ゼロからはじめる島津大河誘致

郭隗の馬の骨

第16話  軽小説 島津義弘

「ライトノベルを書く」コモロウのいきなりの発言に祭り之介とフウイは驚いた。
驚きをかくしつつフウイが問う。
どんな内容だい。
「島津義弘」
ぶっきらぼうに表現されているように見えるがネットでの表現だとこうなる。
再び二人は驚いた。
今度はコモロウが問う。
題名は何がいいと思う。
「軽小説 島津義弘」なんてどう。フウイは少し誇らしげに答えた。
「却下」即座にコモロウは答えた。へこむフウイ。
でも、とりあえず仮の名称ということで使わせてもらおうかしら。
コモロウは小説執筆の準備に忙しいのかそそくさと退席した。
それにしてもなんという変わりよう、何という行動力、二人の男子は自分たちよりはるかに活発な動きを尊敬とうらやましさの入り混じった感情で見送った。
それにしてもライトノベルとは、コモロウの柔軟な思い付きに二人は喜びを感じた。都会のコンクリのように固い態度で島津義弘大河運動を眺めていたコモロウがねえ。
もちろん完成するかどうか、したとしても時間がかかるだろうが挑戦するのは良いことだ。
この調子なら南九州地元の人々も、ネット民も、2人はそれぞれの思惑で将来に対する明るい期待を抱いていた。
残された二人はあるテーマについて話し合った。
それは、大河ドラマ、あるいは軽小説 島津義弘のキャッチコピーはなにがいいかという問題だ。
南九州の地元の人々にもそしてネット民にも理解できそして納得できる何かが欲しい。とりあえず宿題ということで2人は別れた。
祭り之介はそののち都城の都城島津邸に行き、ガイドさんや職員さんたちに島津義弘と大河ドラマ化について感想や意見を聞いてみた。その結果おおむね建設的な会話ができ、友好的ではあったがもう一つ暖簾に腕押しな感じであった。無理もないというより自然なこととして仕事中であり怪しい話に深入りはしづらく、保守的になるのは一般論としては正解であった。
一方、フウイはランダムにネット世論を眺めその動向を探っていた。
その中で目に付いたのは国防に関する議論だった。
「自分の国は自分で守る」多数を占めるこの意見からフウイは何かをつかもうとしていた。

          

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