付き合って結婚した後

三日月の空

次の日

無理やり陽菜と行為をしてしまった次の日の朝、陽菜がいなくなってしまっていた。
優人は陽菜に電話をかけてみた。

「あっ、陽菜?!」
「何よ。」
「どこいるんだよ!俺が悪かった!」

優人は必死に謝った。

「何言ってるの。テーブル見なかった?」
「へ…?」
「だから、朝早く収録ありますって書いたでしょ!」

言われたように、テーブルの上を見ると紙にそう書かれていた。

「怒って…ないのか…?」
「それは!すごい痛かったし、嫌だったけど、もう大丈夫よ。」
「そうか…ごめんな…俺、あの時はおかしかった…」

陽菜が許してくれて、一気に安心した。しかし、あそこまで嫌がるとは思わず、本当に許してくれたのか心配になってきた。

「でもさ…もう、子供作りたいなんて言わないで…」
「陽菜はどうして嫌なんだ?」
「私、もうあんな思いしたくない…優人にも迷惑かけて…」

陽菜は電話の奥できっと泣いているのだろう。少しだけ鼻をすする音がする。

「俺はサポートする!陽菜は心配するな!」
「もういいの…私…」

陽菜は悲しそうな声で何かを言って電話を切った。

「陽菜…俺がしっかりしなければ!」

優人は、気合いを入れてバイトへ向かった。



優人のバイトは、塾講師だ。教師になりたい優人にとっては最高のバイトである。

「あっ!優人せんせ!」
「おお真里奈まりな先生どうしました?」

真里奈は、優人の大学の後輩で、とても彼の事を慕っている女性だ。

「優人せんせ〜今日、隣の席ですよ〜!」
「そーだな、邪魔しないでください。」

真里奈はしつこい。前から何度も邪魔されたり、生徒達からも舐められるのだ。

「ねぇ先生、なんで敬語なんですか〜?私、あなたの後輩ですよ?!」
「塾だからな。」
「先生の彼女〜?」
「違ぇよ!」

何故かこの塾では真里奈とお似合いカップルだと思われているが、陽菜と結婚していることを優人は毎回言っている。

「先輩、今日ご飯行きません?」
「行きません。」

陽菜に見つかったら大変なことになる。前は知らずに合コンへ参加させられ、陽菜に見つかり寝込んでしまった。

「あのせんぱ…」
「行かないから。」

きっぱりと断った。

to be continued…

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