ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第570話【アルカナ二十二札衆】
現在の魔王城街は日食のように日が隠れて薄暗くなっていた。
太陽が謎の球体に隠れているのだ。
その上空を天空要塞ヴァルハラが飛んでいる。
「わはっはっはっはっ!!」
漆黒のフルプレートを纏った肥満体騎士が、鋼鉄の巨大モグラの上で高笑いを上げていた。
「なんだ、あいつは!?」
「モグラじゃねえ?」
「フルプレートを着てるぞ!?」
騒ぎを聞きつけて駆けつけたゴリたちが武器を持ったまま巨大モグラの前で構えていた。
ゴリは上半身にプレートメイルを着込み、アスランから貰ったバトルアックスを持っている。
それにバイマンとオアイドスも居た。
更に数人の作業員たちも駆けつけている。
「おいおい、なんだよ、あの大きなモグラは。俺たちが舗装した道に大きな穴を開けやがって!!」
「あんなデカイ穴を塞ぐのは大変だぞ!!」
「畜生。せっかく煉瓦を敷き詰めて舗装したのによ!!」
ゴリが巨大モグラの上に立つ肥満体騎士に問うた。
「おい、貴様は何者だ!?」
肥満体騎士はロングソードを振るうと切っ先をゴリにビシッと向けてから話し出した。
「我が名はアルカナ二十二札衆が一人、ザ・サンを暗示するダークネスマイナー様だ!!」
「アルカナ二十二札衆だって?」
ゴリが首を傾げていると、隣に立っていた全裸にリュートを下げているオアイドスが言った。
「アルカナ二十二札衆って、クラウドやミーちゃんが吊るんでいた連中ですよ!」
「なんで、その仲間が町に穴ボコを開けて登場するんだよ!?」
「そんなのは私も知りませんよ?」
「それよりオアイドスお前は何時まで全裸を貫くんだ?」
オアイドスがロン毛を照れくさそうにポリポリとかきながら答える。
「いや、もう服を着るチャンスを逃しちゃってさ……。服を着るとキャラが失われて誰だか気付いて貰えないんだよね……。この前なんか服着てスカル姉さんに挨拶したら無視されたよ。あれは俺だって気付いてなかったんだと思うんだ」
「全裸芸人も大変だな……」
「まあ、このキャラで売れっ子吟遊詩人にまで上り詰めてやるさ!!」
「おお~~い、お前ら俺様を無視すんな~!」
巨大モグラの上から肥満体騎士が苛立ちを述べていた。
「そこを退けい。退かなければロデムで踏み潰すぞ!!」
肥満体騎士が述べるとロデムと呼ばれた巨大モグラが前進を始めた。
ノシノシと重そうな身体を鉤爪な前足で引っ張り進む。
前方のゴリたちを踏み潰してでも前に進もうとしていた。
ゴリが叫ぶ。
「すまんがあんた、魔王城街は珍獣で乗り付けるのは禁止だ。そのモグラは町の外で待たせてもらえないか!?」
「バカか、我は客ではないぞ。襲撃者だ!!」
「襲撃者?」
「そう、魔王城を襲って宝物を略奪しに来たのだ!!」
「おいおい、一人で魔王城を襲うつもりかい!?」
肥満体騎士が笑いながら言う。
「わはっはっはっ、今日は特別でね。私一人ではないぞ!!」
そう言うとダークネスマイナーは魔王城の方角を剣で指した。
すると湖の中から巨人が立ち上がる。
水面を盛り上げ海面を波立たせた巨人の身長は7メートルはあった。
頭部と身体はクジラで人間の手足が生えている。
その手足が筋肉質で二脚歩行に進み魔王城へと近付いて行く。
「なんだ、あれは……」
「今度はクジラの巨人かよ……」
その時である。
近くの裏路地からミーちゃんが走り出て来た。
ミーちゃんはクジラの巨人を見ながら叫んだ。
「あれは、ポセイドンアドベンチャー!!」
「あははははははぁ~~!!」
