ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第517話【石切場にモンスター出現】
俺は爆走するミケランジェロの肩に掴まりながらクレーター山脈に有る石切場を目指していた。
道中はジャングルの中を切り開かれた細い道を進んでいる。
それにしても、スゲー振動……。
速いけれどアキレス以上に体力が削られるぞ、これ。
俺は舌を噛まないように注意しながら訊いた。
「なあ、ミケランジェロ」
「なんだ、アスラン?」
「石切場まで何キロあるんだ?」
「2キロから3キロぐらいかな」
「だよな……」
魔王城はクレーター山脈のほぼ中央にある。
クレーター山脈とは、その昔の戦いで天空要塞のヴァルハラが魔王城に墜落して出来た山脈だ。
山脈なんて呼んでいるが、そもそもがただの大きなクレーターなのだ。
その距離は半径で2キロから3キロだと聞いている。
正確に測量されたわけではないので、ハッキリとした距離は分からないが、その距離をキリマンジャロは大岩ブロックを担いで運んでいるのだ……。
それを考えるとスゲーパワーだと思う。
マジでブラック企業の重労働だよな……。
おれ、本当にこいつと戦って勝てたのは現実だったのだろうか……。
今考えて見れば、無理ゲーな設定の戦いだよな……。
まさにクソゲーだ。
そもそもミケランジェロって旧魔王の四天王の一人だった将軍の副官だったよな……。
大物だよね。
マジで強かったもの……。
今現在この魔王城に居るモンスターの住人で、もう一度戦えば勝てないだろうと思う一人の内だ。
サイクロプスのミケランジェロ。
クラーケンのガルガンチュワ。
それに、リッチのマミーレイス婦人。
この三名には、もう一度戦ったら勝てるか分からん……。
そもそもマミーレイス婦人には勝つどころの話ではないしな……。
「アスラン、もう時期石切場に到着するぞ!」
「マジ、早くね……」
確かにクレーター山脈が近くに迫っていた。
やがてジャングルが開けて石切の作業場が見えて来る。
「誰も居ないな?」
「石切場に集まって、モンスターと戦ってるんじゃあねえの?」
「かもしれん、急ごう!」
そして直ぐに俺たちは石切場に到着した。
高いクレーター山脈が間近に見える岩場を切り開いて谷間が出来ていた。
その奥に作業員たちが集まって居る後ろ姿が見える。
「あそこが事件現場のようだな」
ミケランジェロが近付くと、高い視線から見ていた俺にも状況が一目で分かった、
石切場の前方に四角い穴が開いており、その中からドス黒い鋼色の人形が這い出ていた。
その数は見えているだけで五体は居る。
おそらく洞窟内にも、まだモンスターが居そうであった。
それを離れた場所からエルフたち作業員がつるはしなどを構えて睨み付けていた。
エルフの数は二十人は居る。
数で勝っているのに攻めに撃たず睨み合いを選んでいた。
つるはしでも傷つけられないほどに硬いのだろうか?
両者は硬直状態だ。
その背後に近づくと俺はミケランジェロの肩から降ろされる。
そしてミケランジェロがエルフたちに問う。
「状況は!?」
「それが……」
エルフたちは鋼鉄の魔物たちを睨んだまま振り返らずに言った。
「ヤバイです、こいつら……。打撃も魔法も効きません……」
すると凶介だと思われる声がエルフたちに指示を出した。
「いいか、テメーら。俺はミケランジェロさんに報告するから、お前らは前を向いたまま魔物から目を離すなよ!!」
「「「「へいっ!!」」」」
エルフたちが声を揃えて返事を飛ばすと、凶介だけが振り返って俺たちの前に近付いて来た。
凶介は俺を見て驚いている。
「アスランさん、もうお怪我は大丈夫なんですか!?」
「おう、戦うのは無理だが歩き回れるようには回復したぜ」
「それは、おめでたい。これが済んだら祝いの酒盛りでも開きましょうぜ!」
「俺、酒は飲めないからさ……」
「残念っ!!」
「それよりも、なんで互いに棒立ちで睨み合っているんだ?」
ミケランジェロも言う。
「かなり防御力が高いモンスターなのは見て分かるが、向こうが攻めて来ないのは可笑しいだろ?」
確かにそうだ。
エルフたちが鋼鉄のモンスターの防御力に困惑するのは理解できるが、向こうさんが攻めて来ないで睨み合いを選んでいるのが理解不能であった。
まるで動けないように硬直している。
「もしかして、こいつらは夜行性か?」
俺はミケランジェロの言葉に納得した。
あいつら鋼鉄のモンスターは日の光りが当たると動けなくなるのか。
だが、その言葉を凶介が否定する。
「違いやす。あのメタルモンスターは、人が見ていると動けないようなんですよ……」
「「人が見てると動けない?」」
俺とミケランジェロの声が揃って反芻した。
凶介が今までで分かったことを報告する。
「あいつらは、誰かに見られていると動けないんす……。しかし、兎に角、硬いんですよ」
「魔法も打撃も効かないって言ってたな」
「つるはしで殴っても傷一つ付きません。魔法も同様です。それよりも怖いのは感染力です……」
「「感染力?」」
またミケランジェロと声が揃った。
凶介が感染力について説明を始める。
「あそこに居る五名のメタルモンスターなんですが、あれ、全員うちのむらのエルフなんですよ……」
「「なにっ!!」」
やべぇ、またミケランジェロと声が揃っちまった。
これではキャラが被ってまうがな。
「あのメタルモンスターに素手で触れると、一瞬で鉄に覆われて、あいつらの仲間入りですわ……」
