神業(マリオネット)
1ー20★市場(その2)
『ねぇ~、アンテロってば~何してるの~!』
『あっ、お嬢様、申し訳ございません…何でもございません』
『もー、ナカノさんが料理道具とか欲しいとかって言ってるの!聞いててよね!』
『いやっ…そんなにキツく言わなくてもね…大丈夫だよ…』
『ナカノ様、失礼しました。どのような調理道具をお探しでしょうか?』
『この都市で見たことないから、調理道具をオーダーメイドとか出来るお店がいいんですが』
『それなら鋳物屋さんに行ってみるのはいかがでしょうか。』
『はい、お願いします』
アンテロの道案内で通りを2つほど外れて歩いていく。
どうやら通りごとに食料品、衣類、金物などと区別されているようだった。
数分ほど歩き1軒のお店の前に来た。
『オーダーメイド品でも鍛冶師に頼むほどではないのであれば、このお店でことが足りると思います』
『ありがとう!店内を見た後、お店の人と詳しい話すると思うから、その間どこかで待っていてもらえると嬉しいんだけど…』
『でしたら私とお嬢様は彼処の休憩用の椅子に座って待っていましょうか』
『分かったー!アンテロ行こう!』
こっちの世界にない調理器具のオーダーメイドだけに、どれ程時間が掛かるのか分からない。
あまり暇させるわけにもいかないので、飲み物など買えるように銀貨1枚をアンテロに渡し待っていてもらうことにした。
お店の中に入ると手拭いを被った俺よりも一回りくらい縦にも横にも大きい男が愛想よく迎えてくれた。
『いらっしゃいませ!何かお探しですか?』
『いやー、少し変わった調理道具が欲しくてね』
『もし宜しければ詳しいお話を聞かせてくれませんか?』
なかなかテンポの良い具合に話してくれる。
これなら俺の要求も伝えやすいかと思い、店主らしき男と本格的に商談に入った。
幸い俺の欲している調理器具は特別な仕掛けがあるわけではない。
形だけが特別というだけなので、3日ほどあれば足りると言われた。
代金も品物と交換時で良いからと言われ、満足のいく話ができたと思いお店を後にして約束の場所まで向かう。
待っていたのはエルメダが一人だけだ…
左手には飲み物が入った容器を持っていて、右手は空のお皿を持ち下を向いていた。
『アンテロさんは?』
俺の声を聞くと嬉しそうに上を向いて笑いかけてくれたが、直ぐに真面目な顔をし1本の路地の方へ顔を向けた。
見るとアンテロは先程、自身が凝視をしていた男と真剣な話をしているようだ。
距離があるので内容は全く分からないが、明るい話ではない気がする。
俺がアンテロを呼び止めようとすると、エルメダが俺の右手を思いっきり引っ張り小さな声で言ってきた。
『あの人、奴隷商人…』
『はっ!?』
エルメダの突然の声に、俺は大声をあげてしまった。
俺の一言が周囲の注目を浴びると、それに男も気づいたようだ。
男がアンテロに何か告げると男は後ろを向き一目散に駆け足で去っていった。
男に声を掛けて呼び止めたかったのだが、アンテロがこちらへ向かってきたので、それもしづらかった。
『ナカノ様、お待たせしたようで申し訳ございません』
『あれ?お話は終わったんですか?』
『大丈夫ですよ、そこまでのお話でもございませんから』
『あっ…そうなんですね…』
アンテロが満面の笑みで対応してくれるので、俺としてはツッコミしづらかった。
踏ん切りがつかない感じは大いにあったが、自分の用件の方は既に済んでいる。
時刻は夕方に差し迫っていた。
アンテロも修道院へ帰る途中というのを考えると遅くなるわけにもいかないと思う。
取り敢えず市場を後にすることにした。
『あっ、お嬢様、申し訳ございません…何でもございません』
『もー、ナカノさんが料理道具とか欲しいとかって言ってるの!聞いててよね!』
『いやっ…そんなにキツく言わなくてもね…大丈夫だよ…』
『ナカノ様、失礼しました。どのような調理道具をお探しでしょうか?』
『この都市で見たことないから、調理道具をオーダーメイドとか出来るお店がいいんですが』
『それなら鋳物屋さんに行ってみるのはいかがでしょうか。』
『はい、お願いします』
アンテロの道案内で通りを2つほど外れて歩いていく。
どうやら通りごとに食料品、衣類、金物などと区別されているようだった。
数分ほど歩き1軒のお店の前に来た。
『オーダーメイド品でも鍛冶師に頼むほどではないのであれば、このお店でことが足りると思います』
『ありがとう!店内を見た後、お店の人と詳しい話すると思うから、その間どこかで待っていてもらえると嬉しいんだけど…』
『でしたら私とお嬢様は彼処の休憩用の椅子に座って待っていましょうか』
『分かったー!アンテロ行こう!』
こっちの世界にない調理器具のオーダーメイドだけに、どれ程時間が掛かるのか分からない。
あまり暇させるわけにもいかないので、飲み物など買えるように銀貨1枚をアンテロに渡し待っていてもらうことにした。
お店の中に入ると手拭いを被った俺よりも一回りくらい縦にも横にも大きい男が愛想よく迎えてくれた。
『いらっしゃいませ!何かお探しですか?』
『いやー、少し変わった調理道具が欲しくてね』
『もし宜しければ詳しいお話を聞かせてくれませんか?』
なかなかテンポの良い具合に話してくれる。
これなら俺の要求も伝えやすいかと思い、店主らしき男と本格的に商談に入った。
幸い俺の欲している調理器具は特別な仕掛けがあるわけではない。
形だけが特別というだけなので、3日ほどあれば足りると言われた。
代金も品物と交換時で良いからと言われ、満足のいく話ができたと思いお店を後にして約束の場所まで向かう。
待っていたのはエルメダが一人だけだ…
左手には飲み物が入った容器を持っていて、右手は空のお皿を持ち下を向いていた。
『アンテロさんは?』
俺の声を聞くと嬉しそうに上を向いて笑いかけてくれたが、直ぐに真面目な顔をし1本の路地の方へ顔を向けた。
見るとアンテロは先程、自身が凝視をしていた男と真剣な話をしているようだ。
距離があるので内容は全く分からないが、明るい話ではない気がする。
俺がアンテロを呼び止めようとすると、エルメダが俺の右手を思いっきり引っ張り小さな声で言ってきた。
『あの人、奴隷商人…』
『はっ!?』
エルメダの突然の声に、俺は大声をあげてしまった。
俺の一言が周囲の注目を浴びると、それに男も気づいたようだ。
男がアンテロに何か告げると男は後ろを向き一目散に駆け足で去っていった。
男に声を掛けて呼び止めたかったのだが、アンテロがこちらへ向かってきたので、それもしづらかった。
『ナカノ様、お待たせしたようで申し訳ございません』
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『大丈夫ですよ、そこまでのお話でもございませんから』
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