禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第48話・1ヶ月後のオルベ村。
「前衛は戦士か剣士で、後衛に狩人と僧侶。魔法剣士のオラが前衛と後衛の両方を兼任するのが一番だべぇなぁ。」
ダンジョンの地下7階を制覇すると、2人は王都に帰りました。夜ご飯を食べ終わると宿屋のエッサの部屋で、2人は作戦会議を始めました。同年代の女の子と部屋に2人きりだと何かしらのイベントを期待してしまいます。
「そうねぇ。回復魔法を使える僧侶は必要不可欠な存在だと思うわ。いるといないとじゃ生存率も大きく変わると思うわ。でも、奴隷で僧侶を探すのは無駄だと思うわよ。」
回復魔法が使える奴隷がいないのは当然です。回復魔法の使い手は貴重なので、仕事先は選び放題です。お金に困って盗みをする必要もありません。
「うんだぁ。その通りだべぇ。そこでオラの知っている田舎の村で探してみようと思うんだべぇ。ここから南の方にある多分人口73人ぐらいの小さな村になら、1人ぐらいは僧侶になれそうな村人がいるはずだべぇ。」
村を追い出されてから、もう1ヶ月以上だべぇ。そろそろ、村人もオラの事を忘れている頃だべぇ。どうせ意味もなく畑を耕すだけの人生だべぇ。優しいオラが無理矢理に杖を持たせて僧侶としてこき使ってやるべぇ。
「んんっ〜〜〜、ねぇ?今日はこの部屋に泊まってもいいかしら?疲れちゃった。」
「何言ってるべぇさぁ?!まだ出会ってから2日目だべぇ!もっと自分を大切にしないと駄目だぁべぇ。」
「えっ〜〜、宿屋代も結構するのよぉ〜。床に寝るからいいでしょう?」
「えっ?それならいいべぇ。でも、変な事をしたら追い出すべぇよ!」
残念ながら、エッサの期待するような事は起こりませんでした。ルナは『ぐぅ〜ぐぅ〜』とイビキをかいて寝てしまいました。
◆
翌日の朝にエッサの村に出発しました。王都を出てから、南の大森林を抜けると、さらに南に向かって進みます。昼前には予定通りに到着しました。
「エッサだぁ!みんなぁ〜、エッサが帰って来たぞぉ〜!」
どういう事だべぇ。なんでこんなに歓迎してくれるべぇ?それにオラの事をエッサと呼んでいるけど、もう1人のオラはどうしたんだべぇ?
「エッサ、凄いわねぇ〜!お城で働いているだけじゃなくて、王様付きの特別任務もやってるらしいじゃない。弟のホッサもこんなに凄いお兄さんがいたんじゃ、頭が上がらないわねぇ〜!」
「弟のホッサ?ノンノンさん、何言ってるべぇ?オラに弟なんていないべぇよ。」
この村は確かにオラが暮らしていた『オルベ村』だべぇ。いま話している隣の家のオバさんも、オラの知っているノンノンさんだべぇ。間違いなく、ここはオルベ村だべぇ。
「兄ちゃ〜ん!お帰りぃ〜!わぁわぁわぁ!隣の女の人は兄ちゃんの彼女だべぇかぁ?」
「あなたがエッサの弟のホッサ?似てないわね。私はエッサのパーティーメンバーで商人で狩人のルナよ。よろしくね。」
「自己紹介なんていいべぇ!お前、誰だべぇ!父ちゃんのオッサと母ちゃんのサッサは家の中にいるべぇか?」
オラの家から知らない弟が出て来たべぇ。たったの1ヶ月でこの村に何が起こったべぇ?父ちゃんと母ちゃんなら何か知っているはずだべぇ!
「父ちゃんなら家で寝ているべぇ。兄ちゃんからの仕送りで働かなくても食べていけるから、今は畑もやってないべぇ。」
オラの事を兄ちゃんと呼ぶんじゃない!よく見たら先祖代々受け継がれている鍬が、泥がついたまま家の外に放置されているべぇ。以前の父ちゃんならそんな事をオラがしたら、尻が2倍に腫れ上がるまで叩かれていた事はずだべぇ。
「エッサ……お帰りなさい。」
「エミィ。」
久し振りに幼馴染みの女の子と再会しました。2人は何だか気まずいようです。訳ありでしょうか?
