付き合って結婚した後

三日月の空

泊まることになってから

咄嗟に入ってしまったホテルで1泊する事になった姫乃と神木。
何か話さなくては…告白されOKしたものの、それからあまり話せずに互いに反対を向いていた。

「な、なんか暇だねー!」
「そ、そうね!テレビでもつけましょう!」

急いでテレビをつけると、そういうホテルなので、アレなビデオしかつかなかった。
再び沈黙が訪れた。さっきよりもさらに重い。

「服、乾くかな?!」
「う、うん!乾くと思うよ!」

また沈黙が続く。
何か…何かないか…そうだ、お腹空いたかも!これを話題にしよう!ナイスお腹!

「お、お腹空かない?!」
「お、おおそうだね!何か食べようか!」

しかし、外へ出ようにも服を干しているままだ。

「俺が行ってくるよ!何がいい?!」
「でも、まだ服干してるし…」
「大丈夫!外まだ雨だし違和感ないよ!」

1人で行かせるのも悪いので、姫乃も濡れた服を着てコンビニへ行った。



「わ〜!雨全然止んでなかったね!」
「明日にはやむらしいけどね…」

服をまた干して買ってきたお弁当を並べてると、神木くんが恥ずかしそうに言った。

「その…俺達、付き合うことになったんだよね?」
「う、うん!」
「じゃ、じゃあ…アレ…しない…?」

途切れ途切れに言うので何が言いたいのかよく分からない。

「あ、あーんとかしない?」
「ふぇ?!な、なんで?!」
「姫ちゃんに言うのは変だけど、前の彼女とそういうのしてて…」

神木くん、彼女いたんだ…
別に期待はしていなかったが、彼女がいた事に驚いてしまった。

「いいよ。はい!あーん!」
「え、俺から?!あ、あーん…」

今、とても恋をしていると実感する。
幸せだ。



「そろそろ寝る?」
「そうだね、俺はソファで寝るから…」

神木くんは小さなソファへ向かったが、明らかに小さい。
可哀想すぎる。

「一緒に!寝よ…?」
「でも、異性と寝るのは嫌だろ?」
「ううん、付き合ってるんだから、いいよ。」

ベッドもそれ程大きくもなく、かなりくっついて寝る事になってしまう。

「ごめんね、狭いのに。」
「大丈夫!私、お父さん以外の男の人と寝るの初めてだから新鮮よ!」

嘘だ。今、めちゃくちゃ変な気持ちになっている。
男の人がすぐ後ろにいる。寝返りをうてば触ることが出来てしまう。
しかも、その人は恋人だ。
少しくらいなら…
反対を向き、寝ているのを確認してからまずは手を触ってみた。

「うーん…」

神木くんが声をあげたので驚いたが、寝ていたので続ける。
安心した瞬間、手を動かして胸に当たってしまった。

「ひゃう?!」

驚いて声が出てしまったが、なんだか気持ちが良かった。
試しに手をとって胸を揉ませる。
まずい。感情を抑えきれない。

「姫ちゃん…」
「神木くん?!起きてたの?!」

すると神木くんは姫に抱きつき、2人はキスをしてその後は記憶が無かった。



「うん…」

朝になったらしい。
昨日の記憶が全くない。

「姫ちゃん、起きたの…?」
「う、うん…」

思い出した。あの時キスして、それから…

「わ!私達!昨日どこまでしちゃったの?!」
「何だよ急に?!」

事情を説明すると、どうやらキスした辺りの記憶は全て夢だったらしい。我ながら恥ずかしい夢を見てしまった。

「じゃあ、帰ろうか。」
「そうだね!また今度…会えるかな…?」

神木くんに姫の上目遣いが炸裂した。

「あれ、どうしたの?」
「い、いや…また今度な…」

神木くんは家に帰ったあと嬉しすぎてぶっ倒れた。

to be continued…

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