付き合って結婚した後

三日月の空

浮気後編

「離婚しよう。」
「待って…優人…」

陽菜の浮気が優人に知られ、離婚の危機になってしまっていた。

「いやだよ…私…」
「ごめんな。俺、信頼してたのにこれじゃ…」

陽菜は泣きながら優人に抱きついた。

「ごめん…愛してる…私は愛してるから…!」
「だ…黙れ!」

どうしていいか分からず、陽菜の顔を殴ってしまった。

「痛いよぉ…優人…」

それでも諦めずに優人へ近づく陽菜をまた叩いてしまった。

「なんでもするから!だから…だから…!」
「出ていく。」

陽菜に手をあげてしまった事もあり、どうすればいいか分からなくなって家を出ていってしまった。



「どうしよう…私はなんてことを…」

陽菜はその場で崩れるように泣きながら倒れた。

「陽菜?!どうした?!」
「おねーちゃん…?」

一部始終をたまたま通りすぎて見ていた陽芽が走ってきた。

「またケンカか…って、その顔どうした?!」
「これは別に…」
「優人か?優人なのか?!アイツ、ぶっ潰してやる!」

陽菜は必死に止めて、事情を話した。

「そうだったのか…」
「どうしよう…私、離婚しなきゃだめなのかな…」
「確かに、お前のやった事は許される事じゃない。しかしな、ここで諦めたらこれまでの思い出全てを捨てることになるんだぞ。」

姉の言葉を聞いて、陽菜ははっとした。
優人との関係をここで絶ったら人生初にして唯一の初恋相手との思い出を捨てることになる。
陽菜は自分の間違いを自覚し、優人ともう一度やり直そうと決めた。



優人は帰ってくることが無く、陽菜は優人の実家を訪れた。

「あら〜!陽菜ちゃんよく来たわね〜!」
「すいません、優人いますか?」
「いるけど…なんか機嫌悪いわよ?」

急いで優人の部屋へ向かった。

「優人、入るよ?」
「何しに来た?」

優人は声のトーンが低く、怖かった。

「その…ごめん…!」
「何が?」
「優人の事…裏切ってしまって…」
「だから?」
「だ、だから…その…もう一度…」

優人は話を聞かずに陽菜を追い出してしまった。

「出ていけ。」

陽菜は扉が閉まらないように抵抗したが、頬を叩かれて閉まってしまった。

「おにーちゃん?!何やってんの?!」
「優梨ちゃん?!」

妹の優梨が下の階から走って扉を叩いた。

「陽菜ちゃんになんて事してるの!それでも夫なの?!出て来なさい!」
「優梨、そいつはもう家族じゃない。」

優梨も言い返せず、陽菜は結局帰る事にした。

to be continued…

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