ゼロからはじめる島津大河誘致

郭隗の馬の骨

第17話  一所懸命

祭り之介とフウイは島津義弘について話し始めました。
国防、国を守る、保守的な考えを持ち、昔から自衛隊員の多い土地柄の出身である祭り之介はすんなりと受け入れていました。
近くに厚木基地があり、ネットでの議論に参加することなく穏やかに目を通していたフウイも個人的には肯定の考えを持っていました。
ですが、フウイはふと考えました。
国防とか軍国的な考えに抵抗のある人も多いと思う。もっといい表現はないかな。
それにあまり血なまぐさいイメージばかりが先行するともともとのファンや情報通はともかくとして普通にテレビを見る層に嫌われてしまうよ。
しばらく沈黙と話し合いがありましたが祭り之介がある四文字熟語をひらめきました。
それは、「一所懸命」それを聞いてフウイもうんうんと納得していました。
フウイは感想を述べました。
この言葉なら島津義弘にぴったりのイメージだね。
それにこの言葉なら戦争に対してアレルギーを持つ人たちにとっても抵抗感は少ないんじゃないかな。
まあ、正確に言えば島津義弘は居城を変えているのでいつも同じ場所にいたわけではないけど、キャッチコピーだからいいんじゃないかな。
自分の国を、地域を、家族を、その場所において懸命に守る。
これなら今の時代に、そしてこれから近い将来に向けて必要なんじゃないかな。
祭り之介もフウイも大河ドラマを欠かさず見ていた口ですが、特にフウイはよく見ていました。
特に昔の大河ドラマはその時代と現在をリンクさせ、時代を超えたメッセージを送ってきました。
例えば、田中角栄という学歴の低い総理大臣と生まれが低いとされた豊臣秀吉がリンクしたり、日本がいきづまり改革が必要な空気が漂ったときは織田信長が主人公になっていました。
それ以外にも、その年ごとに現代に通じるテーマを通じて視聴者が現代社会において勉強となる、簡単に言えば為になるものでした。
フウイは今こそ世間では武闘派として知られ、内実は文武両道の島津家の歴史を通して視聴者が為になる歴史の知識や経験を知ってほしいと願っていました。
ひとは何かをしようとするとき、必ずどうしてこうしたいのかという心の意思が必要になります。かれらの気持ちは一つのテーマが固まったことによってより強くなりました。

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