付き合って結婚した後

三日月の空

お正月

年を越して、お正月の朝を迎えた。
寝る前はずっと起きてると言っていた陽菜は、どうしているのだろうか。

「陽菜〜おはよ…おいこたつで寝たら…」
「おっはよ〜!」

陽菜は寝たふりをしていたらしい。つまり徹夜か…また陽菜のマネージャーに怒られる…

「あのな…モデル兼女優がそんな生活リズムで…」
「いいの〜!特番出ないから!」

と言っても、4日後にテレビの生放送があるのだ。あくまで三賀日だけ休みである。

「そうだ、お餅食べようか。」
「私やる!何つけて食べる?!」
「あ、あんこで。」

陽菜は皿に餅をふたつ乗せて、レンジに入れた。

少し経ち、お餅が綺麗に膨らんだ。

「優人〜!出来たよ!」
「おっ、綺麗に出来たな。」

優人はあんこ、陽菜はきな粉をつけて食べた。

「ん〜!美味し〜!」
「美味いな。」



お餅を食べ終えると、こたつでくつろいだ。

「陽菜、初詣行こう。」
「えぇ〜!寒い〜!」

陽菜がこたつから顔だけ出して、拒否した。

「あ、屋台出てるぞ。綿あめにチョコバナナ…」
「行きます!行かせていただきます!」

まったく、陽菜は正直で可愛いんだから。



「うわ…混んでる…」

2人は、近くの神社へ来た。とても混んでいて、知り合いもちょくちょくいた。

「優人、綿あめよ!」
「いいや、お参りだ。」

お賽銭を入れて、手を合わせた。
ーずっと2人で仲良くいられますようにー

「ねぇねぇ、何て願い事した〜?」
「言わねぇからな。」
「もぉ〜ケチ〜!綿あめ買いに行くわよ!」

しかし陽菜は、綿あめの隣りにあるくじ引きの屋台へ向かってしまった。

「おい綿あめどうすんだよ…」
「優人!一緒に引きましょ!」
「何で俺まで…」

結果は、2人とも今更感がありすぎるハンドスピナーだった。

「さぁ、綿あめ買うぞ。」
「私チョコバナナ買ってくるからよろしく!」

おい…陽菜は勝手だな…
けどそこが可愛い。
今の綿あめは、キャラが袋に描いているらしく、1番無難なデザインにした。

「優人、買った?」
「おお、買っ…あれ?」

目の前を、見覚えのある人物が通った。

「陽菜、絶対見つかるなよ。」

優人は陽菜の手をとり、少し逃げた。

「あ、先輩〜!」
「何しに来た。」
「何って、初詣ですよ〜!」

そこにいたのは、優人の大学の後輩真里奈であった。

「え〜?そこの可愛い方は誰ですかぁ〜?」

陽菜が恐ろしい顔でこちらを見ている。まずい、何か、何か良い手は…

「あらぁ〜大人気モデルの方じゃないの〜」
「はいそうですよ?あなたは〜優人の愛人ですか?」
「お…おい…」

2人の間に火花が散り始めてしまった。

「優人は私の夫なんです〜あなたごときに仲良く出来ると思わないでください〜」
「あはは〜酷いな〜!大学にいた頃の先輩をよく知らない癖に〜!」

周りもモデルの陽菜に気づいて集まって来たので、近くのファミレスへ避難した。

「なんでこの人まで!」
「仕方ねぇだろ俺の後輩なんだから。」

これからめんどくさい事が起きるぞ…

to be continued…

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