聖玉と巫女の物語
ゴヴィ
「とにかく、まず先に二人の伝令を走らせましょう。一方は神殿に、ファルサ様と私が戻る旨と、もう一方はヘイワード隊長にこの事を伝える。とりあえず隊長の許可を得てからにしましょう」
エリクは、ファルサの夢の話に不安を持っていたが、彼女の強い意志に何か抵抗しがたいものを感じていた。
「わかりました」
ファルサはヘイワードなら、自分がここにいるより神殿に向かってくれる方を喜ぶだろうと思った。
そしてほどなく、二人の伝令がそれぞれの方角に向かって出発した。
「ゴヴィだ!」
その時、一人の見張りの騎士が叫んだ。
エリクとファルサが彼の指さす方を見ると、十数メートル先の木々の間を、黒い大きな塊がものすごい勢いで北の森の中に走っていくのが確認できた。
「あれが、ゴヴィ……」
エリクは生きたゴヴィを見るのは初めてだった。しかし、ファルサもまた、驚いていた。
(いくら北の森が近いとはいえ、こんな所でゴヴィを見るなんて)
「近くに妖魔がいるかもしれない。警戒しろ!」
警護の騎士たちは、緊張の面持ちで当たりを見回した。
エリクは、ファルサの夢の話に不安を持っていたが、彼女の強い意志に何か抵抗しがたいものを感じていた。
「わかりました」
ファルサはヘイワードなら、自分がここにいるより神殿に向かってくれる方を喜ぶだろうと思った。
そしてほどなく、二人の伝令がそれぞれの方角に向かって出発した。
「ゴヴィだ!」
その時、一人の見張りの騎士が叫んだ。
エリクとファルサが彼の指さす方を見ると、十数メートル先の木々の間を、黒い大きな塊がものすごい勢いで北の森の中に走っていくのが確認できた。
「あれが、ゴヴィ……」
エリクは生きたゴヴィを見るのは初めてだった。しかし、ファルサもまた、驚いていた。
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警護の騎士たちは、緊張の面持ちで当たりを見回した。
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