付き合って結婚した後

三日月の空

優人の周り

「元気出せって〜!」

あれから、酷く落ち込んでいる優人を翔が何度もフォローしようと訪れてくれる。

「翔…笑いに来たのか?」
「いーや!お前が笑うんだよ!」
「何言ってんだよ…」

翔はレジ袋に入った大量のお酒とおつまみをテーブルに置いた。

「おい…俺は酒飲めないぞ。」
「いいから飲め!」
「なんで静香先生が…」

いつ入って来たのか分からないが、静香先生まで参加していた。

「確かにお前も悪いぞ?でもな、陽菜ちゃんだって無理したんだろ?私には分かる。あの子は止められない。」
「何が言いたいんですか…」
「つまり、終わった事なんだ。今からまたやり直せばいいじゃないか!」 

静香先生は、大きな声で言った。

「私なんかな、まだ結婚も出来ないんだぞ!」
「それは男運が無いからで…」

酔っているのか?静香先生はさらに激しくなった。

「もしお前が陽菜ちゃんと別れるなら、私が変わりになるぞ!」
「それは…嫌です…」
「だろ?!いや、だろってのもおかしいけど、とにかく!諦めるな!」

そうだ…!諦めない…!
何故か、静香先生の言葉がグサッときた。

「あの…俺は?」
「翔君も飲もう!今日は飲むぞ〜!」



「うおぇぇぇ…」
「静香先生…もう飲めません…」
「なんだ2人とも〜!弱い男はかっこよくないぞ!」

と言っても、静香先生は注ぐだけで飲んでいない。

「先生も飲んでくださいよ!」
「私も飲んでるぞ〜!」

さらに飲まされ、翔は寝てしまった。

「優人…私もいい女じゃないか?」「そうですね…で?」
「だからか。優し過ぎるんだよ。」
「へ?」

静香先生は水の入ったコップを優人に向かって投げた。

「こんくらいしないとな!陽菜も無理するぞ!」
「は、はぁ…」
「なんか、高校の時の陽菜との妊娠騒動を思い出すよな。」

妊娠騒動とは、高校生時代に陽菜との間に子供が出来たとかなり騒動になった事だ。(ちなみに子供は出来ていなかった。)

「やめてください…そのせいで陽菜とのことが広まったんですから…」
「あーはっはっはっ!懐かしいな〜!」

優人の周りには、こんなにも気遣ってくれる人がいることを改めて知った優人であった。

to be continued…

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