神業(マリオネット)
1ー66★魔力増幅装置
『アンタの性格と一緒で、なかなかねじ曲がった魔力の流れだね』
『性格と一緒なら素直で順応性の高い魔力だと思うんだが…』
石の下にいるナカノから数mほど離れた位置でラゴスとソフィアが何やら会話をしている。
ラゴスの方は中腰で左手は右の手首を掴み、右手は地面を触れて精神を集中させているようだ。
そして後ろにはソフィアがいて、ラゴスの肩を手で軽く触れ目を瞑りながら何かを探しているように見える。
『えっと…あれは…何をしているのでしょうか…?』
アンテロがヘンリーに訪ねた。
『ラゴスの方ですか?それともソフィアの方ですか?』
『ラゴス様の方は今から魔法を使うというのは分かるんですが…ソフィア様の方は、ちょっと…』
『ソフィアの方は、簡単にいうと魔法増幅効果の役目です』
『魔法増幅効果の役目ですか???』
『あー、すいません。説明があまりにも省略しすぎですね。今からラゴスが魔法を使ってナカノさんを助けようとしているのは分かりますよね?』
『はい、それは』
『ラゴスの方も策は出来ていると思うんですが、ただ自分の魔法の力だけだと足りないと考えているようです』
『ソフィア様も一緒に魔法を使うということですか?』
『いえ、ソフィアもラゴスと同じ魔法を使うのではなくて、ソフィアの魔力をラゴスに一時的に貸すといった方が理解しやすいかもしれません』
『魔力を貸す?』
『例えば今のラゴスの魔力が70だったとします。今回100の魔法を使えばナカノさんを救出できると考えた場合、30不足しますよね。その30をソフィアが補うということです』
『えーっと…理屈は分かるんですけど…そんな事って簡単にできるんですか??』
『かなり難しいって言うか、普通は無理だよ!』
エルメダが会話の中に入ってきた。
『あっ、お嬢様!』
『多分、俺よりは魔法職を専門にしようとしているエルメダちゃんの方が、こういうことには詳しいかもね。俺はやることがあるからちょっと…』
そう言いながらヘンリーは座り込み下敷きになっているナカノに耳打ちをしている。
ヘンリーは魔法に関する解説は苦手分野のようで解説をエルメダに代わりたいようだ。
『アンテロ、おばさんを、ここからよーく見ると全身が薄い光でおおわれているのが分かる?』
エルメダがアンテロの横に並び両腕を出した。
出された両腕を見ると両方の指で窓のような形を作っていた。
エルメダの指を通して二人を見ると何かぼやけて見える。
『はい。何となくですが見えます。緑っぽいものですよね』
『それが、おばさんの魔力の光ね。今度は、そのままラゴスさんの方をみれる?』
『はい。ラゴス様の方は黄色っぽく見えます』
『それが今の二人の魔力ね。魔力は本来、潜在的なものだったりするのがほとんどだから変わらないんだけど、そのままおばさんの両手の辺りを見てて』
アンテロはエルメダの言う通りにソフィアの両手に焦点を絞ってみることにした。
最初は変わらず薄い緑だと思っていたのだが…
『あれ?光の色が…』
ソフィアの周囲を覆っていた薄い緑の光が無色に変化を始める。
『そのまま見てて!』
アンテロは変化があった段階で目線を外しそうになるのを見て、エルメダが忠告した。
どうやらまだ続きがあるようだ。
緑から無色に変化を始めたソフィアの魔力。
色の変化の次は動きの変化が現れた??
最初は全身を均一に覆っていたように見える
だが徐々に光の強さが疎らになっていく。
頭の周りや足の周りの光は薄くなっているように見え、代わりにラゴスの肩の周りの光が強くなっているように見える。
『あれは…魔力が移動してるってことですか?』
『移動じゃなくて、おばさんの魔力がラゴスさんの魔力に一体化してるの』
『一体化ですか?』
エルメダに言われてアンテロは再び注意深く窓を見直す。
ラゴスの肩の周りの光に自分の視点を集めてみた。
アンテロの目には強くなっている光は黄色の光に見える。
これがソフィアの魔力であれば緑色から透明に変化した光のはずだ。
恐らくソフィアの透明の光の一部がラゴスの光になる、すなわち一体化なのだろう。
『はい、確かによく見るとラゴス様の光が強くなっているようですね』
『うん!』
とここで、座り込んでいるヘンリーがラゴス達の方をみながら両手を上げた。
『俺の方は準備大丈夫だよ!そっちの方は?』
アンテロとエルメダは準備の事が何か分からなかったので、下を見るとナカノの顎に当たる部分の土が掘られていた。
これによりナカノには首を動かすスペースが出来ていて、首と石像のスペースの部分にクッションとして木が当てられている。
『魔法使うのはアンタなんだから、アンタが答えな!』
『おう!こっちの方も、そろそろ準備は整ったぞ!』
『了解!じゃー、残りの三人に段取りの説明は俺がする?ラゴスがする?』
『お前からでいいぞ!』
ラゴスは魔法の使用に全力を注ぎたいようで、段取りの説明はヘンリーに任せるらしい。
『よーし!じゃー、残りの三人はこっちに来てくれ!段取りの説明をするよ!』
