物のエッサ20人が、一斉に本物のエッサに攻撃を仕掛けて来ました。
『ヒューン、ドォス!ヒューン、ヒューン、ドォス!』
「ぐぅっ!そういう事べぇか!オラの偽物と、オラに変身したウルスラがいるんだべぇな。これじゃあ、グロリアは本物のオラを助ける事も出来ないべぇ。」
また、だべぇ。また本に載っていない攻撃方法と戦闘パターンだべぇ。オーディンの時もそうだったべぇが、明らかに強過ぎるべぇ。このままでは全裸のウルスラさんとの『きゃっきゃうふふ』が絶望的なんだな。この状況を変える最善の手を考えるんだべぇ。
エッサは幻術の欠点を見抜こうとしています。幻術の攻撃は喰らわないけど、ウルスラの攻撃は喰らいます。今までの攻撃は全てレイピアによる刺突攻撃でした。つまりはレイピアを幻術でエッサが持っている両手剣に見せているだけで、レイピアはレイピアのままなのです。
「そういう事だべぇか。グロリア!合体必殺技の準備だべぇ!コイツらまとめて吹き飛ばしてやるべぇ!」
「分かった。すぐに始める。獄炎の焔よ!魔王の力よ!我が共に宿し魂よ!我が力を受け入れ、解き放て!デーモンズ・スタンプ!」
(最初から決めていた事だ。ここにいるウルスラは本物ではない。私の事も分からないし、覚えてもいない。話も通用しない。ただのウルスラの姿をした幻影なのだろう。今日で本当のさよならだ、我が妻よ。)
本物のエッサが偽物のエッサを連れて、グロリアに向かって行きます。敏捷が高い本物のエッサについて行けずに、偽物のエッサ達は引き離されて行きました。
「グロリア!1番速いオラが本物のエッサだべぇ。力を貸すんだべぇ!」
「受け取れ、エッサ!」
グロリアの攻撃力と魔力が全てエッサに引き渡されました。2人の力が合わさった現在の合体必殺技の威力はダメージ10万を超えます。
オラの姿をした本物のウルスラさんの攻撃は、必ず刺突攻撃だべぇ。振り下ろし、斬り上げ、薙ぎ払いは全て無視するんだな。両手剣の突き攻撃を待つんだべぇ。
エッサはハァ〜、ハァ〜と呼吸を落ち着かせると、運命の瞬間が訪れるのを待つ事にしました。そして、その瞬間がやって来ました。
『ヒューン、ヒューン、ヒューン』
(焦ったら駄目だべぇ。突き攻撃を待つんだべ。)
幻の大きな両手剣がエッサの身体を次々と通り過ぎて行きました。右方向からやって来る4人目のエッサが、両手剣の剣先を正面に向けて突っ込んで来ました。おそらくはアレが本物です。
「天を焼き尽くす炎龍の咆哮!魔皇獄炎昇龍破斬!」
『カァッ!ザァンザァン、ドォンドォン、ボォォーー!』
天に向かって振り上げられた両手剣の一撃は、エッサに変身したウルスラに直撃しました。激しい斬撃と爆発と炎の嵐がウルスラの身体を蹂躙しました。エッサの望み通りに黒色のロングドレスは消滅して行きました。
(おそらくはウルスラさんのHPは残るはずだべぇ。だとしたら、まだ過去の記憶を取り戻す可能性はあるはずだべぇ。やれる事は全てやるんだな。)
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