死神と歩く異世界冒険録
第7話 遠くから見えるもの
「おい。お前、本当に食わねぇーのか?結構いけるぞ!」
アールヴが焼いた蛙の肉片を食べながら充に言ってきた。
「はい、いりません。俺の方は蛙を食べるんなんて絶対に無理なので!」
「でもよ、それで明日まで持つのか?このペースの移動だと、今日は間違いなく野宿になると思うぞ」
「大丈夫です!」
「へー、そっかー、まー、お前が菜食主義者だって知らなくて、ごめんなぁ!俺の方で前もって貰った資料には、そんなこと書いてなかったからよぉ」
(資料ってなんなんすか……)
「ちょっと…、別に菜食主義者だから、蛙食べなかった訳じゃないですよ!勘違いしないでください。俺は好みの問題の事を言ってるんです。何を聞いてたんですか!まったく、もうぅ!」
「好み?」
「はい。嫌いだから食べたくないってことです」
「そーいや、そんな感じで言っていたよなぁ。でもよぉ、そうすっとだぁ、お前蛙食ったことあんのか?」
「無いですよ」
「無いなら、一回やってみた方いいと思うんだけどなぁ。そんな草ばっかだと、たいした量にもなんねぇーし持たねぇぞぉ~。ある程度まで進んだら野宿用の場所を探さねぇーといけねーし」
蛙の食べられない充は、アールヴからこの辺に生息している薬草などの情報を聞いて、とりあえず食べられそうな草を片っ端からかき集めて食べていた。
ただ片っ端から集めたとは言っても、それらは所詮植物でしかない。
二十代の男一人が腹にたまる量を集めるとなると結構な時間がかかってしまう。
なので、充は暫くの間ひたすらに草を集めて、ただひたすらに魔法の袋に入れるという作業を繰り返していた。
そういうこともあって、今の彼はまだ夕暮れ前なのにも関わらず既に今日は野宿だと覚悟を決めている。
「はい、それはもう覚悟していますよ。ただ野宿とは言ってもなるべく町に近づいていけば、その分だけモンスターとの遭遇率も減るとは思いますので、進めるだけ進んでおきましょう」
「あー、まー。確かにそうだな、腹減りながら意外に根性あんなお前」
「一応、誉め言葉としは受け取っておきますよ」
という会話をしていると二人の視界から少し離れたところで、何やら大きめな物がこちらに近づいてくる。
「へー、こんな時間から旅かい。ずいぶん急な感じなんだなぁ~」
アールヴのその言葉に興味を引かれて充も、こちらに近づいてくる対象に注意を向けて見てみる。
すると、それは馬車と周囲に何人かが見えるので、どうやらとある一団が旅をしている最中ということなのだろう。
「へー、あの一団ですか?ん?ってことはですよ。今の時間からあんなゆっくりと進んでいるってことは夜とかは……」
「多分な、あの馬車の中に乗っているのが商人で、周囲が護衛とかそんな感じじゃねぇーかな」
「へー、ずいぶんと詳しいですね」
「いや、詳しいっつーか、ある程度この辺いれば、そんくらい想像つくぞ」
「へー、色々とあるんでしょうね」
二人は何気なく、そんな会話をしながら道に沿って歩いていた。
この世界に来てから始めて見る自分以外の人という存在。
一応、アールヴもそのくくりになるのかもしれないが、ただ彼の正体はあくまでも死神らしいので……
「多分、このまま歩いていくと、お互いぶつかりますよね」
「あー。まー、なー」
「でしたら、ちょっとどんな人達か見てみたいんですけど良いですか?」
「えっ……、何を言うんだよ。ってか、お前この世界の事まだ何も分かってねーんだから、交流を持とうとするのは町行ってからでも良くねーか?」
「確かに、それでもいいのかもしれないですけど、何となく興味が湧いてとかだとダメですかね?」
「いや、ダメってことねぇーけどよ。お前、相手商人だぞ……、今のお前、この世界の価値観とかそう言った類いの事、なんもねぇーじゃねーかよ」
「価値観って別に、そんな大したもの持ってないですよね、俺」
「んー、どうだろうな……。それによ、お前が勝手に交流持ちたいっていってもよぉ。向こうにその気がなかったら、無視されて終わりか、場合によっては不審者だろぉ。その辺はなんか考えてんのかよ」
「あー、そうですよね。その辺は全く考えてませんでした」
「ったく、余計なこと考えねぇーで先行くぞ!」
「はーい。分かりました」
そんなどうでもいいような会話を二人は重ねていき、気がつくと馬車の一団はもう間もなくという距離のところにあった。
