聖玉と巫女の物語
父と子
「父上も神官長もご存知だったのですね。この事はいずれ僕も……?」
フリンツは、母メレディアが部屋を退室したのを見計らって話しはじめた。
父ホルティスは室内着をはおり、ゆったりとした椅子に腰かけていた。
視力は戻らなかった。
「私の代で終わりにしたかった。だから、書庫を封鎖して、地下墓地もろとも王族の記憶から消すつもりだった」
父の言葉を聞いて、フリンツは痛みを感じた。
「じゃあ、僕には知らせるつもりはなかったんですね」
 多くの人々は王妃同様、神殿の地盤崩壊のせいでカイサル神官長が亡くなり、王もその時、地下書庫にいたせいで負傷し失明したと思っている。
神官たちは神官長を失い、さらに聖玉を失ったことを嘆き悲しんでいた。
目を失ったホルティスに代わり、今はフリンツが王の補佐をしているが、彼が王の座に着くのはそう遅くはないだろうと周りの誰もが思っていた。
フリンツは使いを呼んだ。
「アシュリータ巫女をここへ呼んで欲しい」
フリンツは、母メレディアが部屋を退室したのを見計らって話しはじめた。
父ホルティスは室内着をはおり、ゆったりとした椅子に腰かけていた。
視力は戻らなかった。
「私の代で終わりにしたかった。だから、書庫を封鎖して、地下墓地もろとも王族の記憶から消すつもりだった」
父の言葉を聞いて、フリンツは痛みを感じた。
「じゃあ、僕には知らせるつもりはなかったんですね」
 多くの人々は王妃同様、神殿の地盤崩壊のせいでカイサル神官長が亡くなり、王もその時、地下書庫にいたせいで負傷し失明したと思っている。
神官たちは神官長を失い、さらに聖玉を失ったことを嘆き悲しんでいた。
目を失ったホルティスに代わり、今はフリンツが王の補佐をしているが、彼が王の座に着くのはそう遅くはないだろうと周りの誰もが思っていた。
フリンツは使いを呼んだ。
「アシュリータ巫女をここへ呼んで欲しい」
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