ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第486話【五分五分】
両者共に右手に剣を持ちながらも使うことなく戦っていた。
拳打、脚蹴り、体術を活かしてのみの攻防。
「ふんっ!」
「やあっ!」
俺の中段廻し蹴りを肘で打ち落としたクローンが身体を捻って背を見せた。
そこからの後ろ中段廻し蹴り。
クローンの踵が俺の鳩尾を狙うが俺は左腕を盾に蹴り技を受け止める。
「せやっ!」
俺は相手の蹴りの勢いを殺すために身体を捻るとバックスピンからの裏拳を繰り出した。
「おっと!」
だが、クローンは身を屈めて俺のバックスピンナックルを躱すと下から掌底を打ち上げてきた。
俺は頭だけを右に反らすと昇りの掌底を躱す。
二人は抱き付けるほどの間合い。
「ちょりゃ!!」
「うりゃ!!」
そこから両者が連打。
拳打、肘打ち、膝蹴り、頭突き、下段廻し蹴りと様々な攻撃が飛び交ったが、何一つ直撃しない。
躱され、捌かれ、弾かれる。
「遊んでんじゃねえぞ!!」
「貴様こそ!!」
互いのストレートパンチが放たれた。
真っ直ぐに互いの顔面を狙って拳が飛んで行く。
だが、互いに顔面を逆腕の肘でガードすると後方に飛んだ。
「ちっ!」
「くそっ!」
間合いが開く。
再びの睨み合いだ。
クローンが俺に問う。
「何故に剣を振らん?」
「まあ、あれだあれ。マナーかな」
「礼儀かい?」
「相手が剣を振らないからこっちも振らない。ただそれだけだ」
「奇遇だね~。こっちも同じだぜ」
言いながらクローンが背中から二本目のロングソードを抜き出した。
二本のロングソードを前に並べて構える。
「では、ここから本番と行こうじゃあねえか」
俺も腰からゴールドショートソードを抜くと二刀流で構える。
「面白い、受けてやる!」
クローンの構えは両足を左右に開いて両手を同じ高さで前に構えていた。
二本の長剣が並んで構えられている。
俺の構えは右足が前で右手が中段の高さ、左足を後方に下げて左腕は上段の構えを築いていた。
構えが違う。
武器も向こうはロングソード二本だ。
こっちはロングソードにショートソードの組み合わせ。
まあ、体格も違うんだ。
構えだって変わってくるだろうさ。
クローンが血走った眼をギラギラさせながら述べる。
「ここからは本気の本気だぜ。命のやり取りだ。覚悟しろよ!」
「上等。受けて立ってやる」
「参るっ!!」
クローンが両剣を振りかぶり前に出た。
一歩の踏み込みで2メートルの距離を詰める。
右上段からの縦切りと、左中段からの逆横切りを同時に振るう。
俺は半歩後退すると二擊を紙一重で躱して見せた。
俺の眼前を十字に剣先が過ぎると、前に半歩踏み込み反撃を繰り出した。
二の字に振るわれた二刀の横切り。
しかしその斬擊を瞬速の後退でクローンが躱す。
「おっと、危ねえ!」
「まだまだ!!」
「こっちもだ!!」
そこからの打ち合いだった。
「そりゃそりゃそりゃ!!」
「うりゃうりゃうりゃ!!」
連続で振られる互いの斬擊がぶつかり合う。
幾つもの斬擊が弾け合いけたたましい鋼の響きを轟かせていた。
猛攻の打ち合い、弾き合いだ。
両者共に一歩も引かない、退かない。
「「ふっ!!」」
互いに突き出した剣先が互いの鼻先で止まった。
その先端を越えて互いが対戦者の眼光を睨み付け合う。
剣の腕は五分五分。
体格の有利はクローンだが、俺のほうがマジックアイテムで基本ステータスを底上げしている。
それで、五分五分か?