アールヴが焼いた蛙の肉片を食べながら充に言ってきた。
「はい、いりません。俺の方は蛙を食べるんなんて絶対に無理なので!」
「でもよ、それで明日まで持つのか?このペースの移動だと、今日は間違いなく野宿になると思うぞ」
「大丈夫です!」
「へー、そっかー、まー、お前が菜食主義者だって知らなくて、ごめんなぁ!俺の方で前もって貰った資料には、そんなこと書いてなかったからよぉ」
(資料ってなんなんすか……)
「ちょっと…、別に菜食主義者だから、蛙食べなかった訳じゃないですよ!勘違いしないでください。俺は好みの問題の事を言ってるんです。何を聞いてたんですか!まったく、もうぅ!」
「好み?」
「はい。嫌いだから食べたくないってことです」
「そーいや、そんな感じで言っていたよなぁ。でもよぉ、そうすっとだぁ、お前蛙食ったことあんのか?」
「無いですよ」
「無いなら、一回やってみた方いいと思うんだけどなぁ。そんな草ばっかだと、たいした量にもなんねぇーし持たねぇぞぉ~。ある程度まで進んだら野宿用の場所を探さねぇーといけねーし」
蛙の食べられない充は、アールヴからこの辺に生息している薬草などの情報を聞いて、とりあえず食べられそうな草を片っ端からかき集めて食べていた。
ただ片っ端から集めたとは言っても、それらは所詮植物でしかない。
二十代の男一人が腹にたまる量を集めるとなると結構な時間がかかってしまう。
なので、充は暫くの間ひたすらに草を集めて、ただひたすらに魔法の袋に入れるという作業を繰り返していた。
そういうこともあって、今の彼はまだ夕暮れ前なのにも関わらず既に今日は野宿だと覚悟を決めている。
「はい、それはもう覚悟していますよ。ただ野宿とは言ってもなるべく町に近づいていけば、その分だけモンスターとの遭遇率も減るとは思いますので、進めるだけ進んでおきましょう」
「あー、まー。確かにそうだな、腹減りながら意外に根性あんなお前」
「一応、誉め言葉としは受け取っておきますよ」
という会話をしていると二人の視界から少し離れたところで、何やら大きめな物がこちらに近づいてくる。
「へー、こんな時間から旅かい。ずいぶん急な感じなんだなぁ~」
アールヴのその言葉に興味を引かれて充も、こちらに近づいてくる対象に注意を向けて見てみる。
すると、それは馬車と周囲に何人かが見えるので、どうやらとある一団が旅をしている最中ということなのだろう。
「へー、あの一団ですか?ん?ってことはですよ。今の時間からあんなゆっくりと進んでいるってことは夜とかは……」
「多分な、あの馬車の中に乗っているのが商人で、周囲が護衛とかそんな感じじゃねぇーかな」
「へー、ずいぶんと詳しいですね」
「いや、詳しいっつーか、ある程度この辺いれば、そんくらい想像つくぞ」
「へー、色々とあるんでしょうね」
二人は何気なく、そんな会話をしながら道に沿って歩いていた。
この世界に来てから始めて見る自分以外の人という存在。
一応、アールヴもそのくくりになるのかもしれないが、ただ彼の正体はあくまでも死神らしいので……
「多分、このまま歩いていくと、お互いぶつかりますよね」
「あー。まー、なー」
「でしたら、ちょっとどんな人達か見てみたいんですけど良いですか?」
「えっ……、何を言うんだよ。ってか、お前この世界の事まだ何も分かってねーんだから、交流を持とうとするのは町行ってからでも良くねーか?」
「確かに、それでもいいのかもしれないですけど、何となく興味が湧いてとかだとダメですかね?」
「いや、ダメってことねぇーけどよ。お前、相手商人だぞ……、今のお前、この世界の価値観とかそう言った類いの事、なんもねぇーじゃねーかよ」
「価値観って別に、そんな大したもの持ってないですよね、俺」
「んー、どうだろうな……。それによ、お前が勝手に交流持ちたいっていってもよぉ。向こうにその気がなかったら、無視されて終わりか、場合によっては不審者だろぉ。その辺はなんか考えてんのかよ」
「あー、そうですよね。その辺は全く考えてませんでした」
「ったく、余計なこと考えねぇーで先行くぞ!」
「はーい。分かりました」
そんなどうでもいいような会話を二人は重ねていき、気がつくと馬車の一団はもう間もなくという距離のところにあった。
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