付き合って結婚した後

三日月の空

圭に対するいじりが終わり、仕事の話になった。

「ヒナちゃんはお仕事、いつまで続けるの?」
「う〜ん…まだ考えてないですね!」

陽菜を含め、みんなかなり酔ってきたのでプライベートの話になってきた。

「杉田さんは結婚とかしないの〜?」
「私はまだしないね〜優人さんみたいなイケメンいないかな〜!」
「美男美女の夫婦とか最強かよ…」

時刻は9時を回っていた。

「そうだ、優人の声聞きます?!」
「いいね〜!電話しよう!」

優人の番号を入れて、電話をかけてみた。

「えぇ〜?!アイコン2人の写真なの?!」
「ラブラブね〜!」
「い、いいから電話かけますよ!」

しかし、優人には電話が繋がらなかった。

「あれ、優人さん忙しいのかな…」
「ま、まぁ引率だし仕方ないよ!」
「そ、そうだね…」

昨日はちゃんと電話に出たのに…やっぱり忙しいのだろうか。

「そろそろお開きにしようか!」
「そうですね〜」
「陽菜ちゃん、元気出しなよ〜?」

飲み会の後、陽菜と圭は同じ道なので一緒に帰った。

「陽菜ちゃんは優人さんのどこに惹かれたの?」
「う〜ん…惹かれるってよりは気が合うことの方が重要だったわね〜」
「じゃあ俺でも気が合えば良かったってこと?」
「そういうことでもないけど…」

話して歩いていたので、少し道を間違えてしまった。

「あれ…ここじゃなかった?」
「道間違えたかも…」

さっきいた飲み屋と隣の繁華街へ来てしまったようだ。

「なんか…怖いね…」
「いかにも、そういう店か多いよな…」

この繁華街は、キャバクラやちょっとヤバそうな店が多かった。

「陽菜ちゃんはこういう所、興味無さそうだよね。」
「そ、そうかな…私だって興味くらいあるよ?」

いきなり、圭は陽菜に抱きついた。

「ちょっと?!」
「好きだ。」
「ふぇ?!や、やめてよ!酔ってるの?」

圭は耳元で囁いた。

「優人さんいなくて寂しいんだろ?」
「で、でも…」
「俺なら陽菜ちゃんを愛せる。置いていったりしない。」

圭はさらに続ける。

「今夜だけでも、どうだ?」
「ごめん…私、圭君との関係を続けるためにはそういうの、出来ない。」

陽菜も優人が電話に出ず、とても寂しかったが圭とそういう関係になるのは出来なかった。

「もしかして、迷ったのもわざと?」
「それは本当だけど…」
「最低…」

しかし、圭は諦めない。

「陽菜ちゃん、ダメか…?」
「今の私…少し変かも…受け入れちゃう…」

圭の言葉を聞くうちに酔いのせいか、受け入れてしまいそうになってしまった。
そして、圭について行きホテルへ入ってしまった。

「今夜だけ…だから…」
「陽菜ちゃん…好きだ…」

陽菜は上着を脱いだ。
優人と会えない寂しさもあり、陽菜もその気になってしまった。

「優しく、してよね…」
「あぁ。」

圭はとても上手だった。多分、経験豊富なのだろう。
行為が終わった後、浮気という罪を犯した罪悪感だけが残った。

to be continued…

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