ヘンリーの言葉と同時にエルメダとアンテロ、セアラの三人がヘンリーの方に近寄っていった。
『性格と一緒なら素直で順応性の高い魔力だと思うんだが…』
石の下にいるナカノから数mほど離れた位置でラゴスとソフィアが何やら会話をしている。
ラゴスの方は中腰で左手は右の手首を掴み、右手は地面を触れて精神を集中させているようだ。
そして後ろにはソフィアがいて、ラゴスの肩を手で軽く触れ目を瞑りながら何かを探しているように見える。
『えっと…あれは…何をしているのでしょうか…?』
アンテロがヘンリーに訪ねた。
『ラゴスの方ですか?それともソフィアの方ですか?』
『ラゴス様の方は今から魔法を使うというのは分かるんですが…ソフィア様の方は、ちょっと…』
『ソフィアの方は、簡単にいうと魔法増幅効果の役目です』
『魔法増幅効果の役目ですか???』
『あー、すいません。説明があまりにも省略しすぎですね。今からラゴスが魔法を使ってナカノさんを助けようとしているのは分かりますよね?』
『はい、それは』
『ラゴスの方も策は出来ていると思うんですが、ただ自分の魔法の力だけだと足りないと考えているようです』
『ソフィア様も一緒に魔法を使うということですか?』
『いえ、ソフィアもラゴスと同じ魔法を使うのではなくて、ソフィアの魔力をラゴスに一時的に貸すといった方が理解しやすいかもしれません』
『魔力を貸す?』
『例えば今のラゴスの魔力が70だったとします。今回100の魔法を使えばナカノさんを救出できると考えた場合、30不足しますよね。その30をソフィアが補うということです』
『えーっと…理屈は分かるんですけど…そんな事って簡単にできるんですか??』
『かなり難しいって言うか、普通は無理だよ!』
エルメダが会話の中に入ってきた。
『あっ、お嬢様!』
『多分、俺よりは魔法職を専門にしようとしているエルメダちゃんの方が、こういうことには詳しいかもね。俺はやることがあるからちょっと…』
そう言いながらヘンリーは座り込み下敷きになっているナカノに耳打ちをしている。
ヘンリーは魔法に関する解説は苦手分野のようで解説をエルメダに代わりたいようだ。
『アンテロ、おばさんを、ここからよーく見ると全身が薄い光でおおわれているのが分かる?』
エルメダがアンテロの横に並び両腕を出した。
出された両腕を見ると両方の指で窓のような形を作っていた。
エルメダの指を通して二人を見ると何かぼやけて見える。
『はい。何となくですが見えます。緑っぽいものですよね』
『それが、おばさんの魔力の光ね。今度は、そのままラゴスさんの方をみれる?』
『はい。ラゴス様の方は黄色っぽく見えます』
『それが今の二人の魔力ね。魔力は本来、潜在的なものだったりするのがほとんどだから変わらないんだけど、そのままおばさんの両手の辺りを見てて』
アンテロはエルメダの言う通りにソフィアの両手に焦点を絞ってみることにした。
最初は変わらず薄い緑だと思っていたのだが…
『あれ?光の色が…』
ソフィアの周囲を覆っていた薄い緑の光が無色に変化を始める。
『そのまま見てて!』
アンテロは変化があった段階で目線を外しそうになるのを見て、エルメダが忠告した。
どうやらまだ続きがあるようだ。
緑から無色に変化を始めたソフィアの魔力。
色の変化の次は動きの変化が現れた??
最初は全身を均一に覆っていたように見える
だが徐々に光の強さが疎らになっていく。
頭の周りや足の周りの光は薄くなっているように見え、代わりにラゴスの肩の周りの光が強くなっているように見える。
『あれは…魔力が移動してるってことですか?』
『移動じゃなくて、おばさんの魔力がラゴスさんの魔力に一体化してるの』
『一体化ですか?』
エルメダに言われてアンテロは再び注意深く窓を見直す。
ラゴスの肩の周りの光に自分の視点を集めてみた。
アンテロの目には強くなっている光は黄色の光に見える。
これがソフィアの魔力であれば緑色から透明に変化した光のはずだ。
恐らくソフィアの透明の光の一部がラゴスの光になる、すなわち一体化なのだろう。
『はい、確かによく見るとラゴス様の光が強くなっているようですね』
『うん!』
とここで、座り込んでいるヘンリーがラゴス達の方をみながら両手を上げた。
『俺の方は準備大丈夫だよ!そっちの方は?』
アンテロとエルメダは準備の事が何か分からなかったので、下を見るとナカノの顎に当たる部分の土が掘られていた。
これによりナカノには首を動かすスペースが出来ていて、首と石像のスペースの部分にクッションとして木が当てられている。
『魔法使うのはアンタなんだから、アンタが答えな!』
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『よーし!じゃー、残りの三人はこっちに来てくれ!段取りの説明をするよ!』
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