K国の少年

我鷲院

第3話 K狼

woodsは悪の権化と成り果て、大陸においてありとあらゆる暴威を振るった

だが――

time is gone...

nobody can stop...

やがて、そんな彼にも最期が訪れる

ひとりの英雄が、彼を倒したのだ

大国Cのとある都市、とある駅の構内での出来事だった……

英雄Aの銃撃によって倒れたwoodsは、叫んだという

「俺を殺すとは、なんと愚かな! きっと後悔する……後悔するぞっ! うわぁーーーーはっはっはっ!!」

彼の哄笑が、そこにいたすべての者たちの心胆を冷やしたのは語るまでもない……

諸行無常

そんな、woodsも愛した街、K国S市――

突如大量に出没しはじめた狼の群れは、瞬く間に1万頭を超え、全市に散らばっていった

狼は、N狼という種類だった

N国固有の種とされるその狼が、今、どうしてK国のS市に現れたのか、真実は誰にも分からなかった

しかも、それはN国においても絶滅したとされている種

そんなN狼の群れが無差別に人々を襲いはじめ……!!

「K国人がN狼なんかに、後れをとるはずない」

good-boyのその囁きは、たしかに決めつけの域を出ない

「喰らい殺されたのはすべて、N国人に違いないさ」

good-boy、まさに、愛国心の塊

patriot...

「諸君、言わずとも知れたことだが、まずはN狼の対策あるいは、駆除についてだが」

落ち着き払ってそう切り出した男を、K国元首・Pとしようか

そこは、K国において政治的最高機関とされる場所、その一室

「N国からの来訪者と思われる男が3名喰い殺され、1名が付近で突然動き出したビル建設用クレーンで首を吊り上げられ死亡、という事件を皮切りに、主にS市内で大変な被害が出ております」

大臣Aが、報告をはじめる

「殺された者、多数……
勇敢に戦い、誰かを助けた者、多数
商業的、工業的、サービス業的損害、数知れず
我が国の未来におよぼす悪い影響、大
という、調査結果があがっております」

ともすれば、曖昧に過ぎる内容の報告だった

だが、そこにいるのはK国人の中でも、最高の頭脳と品格を持つ者たち

凡人が仄聞してわけが分からなくても、賢人はそのtone、そのchoice of words、その深刻さから、状況を正確に知ることができる

「N狼か……」

そう呻くは、大臣B

「まさか、超越者greater...」

「いや、動機が無い
彼女の仕業ではないだろう」

大臣Bの疑念を否定したのは、P

「ま、must-dustはこの件で使用しても意味が無いですからなあ
と、いうことは、やはりあの魔王woodsの置き土産……」

大臣Cの、推測

「それが妥当ですかな」

と、P

「そんなことより皆さん、今すぐに決めてしまわなければならないことがあります!」

大臣Dが訴える

その大臣は、その男こそが、魔王woodsの置き土産……N国系の血筋の人間だった

大臣DのK国に対する忠誠心、愛国心は本物だ

しかし、人として肝心な、品格が……致命的に異なる

「この際、出現したN狼をK狼と改名させてはいかがですかな?」

大臣Dの鼻息は荒かった

「それは、今話すべき事案ではありますまい」

大臣Aが異議を唱える

「しかし、N狼が奴らの国で滅びている今、K狼と名前を変えてやれば、あいつら涙目ですぞっ!」

大臣Dがテーブルを叩く、興奮のあまりに……

その男からK国人のimageは感じられない

人となり、気概、なにひとつ

だが、K国人の品格が、優しさが、こんな男にも冷たく接することをできなくする……

gentleman...

「……そうだな、我が国国内で起きたことで、他国に迷惑を掛けるわけにもいかんからな」

しばしの沈黙、その後に、Pは合意した

溜息を紛れさせ

「今、するべきことはS市とも連携し、一刻も早く狼の群れを捕獲・撃退することだ」

次にPが発したその言葉は、まさにこの議題の結論だった

N狼がK狼となるまでには、さほど時間は掛からなかった

その、国としての決定は、夕方のニュースにて全国民に伝わることになる……

「wan! wawan!」

「ギャーーーーッ!」

K狼が、また女性の喉元を喰い千切った

その、品性の無い絶叫――N国人

昨今、K国を観光で訪れるN国人は後を絶たない

若い女性が特に多かった

そんな女たちが数匹のK狼に襲われ、絶命、また1つasphaltに咲く、紅い花……

good-boyは、それを静かに見下ろしていた

憂いを帯びた眼差しで

遥か、ビルの高みから……

tragedy...not the end



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