笑い声はクジラ巨人の胸から聞こえてきた。
ゴリたちが目を凝らしてクジラ巨人の胸元を見てみれば、赤いプレートヘルムを被った男の上半身が埋まっていた。
その赤いプレートヘルムの男が笑いながら述べる。
「良くご存じで!!」
クジラ巨人は湖を進みながら魔王城に近付いて行く。
「よくぞ、このポセイドンアドベンチャーを知っていたな。流石は元アルカナの仲間だ。ミディアム・テンパランスよ!」
ゴリがミーちゃんに質問した。
「あいつもアルカナの仲間なのか!?」
「あいつはムーンのカードを暗示するアルカナ二十二札の一人、レッドヘルムよ!!」
レッドヘルムは笑いながら上空の天空要塞ヴァルハラを指差しながら言う。
「私だけでは無いぞ。見よ!!」
レッドヘルムがヴァルハラを指差すと天空要塞から何かが列をなして降下して来る。
その複数は膝を抱えて丸まっている人型だった。
そして、その複数は魔王城街上空で身体を広げて大の字になる。
その腕の長さは異様に長く、手足を繋ぐように布の翼で空気を孕んでいた。
ムササビのように飛んでいるのだ。
それは30体は飛んでいる。
「ミーちゃん、あれは、なんだ!?」
ゴリの質問にミーちゃんが答える。
「あ、あれはカイトフライヤーウッドゴーレムのロプロス隊だわ……」
「ゴーレムなのか!?」
「アルカナ二十二札衆、スターのオットー・リリエンタールだよ!」
ゴリが苦虫を噛み潰したような表情で言う。
「アルカナ衆が一度に三人も……」
「それだけ相手も本気で魔王城を落としに来たのよ……」
前進を開始した巨大モグラロデムの頭上でダークネスマイナーが笑っていた。
「わはっはっはっ、我ら三人で魔王城を陥落させてやるわい!!」
地上から巨大モグラのロデム、水面からポセイドンアドベンチャー、そして上空からロプロス隊が魔王城に襲いかかって行った。
【つづく】
太陽が謎の球体に隠れているのだ。
その上空を天空要塞ヴァルハラが飛んでいる。
「わはっはっはっはっ!!」
漆黒のフルプレートを纏った肥満体騎士が、鋼鉄の巨大モグラの上で高笑いを上げていた。
「なんだ、あいつは!?」
「モグラじゃねえ?」
「フルプレートを着てるぞ!?」
騒ぎを聞きつけて駆けつけたゴリたちが武器を持ったまま巨大モグラの前で構えていた。
ゴリは上半身にプレートメイルを着込み、アスランから貰ったバトルアックスを持っている。
それにバイマンとオアイドスも居た。
更に数人の作業員たちも駆けつけている。
「おいおい、なんだよ、あの大きなモグラは。俺たちが舗装した道に大きな穴を開けやがって!!」
「あんなデカイ穴を塞ぐのは大変だぞ!!」
「畜生。せっかく煉瓦を敷き詰めて舗装したのによ!!」
ゴリが巨大モグラの上に立つ肥満体騎士に問うた。
「おい、貴様は何者だ!?」
肥満体騎士はロングソードを振るうと切っ先をゴリにビシッと向けてから話し出した。
「我が名はアルカナ二十二札衆が一人、ザ・サンを暗示するダークネスマイナー様だ!!」
「アルカナ二十二札衆だって?」
ゴリが首を傾げていると、隣に立っていた全裸にリュートを下げているオアイドスが言った。
「アルカナ二十二札衆って、クラウドやミーちゃんが吊るんでいた連中ですよ!」
「なんで、その仲間が町に穴ボコを開けて登場するんだよ!?」
「そんなのは私も知りませんよ?」
「それよりオアイドスお前は何時まで全裸を貫くんだ?」
オアイドスがロン毛を照れくさそうにポリポリとかきながら答える。
「いや、もう服を着るチャンスを逃しちゃってさ……。服を着るとキャラが失われて誰だか気付いて貰えないんだよね……。この前なんか服着てスカル姉さんに挨拶したら無視されたよ。あれは俺だって気付いてなかったんだと思うんだ」