『ドキドキ。ドキドキ。』と違うべぇ!今は胸のトキメキは邪魔なだけだべぇ!でも、今の村人の歓迎具合なら、エミィを僧侶にスカウト出来るかもしれないべぇ。とりあえず今の村の状況を知る方が先なんだな。
ダンジョンの地下7階を制覇すると、2人は王都に帰りました。夜ご飯を食べ終わると宿屋のエッサの部屋で、2人は作戦会議を始めました。同年代の女の子と部屋に2人きりだと何かしらのイベントを期待してしまいます。
「そうねぇ。回復魔法を使える僧侶は必要不可欠な存在だと思うわ。いるといないとじゃ生存率も大きく変わると思うわ。でも、奴隷で僧侶を探すのは無駄だと思うわよ。」
回復魔法が使える奴隷がいないのは当然です。回復魔法の使い手は貴重なので、仕事先は選び放題です。お金に困って盗みをする必要もありません。
「うんだぁ。その通りだべぇ。そこでオラの知っている田舎の村で探してみようと思うんだべぇ。ここから南の方にある多分人口73人ぐらいの小さな村になら、1人ぐらいは僧侶になれそうな村人がいるはずだべぇ。」
村を追い出されてから、もう1ヶ月以上だべぇ。そろそろ、村人もオラの事を忘れている頃だべぇ。どうせ意味もなく畑を耕すだけの人生だべぇ。優しいオラが無理矢理に杖を持たせて僧侶としてこき使ってやるべぇ。
「んんっ〜〜〜、ねぇ?今日はこの部屋に泊まってもいいかしら?疲れちゃった。」
「何言ってるべぇさぁ?!まだ出会ってから2日目だべぇ!もっと自分を大切にしないと駄目だぁべぇ。」
「えっ〜〜、宿屋代も結構するのよぉ〜。床に寝るからいいでしょう?」
「えっ?それならいいべぇ。でも、変な事をしたら追い出すべぇよ!」
残念ながら、エッサの期待するような事は起こりませんでした。ルナは『ぐぅ〜ぐぅ〜』とイビキをかいて寝てしまいました。
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翌日の朝にエッサの村に出発しました。王都を出てから、南の大森林を抜けると、さらに南に向かって進みます。昼前には予定通りに到着しました。
「エッサだぁ!みんなぁ〜、エッサが帰って来たぞぉ〜!」
どういう事だべぇ。なんでこんなに歓迎してくれるべぇ?それにオラの事をエッサと呼んでいるけど、もう1人のオラはどうしたんだべぇ?
「エッサ、凄いわねぇ〜!お城で働いているだけじゃなくて、王様付きの特別任務もやってるらしいじゃない。弟のホッサもこんなに凄いお兄さんがいたんじゃ、頭が上がらないわねぇ〜!」
「弟のホッサ?ノンノンさん、何言ってるべぇ?オラに弟なんていないべぇよ。」
この村は確かにオラが暮らしていた『オルベ村』だべぇ。いま話している隣の家のオバさんも、オラの知っているノンノンさんだべぇ。間違いなく、ここはオルベ村だべぇ。
「兄ちゃ〜ん!お帰りぃ〜!わぁわぁわぁ!隣の女の人は兄ちゃんの彼女だべぇかぁ?」
「あなたがエッサの弟のホッサ?似てないわね。私はエッサのパーティーメンバーで商人で狩人のルナよ。よろしくね。」
「自己紹介なんていいべぇ!お前、誰だべぇ!父ちゃんのオッサと母ちゃんのサッサは家の中にいるべぇか?」
オラの家から知らない弟が出て来たべぇ。たったの1ヶ月でこの村に何が起こったべぇ?父ちゃんと母ちゃんなら何か知っているはずだべぇ!
「父ちゃんなら家で寝ているべぇ。兄ちゃんからの仕送りで働かなくても食べていけるから、今は畑もやってないべぇ。」
オラの事を兄ちゃんと呼ぶんじゃない!よく見たら先祖代々受け継がれている鍬が、泥がついたまま家の外に放置されているべぇ。以前の父ちゃんならそんな事をオラがしたら、尻が2倍に腫れ上がるまで叩かれていた事はずだべぇ。
「エッサ……お帰りなさい。」
「エミィ。」
久し振りに幼馴染みの女の子と再会しました。2人は何だか気まずいようです。訳ありでしょうか?
『ドキドキ。ドキドキ。』と違うべぇ!今は胸のトキメキは邪魔なだけだべぇ!でも、今の村人の歓迎具合なら、エミィを僧侶にスカウト出来るかもしれないべぇ。とりあえず今の村の状況を知る方が先なんだな。
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