聖玉と巫女の物語
書庫②
書庫への出入りは、神官長執務室の隣にあった。
書庫管理室には、係の神官がいて、一般人の利用は認められていなかった。
フリンツは行商服の下に、ちゃんと王子の正装を着用していた。
「王子……」
書庫係の神官は驚いていた。
「今から二人で書庫を使いたいんだけど」
「あっ、はい!」
「何か不都合が?」
「あの……さきほど、カイサル神官長に午後からは書庫を閉めるようにと」
「わかった。遅くならないようにするし、後で神官長に言っておくよ。今、誰か書庫を使ってる?」
「いえ、誰も」
「じゃあ、鍵が閉まってるってこと? 開けてくれるかな」
「はい」
書庫係は地下書庫に通じる扉を開けて、そこにあった下り階段を下りて行った。
中の石壁には一定の間隔を置いて、ランプの火が灯されていた。
書庫係が、鍵で書庫の扉を開ける音が地下に響いた。
「どうぞ」
「ありがとう。誰も入ってこないよう上の部屋で見張っててくれる?」
書庫管理室には、係の神官がいて、一般人の利用は認められていなかった。
フリンツは行商服の下に、ちゃんと王子の正装を着用していた。
「王子……」
書庫係の神官は驚いていた。
「今から二人で書庫を使いたいんだけど」
「あっ、はい!」
「何か不都合が?」
「あの……さきほど、カイサル神官長に午後からは書庫を閉めるようにと」
「わかった。遅くならないようにするし、後で神官長に言っておくよ。今、誰か書庫を使ってる?」
「いえ、誰も」
「じゃあ、鍵が閉まってるってこと? 開けてくれるかな」
「はい」
書庫係は地下書庫に通じる扉を開けて、そこにあった下り階段を下りて行った。
中の石壁には一定の間隔を置いて、ランプの火が灯されていた。
書庫係が、鍵で書庫の扉を開ける音が地下に響いた。
「どうぞ」
「ありがとう。誰も入ってこないよう上の部屋で見張っててくれる?」
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