ゼロからはじめる島津大河誘致

郭隗の馬の骨

第54話 地方自治問題の共通点

祭り之介はさっそくフウイと意見交換を始めるためパソコンを開きました。
彼が気づいたのはずばり無知、それは知らないという意味での無知と何をしていいかわからない行動の選択の無知でした。
そして、フウイが依然話していたとある大都市が日本人を排除している話についても同じ無知がはびこっておるのではないか。
祭り之介はそのようにフウイに伝えました。
フウイは庄内のような地方と横浜に近い大都会で似た現象が起きていることに関心をしめしていました。
どちらも現場にいるか、それともネットで調べないと情報が出てこないじつに怪しい状態でした。
それはまさに無知、いいかえれば情報統制みたいなものでフウイは背筋が寒くなる思いでした。
フウイは祭り之介から聞いたぬくみずの提案(個人農家の法人化)についてまるで防御のために鎧をまとうようなものだ、と感じました。
無知、とはすなわち丸腰、何をしていいかわからない状態とはいわば無抵抗の人間が隙だらけで戦場にいる状態のようなものだ。
フウイはさらに思考を巡らします。
テレビや新聞で取り上げないのであれば、残るは口コミかインターネットしかない。
でも、年配者特に地方のお年寄りはネットを使わない人が多い。
そうした人に新聞やテレビ以外の情報を伝えるにはどうしたらよいか。
まず南九州に限定して考えると、まずは南九州のネット民と全国のネット民が互いに情報を共有し同盟関係のような密接な関係をつくる。
次に島津義弘大河誘致活動を全国のネット民と協力して盛り上げる。
全国規模で盛り上がったら今度は南九州のネット民経由で情報をネットを使わない南九州の人々に伝える。
同時に島津の情報をネットと大河ドラマの両方から全国のネットを使わない層に伝え国防の大切さを伝えていく。
遠回りに見えますがこれが現実的で効率的な方法である、とフウイは考えていました。
もちろん他に方法があればそれに協力するのはやぶさかではありませんが、やはり政治的な話題はストレートにしても敬遠されやすいと感じました。
むしろ、島津義弘大河誘致運動のような「お祭りやイベント」がより効果を発揮する、はじめのころよりぶれないフウイの考え方、あるいは信念というものでした。
とにかく、情報的丸腰ではだめで、日本人一人一人が情報戦で負けないために武装しつつ、それぞれが組織化しその組織が連合して地方や国政において日本のためになる選択ができるように現実化することが大事なことだと思う。
フウイの長い話を聞きながらも祭り之介は大体理解したといい互いに協力しようとまとめて会話を締めくくりました。





          

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