0章　プロローグ

人々は、今日も通勤通学に追われ急ぎ行き交う。

それは、ただ代わり映えのない平穏な日常の風景だ。　

だが、そんな日常がある日を境に一変し非日常へと様変わりしてしまった。　

突如として出現した目をしかめるほどの眩い紫色の光が、東京の渋谷交差点を中心に広がり周り全てを飲み込だ。

　その日、人類史は終わりとなった。

そして神族、魔族、人族が同次元に存在する新たなる類史の幕開けとなったのだった。　

　日本が、いや世界が一変してしまった三年前の異界化中心地。　

まるで日夜逆転したような暗闇が辺りを包んでいる。　

突如として荒廃した土地には崩壊した高層ビルなどの建物があちらこちらにつきだしていた。　

そんな様変わりしてしまった土地で人形や獣型の多くの魔族たちは無抵抗な人々を襲ってはその血肉を食らい、己の力としていく。　　

抗いようのない最悪に見舞われるなか、これに立ち向かう者たちがいた。　

生まれながらに聖力と聖剣をその身に宿す者ニンゲン。　

名を『聖剣士ソルス』という。

彼らの存在意義は今、この時にこそあった。　

人間を守り抜き人類の存亡を継続する。　

そのために彼らはみな聖族であり契約を交わした女神たちと共に魔族を滅するべく奮闘する。　

しかし、そんな者たちも力のない者から順に倒れていってしまう。

この戦乱を平和にするための方法はただひとつ。

魔力の根元である魔王を討伐しその後配下すべてを殲滅する。

魔族という概念その物をこの世から消し去ることである。

しかしながら、ある意味で平和的に終息した結末は最良へと至らなかった。