禁断のアイテム『攻略本』を拾った村人は、プロデューサーのシナリオを壊せるのだろうか?
第13話・目指すは王都。
『チュンチュン。チュンチュン。』
可愛らしいスズメの鳴き声が聞こえます。茂みの中で一夜を過ごしたエッサですが、すっかり太陽は昇っていました。いつものエッサならば、決まった時間に一秒の狂いもなく起きていました。
「ぐぅ〜。ぐぅ〜。ぐぅ〜。ふぅわぁ?」
やっとエッサは起きたようです。目をこすりながら、周囲に村人がいないか警戒します。さっきまで大きなイビキをかいて寝ていたので、今更ですが念の為です。
「えっ?えっ?どういう事だぁ?何で傷口が無いんだぁ?」
パラパラと枕代わりに使っていた本を急いでめくると『宿屋に泊まるとHPとMPが全回復する』と載っていました。どうやら、野宿でも効果があったようです。
「ぐぅ〜〜〜〜〜。あいやぁ〜、そんな事よりも飯食わねぇと動けそうにねぇ。何とか動けるうちに飯の食える所に移動しないとなぁ。」
こんな時こそ本の出番です。一番近くにある都でも町でも村でもいいのです。そこを目指して進みます。エッサも世界地図のページを開いて調べ出しました。
「何という事だぁ!オラの村は田舎の中の田舎、街に行くには船に乗るか、山を越えるしかねぇ!しかも、唯一行ける東の山を越えた王都からしか船も出ねぇ。最悪の状況だぁ〜!」
パラパラ、パラパラと王都に行く為の道を調べます。マップデザイン様が最短距離で王都に行ける道を用意してくれているはずです。
「あった!ここにもモンスターが出現するみたいだけどぉ〜、レベルは12〜22と弱そうなのから強そうなのまで沢山いるなぁ〜?」
エッサは世界地図の上を指でなぞって行きます。エッサの村から北に向かって進むと、大森林の入り口があるらしいです。この大森林を抜けると王都まではすぐ近くでした。
「この大森林は魔法の力で、決められた道順通りに進まないと、出口に辿り着けない仕組みなんだなぁ?でも、本の通りに進めば大丈夫だろうぅ。ついでに宝箱からアイテムを集めて、王都で売れば飯代にもなるぅ〜。よぉ〜し、頑張るぞぉ〜!」
王都を目指す前に、エッサはちょっとだけ村の様子を見る事にしました。昨日の騒ぎです。村人達が畑を耕さないで武器を持って巡回しているかもしれません。
サァー、サァーと村が見渡せる場所まで、隠れながら慎重に移動しました。
『ザァク。ザァク。ザァク。』と昨日の朝と同じ光景です。村の男は畑を耕したり、切っても切っても翌日には伸びている雑草を刈り取っています。
「あいやぁ〜、どうやら村の畦道と同じように、壊れたら数時間で直されるらしいぃ。オラの事なんか忘れて、父ちゃんともう一人のオラが畑を耕してりゃ〜。父ちゃんと母ちゃん、今までありがとうなぁ〜。もう一人のオラと仲良く暮らすんやぁぞぉ〜。」
「ぐっすぅ。ぐっすぅ。」と父ちゃんと母ちゃんとの偽りの思い出を思い出しながら、エッサは涙を流します。
この気持ちも、この涙も、プロデューサー様が作り出したものならぁ〜、あんたは悪魔だぁ〜!オラはあんたを一生許さねぇー!オラは絶対にあんたの思い通りの不幸なシナリオなんか起こさせねぇー!オラがあんたのシナリオをぶっ壊してやるぅ!
          
可愛らしいスズメの鳴き声が聞こえます。茂みの中で一夜を過ごしたエッサですが、すっかり太陽は昇っていました。いつものエッサならば、決まった時間に一秒の狂いもなく起きていました。
「ぐぅ〜。ぐぅ〜。ぐぅ〜。ふぅわぁ?」
やっとエッサは起きたようです。目をこすりながら、周囲に村人がいないか警戒します。さっきまで大きなイビキをかいて寝ていたので、今更ですが念の為です。
「えっ?えっ?どういう事だぁ?何で傷口が無いんだぁ?」
パラパラと枕代わりに使っていた本を急いでめくると『宿屋に泊まるとHPとMPが全回復する』と載っていました。どうやら、野宿でも効果があったようです。
「ぐぅ〜〜〜〜〜。あいやぁ〜、そんな事よりも飯食わねぇと動けそうにねぇ。何とか動けるうちに飯の食える所に移動しないとなぁ。」
こんな時こそ本の出番です。一番近くにある都でも町でも村でもいいのです。そこを目指して進みます。エッサも世界地図のページを開いて調べ出しました。
「何という事だぁ!オラの村は田舎の中の田舎、街に行くには船に乗るか、山を越えるしかねぇ!しかも、唯一行ける東の山を越えた王都からしか船も出ねぇ。最悪の状況だぁ〜!」
パラパラ、パラパラと王都に行く為の道を調べます。マップデザイン様が最短距離で王都に行ける道を用意してくれているはずです。
「あった!ここにもモンスターが出現するみたいだけどぉ〜、レベルは12〜22と弱そうなのから強そうなのまで沢山いるなぁ〜?」
エッサは世界地図の上を指でなぞって行きます。エッサの村から北に向かって進むと、大森林の入り口があるらしいです。この大森林を抜けると王都まではすぐ近くでした。
「この大森林は魔法の力で、決められた道順通りに進まないと、出口に辿り着けない仕組みなんだなぁ?でも、本の通りに進めば大丈夫だろうぅ。ついでに宝箱からアイテムを集めて、王都で売れば飯代にもなるぅ〜。よぉ〜し、頑張るぞぉ〜!」
王都を目指す前に、エッサはちょっとだけ村の様子を見る事にしました。昨日の騒ぎです。村人達が畑を耕さないで武器を持って巡回しているかもしれません。
サァー、サァーと村が見渡せる場所まで、隠れながら慎重に移動しました。
『ザァク。ザァク。ザァク。』と昨日の朝と同じ光景です。村の男は畑を耕したり、切っても切っても翌日には伸びている雑草を刈り取っています。
「あいやぁ〜、どうやら村の畦道と同じように、壊れたら数時間で直されるらしいぃ。オラの事なんか忘れて、父ちゃんともう一人のオラが畑を耕してりゃ〜。父ちゃんと母ちゃん、今までありがとうなぁ〜。もう一人のオラと仲良く暮らすんやぁぞぉ〜。」
「ぐっすぅ。ぐっすぅ。」と父ちゃんと母ちゃんとの偽りの思い出を思い出しながら、エッサは涙を流します。
この気持ちも、この涙も、プロデューサー様が作り出したものならぁ〜、あんたは悪魔だぁ〜!オラはあんたを一生許さねぇー!オラは絶対にあんたの思い通りの不幸なシナリオなんか起こさせねぇー!オラがあんたのシナリオをぶっ壊してやるぅ!
          
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