付き合って結婚した後

三日月の空

初登校

今日は優人が教師として初めて学校に行く日。

「優人!いってらっしゃい。」
「おお。いってきます。」

陽菜が何故か不機嫌だった。
よく見ると、口で何かを表している。

「違う〜!キスして〜!」
「それか…今日だけな。」

優人は陽菜少し強引に引き寄せ、キスした。

「じゃあな。」
「え…あっ!…うん!」



優人が行く学校は、立川辺りの第二高校だ。
そして優人は体育を教えるだけではなく、何故か1年目から担任にされてしまった。

「おはようございます。優人先生ですね!」
「あ、はい!よろしくお願いします。」

教師用の駐車場で先生が待っていた。

「朝は全員で予定を確認します。今回は優人先生に自己紹介をしてもらいたいので、考えといてくださいね。」

職員室のドアを開けると、20人程の先生がいた。
優人の席は、窓側の1番端であった。
試しに隣りの先生に挨拶してみる。

「おはようございます。」
「おっ!おはようございます!」

口調からして、少し緊張しやすいメガネの女性教師といった感じだろうか。

「え〜、今日は新しい先生がいらっしゃったので、早めにやりましょう。」
「じゃあ優人先生、よろしくお願いします。」

優人が立つと、全員が注目するのでやりづらい。

「五十嵐優人です。名前で呼ばれているので、優人先生と呼ばれると嬉しいです。体育が担当です。」

自己紹介の始めが少しおかしかっただろうか。終わって座った瞬間何度も自分の言葉を確認する。
すると、隣の先生も立ち上がった。たぶん、優人と同じ今年から来た先生だろう。

「さ!佐藤姫乃です!国語を担当します!よよよよよろしくお願いします!」

「え〜、という事で始業式はこの通りです。」



優人のクラスは、2年2組であった。
一呼吸置いてから教室のドアを開けた。

「優人先生だ〜!」
「始業式の自己紹介緊張してた人〜!」
「意外とイケメンね。」

入った瞬間生徒達に囲まれてしまった。

「あ、あはは〜…」
「ほら先生が困ってるだろ?席に着こうぜ。」

席に着くよう促したのは、クラスのリーダー的存在の柴崎だ。

「じゃあ軽く自己紹介してもらおうか!」
「はーい!俺は佐久さく〜!」
「俺、先生と同じ優人〜!」

次々と自己紹介が始まり、中には優人と同じ名前の生徒もいた。

この日は始業式の日というだけあって、早めに帰れた。

to be continued…

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