禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?

ノベルバユーザー399768

第96話・最高神オーディン。

 ゲイ・ボルグ+2海獣クリードの骨槍。攻撃力426。グロリアの新しい槍は、前の槍よりも攻撃力が100アップした程度です。もう少し強化しないと違いがハッキリとは分からないでしょう。

『ドォス!サァーーー神の使徒消滅。』

「ふぅ〜、エッサのお陰で戦いやすくなった。疑って悪かったな。」

 そんな訳ありません。エッサに気を使って言っているだけです。

「そんな事ないべぇ。グロリアが頑張って、天使を倒してくれるからだべぇ。レベルが上がって強くなっているんだべぇ。これも奥さんに早く会いたいという、愛の為せる技だべぇ。羨ましいんだべぇ!」

「こらぁ〜!大人を揶揄うじゃない。エッサにも愛する女性の1人ぐらいはいるんだろう。私にも教えてくれよぉ〜。」

「はっはははは。そんな人いないべぇよ。」

(いるのは、殺したいほど憎い女だけだべぇ。しかも2人もだべぇ!)

 エッサはまだまだ31階から60階まであるEXダンジョン『難しい』の、59階までしか進もうとしません。レベル上げと武器強化を優先的に進める方が、次の61階から90階まであるEXダンジョン『恐怖』を楽に戦えます。

 とりあえず1日2回の探索で経験値145万獲得出来るようになったべぇ。

 現在のエッサのレベルは78になりました。グロリアのレベルは104になりました。

(レベル150を目指して、あと9日は今のまま『難しい』でレベルと武器を最大強化するべぇ。残念ながら、オラの武器まで強化する余裕はないべぇな。)

「残念ながら、奥さんに会うのはまだまだ先だべぇ。まずは、9日間この場所でレベルを上げるべぇ。武器も攻撃力710にすれば『難しい』でも通用するんだな。50年も我慢したんだべぇ。9日ぐらいは平気だべぇよな?」

(本当は今すぐにでも会いたい。もう二度と会う事が出来ないからこそ、長い月日を耐える事が出来た。だが今は、彼女の身体を力一杯抱きしめたい。ただそれだけしか考える事が出来ない。)

「問題ない。必要ならば何年でも我慢しよう。さあ、ドンドン倒すぞ。」

 たったの9日間の修行です。途中でエッサも攻撃に参加するようになると、格段に神の使徒を早く倒せるようになりました。

 ◆

 9日後。浮遊城には見違えるようにレベルアップした2人がいました。EXダンジョン『難しい』の60階に挑む日がやって来ました。

『名前・エッサ。職業・暗黒魔法騎士。称号・レベルの発見者。プレイヤーキラー。魔王の親友。レベル153。HP11500。MP3140。攻撃力943。魔力953。敏捷1047。』

『名前・グロリア。種族・異界人。称号・異界の槍騎士。異界を統べる覇王。エッサの親友。HP316000。MP不明。攻撃力1106。魔力642。敏捷780。』

「エッサ、60階のボスモンスターは強いのか?」

 ボキボキ、ボキボキとエッサは拳の骨を鳴らしています。武器は片手剣から、攻撃力の高い両手剣に変えて、背中に背負っています。

「くっくく。なんでオラが60階のボスモンスターと今まで戦わせなかったか分かるべぇか?60階にはこの世界の神様『オーディン様』がいるべぇよ。オラ達はこれから神殺しに行くべぇ。覚悟はいいべぇな?」

 ゴクリ、さすがに異界の覇王と呼ばれるグロリアも神様を殺そうと思った事はありません。そんな罰当たりな事をしたら、世界がオーディン様によって滅ぼされるかもしれません。

「たとえ相手が神様だろうと、俺はもう迷わない!俺はウルスラをここから連れ出して、もう一度2人で幸せになるんだ。その為に俺に力を貸してくれ、エッサ!」

(馬鹿野郎だべぇ。ここまで来たら確認の言葉なんていらないべぇ。行くべぇよ、相棒!)

 神の使徒を倒すのに、もう10分もかかりません。二人掛かりで4分もあれば簡単に倒してしまいます。ドンドン先に進んで行きました。そして、目的の60階『オーディンの間』に到着しました。

「やあ、オーディン様。一回だけ死んでくれないかべぇ?」










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