付き合って結婚した後

三日月の空

バレー前編

優人のクラスの体育をする時間、作戦を決行へ移した。

「よーしお前ら!今日はバレーするぞ!」
「「うぉおおおお!バレーだ!」」
「いいわね、男子は元気で。」

男子はみんな正直で心配はする必要はないので、作戦だけを考えた。

「チームだけど、林間学校の班でやるぞ!」
「えぇ〜!あっちのチーム強すぎる〜!」
「駄目だ。お前らの仲を深める為だ。」

女子のチームは、体育会系、オタク系、そして中野がいるチームなどにキッパリ分かれた。
中野のチームには、カースト上位の真希や真田さなだがいる。

「えぇ〜!なんでこのドジが一緒なの〜?!」
「引っ込んでてね!キャハハ!」

中野は案の定立場が弱い。
初戦はオタク系女子が相手なので圧倒的大差で勝利した。

「中野さん、邪魔。次の試合は保健室にでも行ってて!」
「ご、ごめん…」

中野は優人の近くに来て、保健室に行きたいと言った。

「駄目だ。戻れ。」
「なんで…私…」
「分かるぞ。少し恥づかしいけど、お前の足元見て気づいたんだ。」
「へ、変態…」

中野は怪しんで見つめた。

「ち、違う!その足…お前スポーツしてたろ。」
「なんで…!」
「筋肉のつき方が普通じゃない。それに、手が失礼だけどゴツイ。バレー、やってたんだろ?」

中野は驚いて見せた。図星のようだ。

「見せてやれ。今しかない。」
「でも…」
「必ず次は負ける!でもお前がしっかりやればあいつらに勝てる!」

優人が頼んで中野が入り、試合が始まった。

試合は10対30とかなりの点差をつけられて負けていた。

「ちょっと?!そこじゃまだから!」
「あんたはどいて!」

真希と真田がケンカを始めてしまった。

「ちょっと…ケンカなんて良くないよ…」
「「アンタは黙ってて!」」

この間も点差は開く一方。
優人は我慢出来なく、遠くにいる中野に怒鳴った。

「そんなんでいいのか中野ー!!さっき言ったの忘れたかー?!」
「先生…」
「ぶっ潰してやれー!そのためにこの試合出たんだろー?!」

優人の言葉で中野の迷いが吹っ切れた。

「うあぁぁあああ!」
「ちょっと中野さん?!」

中野は宙に舞ったボールを思い切り打ち返した。

「中野さん?!」
「いいぞ中野ー!」

中野は点差を1点まで縮め、時間も残り30秒。

「中野さん…」
「いいから集中して!」

中野は指示を出し、真希が上げたトスのボールを鋭いスパイクで打った。

「残り20秒!集中!」
「う、うん!」

次は中野が絶妙なトスを上げ、真希がそのボールを打った。
ボールは、相手コートの地面についた。
同時に、試合の終わりを告げるホイッスルが鳴った。

「か、勝った…」
「「やった〜!」」

男子含め、皆から中野は褒められた。

「そ、その…中野さん…ありがと…」
「え…!そんな…!」
「それと…ごめん!さっきあんな事言って…許されないとは分かってるけど謝りたい!」

真希は真田達を連れて頭を下げた。

「大丈夫よ。私、謝って貰えて嬉しい…」
「中野さん…!」

後編へ続く。

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