いや、まだ俺には余裕がある。
俺のほうがきっと上を行っているはずだ。
「サンダーウェポン!!」
俺はゴールドショートソードに秘められたマジックアイテムの効果を使うとクローンの剣を払い退けた。
「くっ!!」
電撃が感電したのかクローンが表情を僅かに歪めながら跳ね飛んだ。
「魔法の効果か!?」
「ああ、そうだよ!」
「ならば、こちらもマジックアイテムを使うとするか!!」
クローンが両腕を左右に大きく開いて腰を深く落とす。
上半身でTの字を型どっていた。
「幻影術だぜ!!」
すると左右に広げられた二本の腕が上下に別れるように開いた。
二本が四本に、四本が六本に分裂したのだ。
六本の腕で六本の剣を持って六本の腕を広げていた。
「アシュラマンかよ……」
「顔の数は増えてないが、これは怖いだろう」
「ああ、確かに怖いわ。──ってか、キモイ……」
「キモイって言うな!!」
【つづく】
拳打、脚蹴り、体術を活かしてのみの攻防。
「ふんっ!」
「やあっ!」
俺の中段廻し蹴りを肘で打ち落としたクローンが身体を捻って背を見せた。
そこからの後ろ中段廻し蹴り。
クローンの踵が俺の鳩尾を狙うが俺は左腕を盾に蹴り技を受け止める。
「せやっ!」
俺は相手の蹴りの勢いを殺すために身体を捻るとバックスピンからの裏拳を繰り出した。
「おっと!」
だが、クローンは身を屈めて俺のバックスピンナックルを躱すと下から掌底を打ち上げてきた。
俺は頭だけを右に反らすと昇りの掌底を躱す。
二人は抱き付けるほどの間合い。
「ちょりゃ!!」
「うりゃ!!」
そこから両者が連打。
拳打、肘打ち、膝蹴り、頭突き、下段廻し蹴りと様々な攻撃が飛び交ったが、何一つ直撃しない。
躱され、捌かれ、弾かれる。
「遊んでんじゃねえぞ!!」
「貴様こそ!!」
互いのストレートパンチが放たれた。
真っ直ぐに互いの顔面を狙って拳が飛んで行く。
だが、互いに顔面を逆腕の肘でガードすると後方に飛んだ。
「ちっ!」
「くそっ!」
間合いが開く。
再びの睨み合いだ。
クローンが俺に問う。
「何故に剣を振らん?」
「まあ、あれだあれ。マナーかな」
「礼儀かい?」
「相手が剣を振らないからこっちも振らない。ただそれだけだ」
「奇遇だね~。こっちも同じだぜ」
言いながらクローンが背中から二本目のロングソードを抜き出した。
二本のロングソードを前に並べて構える。
「では、ここから本番と行こうじゃあねえか」
俺も腰からゴールドショートソードを抜くと二刀流で構える。
「面白い、受けてやる!」
クローンの構えは両足を左右に開いて両手を同じ高さで前に構えていた。
二本の長剣が並んで構えられている。
俺の構えは右足が前で右手が中段の高さ、左足を後方に下げて左腕は上段の構えを築いていた。
構えが違う。
武器も向こうはロングソード二本だ。
こっちはロングソードにショートソードの組み合わせ。
まあ、体格も違うんだ。
構えだって変わってくるだろうさ。
クローンが血走った眼をギラギラさせながら述べる。
「ここからは本気の本気だぜ。命のやり取りだ。覚悟しろよ!」
「上等。受けて立ってやる」
「参るっ!!」
クローンが両剣を振りかぶり前に出た。
一歩の踏み込みで2メートルの距離を詰める。
右上段からの縦切りと、左中段からの逆横切りを同時に振るう。
俺は半歩後退すると二擊を紙一重で躱して見せた。
俺の眼前を十字に剣先が過ぎると、前に半歩踏み込み反撃を繰り出した。
二の字に振るわれた二刀の横切り。
しかしその斬擊を瞬速の後退でクローンが躱す。
「おっと、危ねえ!」
「まだまだ!!」
「こっちもだ!!」
そこからの打ち合いだった。
「そりゃそりゃそりゃ!!」
「うりゃうりゃうりゃ!!」
連続で振られる互いの斬擊がぶつかり合う。
幾つもの斬擊が弾け合いけたたましい鋼の響きを轟かせていた。
猛攻の打ち合い、弾き合いだ。
両者共に一歩も引かない、退かない。
「「ふっ!!」」
互いに突き出した剣先が互いの鼻先で止まった。
その先端を越えて互いが対戦者の眼光を睨み付け合う。
剣の腕は五分五分。
体格の有利はクローンだが、俺のほうがマジックアイテムで基本ステータスを底上げしている。
それで、五分五分か?
いや、まだ俺には余裕がある。
俺のほうがきっと上を行っているはずだ。
「サンダーウェポン!!」
俺はゴールドショートソードに秘められたマジックアイテムの効果を使うとクローンの剣を払い退けた。
「くっ!!」
電撃が感電したのかクローンが表情を僅かに歪めながら跳ね飛んだ。
「魔法の効果か!?」
「ああ、そうだよ!」
「ならば、こちらもマジックアイテムを使うとするか!!」
クローンが両腕を左右に大きく開いて腰を深く落とす。
上半身でTの字を型どっていた。
「幻影術だぜ!!」
すると左右に広げられた二本の腕が上下に別れるように開いた。
二本が四本に、四本が六本に分裂したのだ。
六本の腕で六本の剣を持って六本の腕を広げていた。
「アシュラマンかよ……」
「顔の数は増えてないが、これは怖いだろう」
「ああ、確かに怖いわ。──ってか、キモイ……」
「キモイって言うな!!」
【つづく】
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