神業(マリオネット)
1ー28★結局一緒!
一人だけ事情を知らないエウラに説明を終えた後、とりあえずは昼食を食べようということになった。
俺、エルメダ、アンテロ、スルト、エウラで食事をしたのだが、エウラに事情説明はするものの誰一人として無駄な話をするものがいない。
そして昼食を終えて再び話をすることになったのだが、時間が解決してくれたのだろうか、先ずは落ち着いた表情でアンテロが俺に頭を下げた。
『先程は取り乱してしまい申し訳ございませんでした』
『あっ…というか…謝ってもらっても…俺としては何が何だか分からないんだけど…』
『そうですね。では先ずはこちらを見ていただけますか?』
アンテロはそういうと普段から被っているフードを脱いだのだが、そこには…
いつもフードから見える銀髪からは細長い耳が少し垂れ下がるようについていたのだ。
(あれは…ウサギの耳?え?なんで?どこから現れたの?)
『私は兎人族、卑しい兎の亜人種でございます。何も知らないナカノ様を騙していました。申し訳ございません』
これはコスプレなのか?などと呑気な考えを抱いている俺に、そうアンテロは言い放った。
(卑しい?騙していた?は?何のことだ?)
考えが緩みきっていた反動なのだろう…
俺は目を丸くするばかりで次の言葉がでない…
『ナカノさん、最初にお会いした時、この孤児院は人間・エルフ・ドワーフの他に亜人種もいるとお伝えしたかと思います。そしてアンテロは、この孤児院の出身で亜人種なのです』
言葉がでない俺の前にスルトがアンテロの言葉に補足をする。
『あー、はい。確かに聞きましたけど…卑しいって何ですか?騙してた?』
『人間・エルフ・ドワーフ以外の種族は、奴隷か妾というのが相場でございます。それをナカノ様の前では人間のふりをして何気なく過ごしていたと言うことでございます』
目を瞑り淡々とした口調でアンテロが喋っている。
『奴隷か妾が相場って言っても…俺、実際にそんな人見たことないし…それにアンテロさんに種族なんですかって聞いた覚えないんですけど…俺が聞きたいのは、そういうことじゃないんですけど…』
『はい、ではどう言ったことでしょうか…』
『先ずは、兎人族って何ですか?』
『兎の亜人でございます』
『それは分かりました。それにカードを見せてもらって兎っぽい能力あるんだろうなって言うのも予想つきます。後は頭に可愛らしい耳がついてますよね。他に何か…あっ…おしりに尻尾があるとかですか!』
俺がそう言うとアンテロは不思議そうに俺を見てきた。
『あーっ…はい…ございます…』
小さな声でアンテロが同意してくれた。
『他に何かあるんですか?』
『何と言われましても…私…亜人ですよ!』
『それで?』
『はい?』
『見た目が違う、兎の能力ある、他何かあるんですか?』
『他と言われても…亜人って差別の対象ですよ!』
『ワーハッハッハー!アンテロよ、だから言っただろう。ナカノさんは大丈夫だと!』
俺とアンテロの不毛な争いを見て大声で笑いながらスルトが入ってきた。
『あのー、ナカノ様は、どう言った方なのでしょうか?』
『え?俺は俺だと思いますけど…アンテロさんはアンテロさんですよね!結局一緒ですよ!』
『いえ、そういう意味ではなかったのですけど…申し訳ございません』
『そっちの方よりは、なんで今までフードだけで耳を完璧に隠すことができたんですか?』
『それについては私からナカノさんにお話ししましょう。この都市の暗黙の決まりとともに。恐らく、これからアンテロの話を聞く前にナカノさんには私の方から色々と説明をした方がいいかもしれませんね』
『あー、はい。お願いします』
そしてスルトは俺の向かい側に座り、いつも被っているビレッタ帽を脱ぎながら喋ってくれた。
俺、エルメダ、アンテロ、スルト、エウラで食事をしたのだが、エウラに事情説明はするものの誰一人として無駄な話をするものがいない。
そして昼食を終えて再び話をすることになったのだが、時間が解決してくれたのだろうか、先ずは落ち着いた表情でアンテロが俺に頭を下げた。
『先程は取り乱してしまい申し訳ございませんでした』
『あっ…というか…謝ってもらっても…俺としては何が何だか分からないんだけど…』
『そうですね。では先ずはこちらを見ていただけますか?』
アンテロはそういうと普段から被っているフードを脱いだのだが、そこには…
いつもフードから見える銀髪からは細長い耳が少し垂れ下がるようについていたのだ。
(あれは…ウサギの耳?え?なんで?どこから現れたの?)
『私は兎人族、卑しい兎の亜人種でございます。何も知らないナカノ様を騙していました。申し訳ございません』
これはコスプレなのか?などと呑気な考えを抱いている俺に、そうアンテロは言い放った。
(卑しい?騙していた?は?何のことだ?)
考えが緩みきっていた反動なのだろう…
俺は目を丸くするばかりで次の言葉がでない…
『ナカノさん、最初にお会いした時、この孤児院は人間・エルフ・ドワーフの他に亜人種もいるとお伝えしたかと思います。そしてアンテロは、この孤児院の出身で亜人種なのです』
言葉がでない俺の前にスルトがアンテロの言葉に補足をする。
『あー、はい。確かに聞きましたけど…卑しいって何ですか?騙してた?』
『人間・エルフ・ドワーフ以外の種族は、奴隷か妾というのが相場でございます。それをナカノ様の前では人間のふりをして何気なく過ごしていたと言うことでございます』
目を瞑り淡々とした口調でアンテロが喋っている。
『奴隷か妾が相場って言っても…俺、実際にそんな人見たことないし…それにアンテロさんに種族なんですかって聞いた覚えないんですけど…俺が聞きたいのは、そういうことじゃないんですけど…』
『はい、ではどう言ったことでしょうか…』
『先ずは、兎人族って何ですか?』
『兎の亜人でございます』
『それは分かりました。それにカードを見せてもらって兎っぽい能力あるんだろうなって言うのも予想つきます。後は頭に可愛らしい耳がついてますよね。他に何か…あっ…おしりに尻尾があるとかですか!』
俺がそう言うとアンテロは不思議そうに俺を見てきた。
『あーっ…はい…ございます…』
小さな声でアンテロが同意してくれた。
『他に何かあるんですか?』
『何と言われましても…私…亜人ですよ!』
『それで?』
『はい?』
『見た目が違う、兎の能力ある、他何かあるんですか?』
『他と言われても…亜人って差別の対象ですよ!』
『ワーハッハッハー!アンテロよ、だから言っただろう。ナカノさんは大丈夫だと!』
俺とアンテロの不毛な争いを見て大声で笑いながらスルトが入ってきた。
『あのー、ナカノ様は、どう言った方なのでしょうか?』
『え?俺は俺だと思いますけど…アンテロさんはアンテロさんですよね!結局一緒ですよ!』
『いえ、そういう意味ではなかったのですけど…申し訳ございません』
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