禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?

ノベルバユーザー399768

第17話・これが都会。

 わぁ〜、やっぱり門番さんが立ってるだぁ。しかも、あんなに沢山!オラの兜と鎧が錆びて曲がった釘のように思えるよぉ。門番さんの鎧はピカピカに輝いてるだなぁ〜。

「こんばんわぁ!中に入ってもよろしいでしょうかぁ?」

 田舎者でも挨拶と礼儀作法はしっかりと身につけてるだぁ。他人の家に入る時は許可をもらってから入るのが礼儀だぁ。うんだぁ。

「ちっ。勝手に入れ。」

 うんだぁ。門番さんも人間だぁ。機嫌が悪い時もあるぅ。舌打ちしたくなる時もあるぅ。

「ご苦労様ですぅ。失礼しますぅ。よろしくお願いしますぅ。」

 とりあえず、次に会うのはここを出る時だぁ。気にする必要はねぇべ。わぁ〜〜〜、流石に人が一杯だぁ〜!為して、夜なのにこんなに明るいんだぁ?もしかして、オラの村でもあった、年に一度の収穫祭の日じゃねぇとかぁ!そんな日に来れるなんてラッキーだべさぁ。

「なるほどのぉ!門番さんは祭りに参加出来なくて、不機嫌だったとなぁ。うんだぁ。そうに違いねぇ。」

 本の地図の通りなら、王都の入り口から真っ直ぐに道を進めば、酒場のフローラちゃんに会えるだぁ。オラと一緒で18歳だからお友達になれるかもしれねぇ。

 テクテクテク、テクテクテクと本当に都会は人が多いなぁ〜。人とぶつかりそうになるよぉ。でも、都会の女の人でも綺麗な服を着ている人と、村のエミィが着ているような色落ちした服を着ている人がいるなぁ?なんだか表情も明るい人と暗い人でハッキリと分かれているだぁ。

「もしかして、前に聞いた事がある奴隷という人達なんじゃねぇのか?だどしたら、オラの格好も奴隷と同じか、それ以下にしか見えねぇ。そう考えると門番さんは、オラの事を奴隷と思ってあんな意地悪な態度を取ったのかもしれねぇ。」

 都会には都会の仕来りがあるのかもしれねぇ。他所者のオラがあれこれ口出しする方が間違っているだぁ。あっ!あれがフローラちゃんのいる酒場だなぁ。

『くんくん。くんくん。』と鼻を鳴らして、服や手、脇の下の匂いを嗅いで行きます。第一印象が大事です。とくに若い女性は匂いに敏感に反応するらしいので、念入りにチェックしないと駄目らしいです。

「ちょっとだけ男臭がするけど、酒場なら酒の匂いで誤魔化せるはずだぁ。花の一本でもプレゼントに持って行くのが、都会の礼儀かもしれねぇけど、今回はミステリアスな田舎者として酒場に入ってみようぅ!」

 オラの名前はエッサです。オラの名前はエッサです。なんだか、エッサって名前だけで田舎者っぽいし、ちょっとだけ名前を変えてみよっかなぁ?

『ガヤガヤガヤ。ガヤガヤガヤ。』と酒場の中はとても賑わっていました。

「ここがフローラちゃんの働いている酒場かぁ!何処にフローラちゃんがいるのかぁ?」

 キョロキョロ?フローラちゃんっぽい女の子はいないけどぉ、女の子が何人か働いているからぁ、あの中の一人がフローラちゃんなのかなぁ?期待した程ではないなぁ。

「すいません〜!このオムライスを一つお願いしますぅ〜。あのぉ〜、それとフローラちゃんはどなたでしょうかぁ?」

 どう見ても、18歳というよりも27歳ぐらいのお姉さんに料理の注文をします。この人は見た目と年齢的にフローラちゃんではないと判断しました。残る候補は20歳前半ぐらいの2人だけです。

「えっ?マスターの娘さんでしょう?もう寝ていると思うわよ。明日も学校があるから早く寝ないとまずいでしょう。もしかして、お客さん?変な趣味とかないですよねぇ?」

「違いますだぁ!酒場の看板娘のフローラちゃんが可愛いと噂で聞いて、見て見たかっただけですだぁ!」

「まあ、確かに小さくて可愛いですけど。フローラちゃんに変な事したら、門番に突き出して牢獄に入れてもらいますからね。」

 ひぃぃぃぃ!都会はやっぱり怖い所だぁ!オラのような田舎者が都会の女の人にお近付きになろうとしただけで牢獄に入れられてしまうんだぉ。さっさとオムライスを食べて宿屋を探そぉ。うんだぁ。そうしよう。









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