「全裸芸人も大変だな……」
「まあ、このキャラで売れっ子吟遊詩人にまで上り詰めてやるさ!!」
「おお~~い、お前ら俺様を無視すんな~!」
巨大モグラの上から肥満体騎士が苛立ちを述べていた。
「そこを退けい。退かなければロデムで踏み潰すぞ!!」
肥満体騎士が述べるとロデムと呼ばれた巨大モグラが前進を始めた。
ノシノシと重そうな身体を鉤爪な前足で引っ張り進む。
前方のゴリたちを踏み潰してでも前に進もうとしていた。
ゴリが叫ぶ。
「すまんがあんた、魔王城街は珍獣で乗り付けるのは禁止だ。そのモグラは町の外で待たせてもらえないか!?」
「バカか、我は客ではないぞ。襲撃者だ!!」
「襲撃者?」
「そう、魔王城を襲って宝物を略奪しに来たのだ!!」
「おいおい、一人で魔王城を襲うつもりかい!?」
肥満体騎士が笑いながら言う。
「わはっはっはっ、今日は特別でね。私一人ではないぞ!!」
そう言うとダークネスマイナーは魔王城の方角を剣で指した。
すると湖の中から巨人が立ち上がる。
水面を盛り上げ海面を波立たせた巨人の身長は7メートルはあった。
頭部と身体はクジラで人間の手足が生えている。
その手足が筋肉質で二脚歩行に進み魔王城へと近付いて行く。
「なんだ、あれは……」
「今度はクジラの巨人かよ……」
その時である。
近くの裏路地からミーちゃんが走り出て来た。
ミーちゃんはクジラの巨人を見ながら叫んだ。
「あれは、ポセイドンアドベンチャー!!」
「あははははははぁ~~!!」
笑い声はクジラ巨人の胸から聞こえてきた。
ゴリたちが目を凝らしてクジラ巨人の胸元を見てみれば、赤いプレートヘルムを被った男の上半身が埋まっていた。
その赤いプレートヘルムの男が笑いながら述べる。
「良くご存じで!!」
クジラ巨人は湖を進みながら魔王城に近付いて行く。
「よくぞ、このポセイドンアドベンチャーを知っていたな。流石は元アルカナの仲間だ。ミディアム・テンパランスよ!」
ゴリがミーちゃんに質問した。
「あいつもアルカナの仲間なのか!?」
「あいつはムーンのカードを暗示するアルカナ二十二札の一人、レッドヘルムよ!!」
レッドヘルムは笑いながら上空の天空要塞ヴァルハラを指差しながら言う。
「私だけでは無いぞ。見よ!!」
レッドヘルムがヴァルハラを指差すと天空要塞から何かが列をなして降下して来る。
その複数は膝を抱えて丸まっている人型だった。
そして、その複数は魔王城街上空で身体を広げて大の字になる。
その腕の長さは異様に長く、手足を繋ぐように布の翼で空気を孕んでいた。
ムササビのように飛んでいるのだ。
それは30体は飛んでいる。
「ミーちゃん、あれは、なんだ!?」
ゴリの質問にミーちゃんが答える。
「あ、あれはカイトフライヤーウッドゴーレムのロプロス隊だわ……」
「ゴーレムなのか!?」
「アルカナ二十二札衆、スターのオットー・リリエンタールだよ!」
ゴリが苦虫を噛み潰したような表情で言う。
「アルカナ衆が一度に三人も……」
「それだけ相手も本気で魔王城を落としに来たのよ……」
前進を開始した巨大モグラロデムの頭上でダークネスマイナーが笑っていた。
「わはっはっはっ、我ら三人で魔王城を陥落させてやるわい!!」
地上から巨大モグラのロデム、水面からポセイドンアドベンチャー、そして上空からロプロス隊が魔王城に襲いかかって行った。
【つづく】
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