感染系のモンスターって、そう言うことかい。
【つづく】
道中はジャングルの中を切り開かれた細い道を進んでいる。
それにしても、スゲー振動……。
速いけれどアキレス以上に体力が削られるぞ、これ。
俺は舌を噛まないように注意しながら訊いた。
「なあ、ミケランジェロ」
「なんだ、アスラン?」
「石切場まで何キロあるんだ?」
「2キロから3キロぐらいかな」
「だよな……」
魔王城はクレーター山脈のほぼ中央にある。
クレーター山脈とは、その昔の戦いで天空要塞のヴァルハラが魔王城に墜落して出来た山脈だ。
山脈なんて呼んでいるが、そもそもがただの大きなクレーターなのだ。
その距離は半径で2キロから3キロだと聞いている。
正確に測量されたわけではないので、ハッキリとした距離は分からないが、その距離をキリマンジャロは大岩ブロックを担いで運んでいるのだ……。
それを考えるとスゲーパワーだと思う。
マジでブラック企業の重労働だよな……。
おれ、本当にこいつと戦って勝てたのは現実だったのだろうか……。
今考えて見れば、無理ゲーな設定の戦いだよな……。
まさにクソゲーだ。
そもそもミケランジェロって旧魔王の四天王の一人だった将軍の副官だったよな……。
大物だよね。
マジで強かったもの……。
今現在この魔王城に居るモンスターの住人で、もう一度戦えば勝てないだろうと思う一人の内だ。
サイクロプスのミケランジェロ。
クラーケンのガルガンチュワ。
それに、リッチのマミーレイス婦人。
この三名には、もう一度戦ったら勝てるか分からん……。
そもそもマミーレイス婦人には勝つどころの話ではないしな……。
「アスラン、もう時期石切場に到着するぞ!」
「マジ、早くね……」
確かにクレーター山脈が近くに迫っていた。
やがてジャングルが開けて石切の作業場が見えて来る。
「誰も居ないな?」
「石切場に集まって、モンスターと戦ってるんじゃあねえの?」
「かもしれん、急ごう!」
そして直ぐに俺たちは石切場に到着した。
高いクレーター山脈が間近に見える岩場を切り開いて谷間が出来ていた。
その奥に作業員たちが集まって居る後ろ姿が見える。
「あそこが事件現場のようだな」
ミケランジェロが近付くと、高い視線から見ていた俺にも状況が一目で分かった、
石切場の前方に四角い穴が開いており、その中からドス黒い鋼色の人形が這い出ていた。
その数は見えているだけで五体は居る。
おそらく洞窟内にも、まだモンスターが居そうであった。
それを離れた場所からエルフたち作業員がつるはしなどを構えて睨み付けていた。
エルフの数は二十人は居る。
数で勝っているのに攻めに撃たず睨み合いを選んでいた。
つるはしでも傷つけられないほどに硬いのだろうか?
両者は硬直状態だ。
その背後に近づくと俺はミケランジェロの肩から降ろされる。
そしてミケランジェロがエルフたちに問う。
「状況は!?」
「それが……」
エルフたちは鋼鉄の魔物たちを睨んだまま振り返らずに言った。
「ヤバイです、こいつら……。打撃も魔法も効きません……」
すると凶介だと思われる声がエルフたちに指示を出した。
「いいか、テメーら。俺はミケランジェロさんに報告するから、お前らは前を向いたまま魔物から目を離すなよ!!」
「「「「へいっ!!」」」」
エルフたちが声を揃えて返事を飛ばすと、凶介だけが振り返って俺たちの前に近付いて来た。
凶介は俺を見て驚いている。
「アスランさん、もうお怪我は大丈夫なんですか!?」
「おう、戦うのは無理だが歩き回れるようには回復したぜ」
「それは、おめでたい。これが済んだら祝いの酒盛りでも開きましょうぜ!」
「俺、酒は飲めないからさ……」
「残念っ!!」
「それよりも、なんで互いに棒立ちで睨み合っているんだ?」
ミケランジェロも言う。
「かなり防御力が高いモンスターなのは見て分かるが、向こうが攻めて来ないのは可笑しいだろ?」
確かにそうだ。
エルフたちが鋼鉄のモンスターの防御力に困惑するのは理解できるが、向こうさんが攻めて来ないで睨み合いを選んでいるのが理解不能であった。
まるで動けないように硬直している。
「もしかして、こいつらは夜行性か?」
俺はミケランジェロの言葉に納得した。
あいつら鋼鉄のモンスターは日の光りが当たると動けなくなるのか。
だが、その言葉を凶介が否定する。
「違いやす。あのメタルモンスターは、人が見ていると動けないようなんですよ……」
「「人が見てると動けない?」」
俺とミケランジェロの声が揃って反芻した。
凶介が今までで分かったことを報告する。
「あいつらは、誰かに見られていると動けないんす……。しかし、兎に角、硬いんですよ」
「魔法も打撃も効かないって言ってたな」
「つるはしで殴っても傷一つ付きません。魔法も同様です。それよりも怖いのは感染力です……」
「「感染力?」」
またミケランジェロと声が揃った。
凶介が感染力について説明を始める。
「あそこに居る五名のメタルモンスターなんですが、あれ、全員うちのむらのエルフなんですよ……」
「「なにっ!!」」
やべぇ、またミケランジェロと声が揃っちまった。
これではキャラが被ってまうがな。
「あのメタルモンスターに素手で触れると、一瞬で鉄に覆われて、あいつらの仲間入りですわ……」
感染系のモンスターって、そう言うことかい。
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