ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第478話【欲望の暴走】
ヒルダとプロ子が水槽の有る隣の部屋から戻って来た。
どうやらちゃんと赤ん坊をリリースして帰ってきたようだ。
それにしても、あの赤ん坊全員が俺のクローンだとは思わなかったぜ。
テイアーの野郎め。
本人の許可も取らずに他人のクローンを勝手に製造するとは酷い話である。
せめて許可ぐらい取れよな。
勿論ながら許可を求められても断るけれどさ。
クローンに著作権とかって無いのかな?
「ちっ、テイアーめ……」
俺は読んでいたレポートの本を机に放り投げた。
あのホムンクルスが俺のクローンだとヒルダやプロ子にバレたら面倒臭そうだ。
ここは一つ黙っておこう。
『アスラン様、お待たせいたしました』
「よし、じゃあ二人とも異次元宝物庫内に戻ってくれないか。俺は奥を探索してテイアーの研究室を目指すからさ」
俺は部屋の隅に有る木製の扉を指差しながら言った。
奥に進める通路だろう。
するとヒルダたちが返事を返す前に、その扉が唐突に開いたのだ。
そして、開いた扉から人型の誰かが会話をしながら入って来る。
「おい、本当に侵入者なのか?」
「ああ、テイアーママが残して行った魔法の防犯装置が作動したから間違いないだろうさ」
「また水槽から赤子が勝手に出たとかじゃあねえのか?」
「もお~、まったく面倒臭いな~」
それは二人だった。
扉の奥から出て来た二人は話に夢中で警戒していない。
侵入者の俺たちに気が付いていないのだ。
だが、俺たち三人は、そいつらの姿を見て少し驚いていた。
二人の人物は全裸である。
そして、額に二本の角を生やし、堀が深く、エラが角ばり、背中には蝙蝠の羽を持っていた。
肌は赤茶色で、矢印のような黒い尻尾を生やしている。
間違いないだろう。
俺のクローンが成長した姿だ。
しかも、それが二体も居る。
「えっ?」
「あっ?」
二人のクローンが部屋の中央に立つ俺たちに気が付いた。
両者共に僅かに固まる。
そして、沈黙が僅かに流れた後に、二人が俺たちに飛び掛かって来た。
「女だーーー!!!」
「テイアーママ以外に初めて見る女だーー!!!」
二人のクローンは目を血走らせながら飛び掛かって来た。
完全に理性が吹き飛んだ形相である。
角ばった口から長い舌と涎を垂らして、両手を前に突き出してワシャワシャと嫌らしく動かしていた。
「来るかっ!!」
俺が腰の剣に手を伸ばすとクローンたちは眼前のテーブルを踏台にしてジャンプした。
そして俺の頭の上を高々に越えると後ろに居たヒルダとプロ子に向かって飛び掛かって行った。
「「きょぇぇええええ!!!」」
『気持ち悪いですわ!!』
『どすこいっ!!』
「「ぎゃふん!!」」
瞬殺だった……。
ヒルダとプロ子に襲い掛かったクローンたちが瞬殺される。
二人とも一太刀である。
ヒルダは素早く背中からレイピアを抜き出すとクローンの頭を串刺しにした。
プロ子もスカートの中からバトルアックスを取り出すと、掬い上げるような一撃で、クローンの体を股間から頭へと切り裂いた。
「どわっ……」
ぐったりと倒れ込んだクローンたちはしばらく痙攣していたが、直ぐに動かなくなる。
死んじゃったようだ。
俺は呆然としながら二人のメイドたちに言った。
「な、何も殺さなくったって……」
背中にレイピアを戻しながらヒルダが答える。
『すみません、アスラン様。なんだか貞操の危機を強く感じましたゆえに』
隣でプロ子も真面目な眼差しで相槌を入れていた。
「そ、そんなにこいつらエロかった……?」
ヒルダが淡々と答える。
『はい、かなり煩悩の塊のような気配でした。むしろ煩悩のみで出来ているようにおぞましい表情でしたわ。もしも触られたら、それだけで妊娠してしまいそうなぐらいの気持ち悪さです。要するに女性全員の敵です』
「そんなに、気持ち悪いのですか……。しかも女性全体の敵かよ……」
俺のクローンなのに……。
『『はい!』』
二人が力強く頷く。
なんだよ、こいつら……。
さっきまで赤ん坊を欲しがっていたのに、俺のクローンに孕まされるのは嫌なのかよ……。
矛盾してないか.……。
「それにしても、こいつらはやっぱりあのクローンだよな……」
俺は壁に掛けられた進化図を眺めながら言葉を漏らした。
するとヒルダが分かりきったことを返す。
『間違いなく、あのクローンベイビーが成長した姿でありましょう』
『良かったですね、ヒルダちゃん。あんな変態な赤ん坊を育てなくってさ』
『まったくです、プロ子お姉さま』
『どんなに愛情を注いで育てても、絶対ろくな大人に育ちませんよ。間違いなく変態の屑に育ちますよ』
『わたくしもそう思いますは、プロ子お姉さま』
人のクローンを捕まえて言いたい放題だな……。
俺がグレそうだわ……。
「まあ、兎に角だ。二人は異次元宝物庫内に退却してくれ。あんなのに触られたぐらいで妊娠したくないだろう……」
『『畏まりました、アスラン様』』
二人がお辞儀をして踵を返した。
異次元宝物庫に入って行く。
しかし、その寸前でプロ子が振り返って言った。
『アスラン様も気を付けてくださいませ。さっきのクローンたちは飢えていましたから、もしかしたらアスラン様も襲うかも知れませんよ』
「襲うって……?」
『お尻を──』
いゃぁぁああああああ!!!
有り得る~~~!!!
あいつら女に飢えて飢えて飢えて、ヒルダとプロ子に襲い掛かったんだ。
相手が男でも鶏でも羊でも襲いかねないぞ!!
生きた穴ならなんでも良いかも知れないぞ!!
そのぐらい性欲がハングリーかも知れないな……。
怖いよ!!
「わ、分かった……。気を付けます……」
俺がお尻を押さえながら言うとプロ子は笑顔で異次元宝物庫内に消えて行った。
なんてこったい……。
今回は俺の貞操も守らなければならないのか……。
しかも自分のクローンから自分のお尻を防衛しないとならないなんて、馬鹿げた話である。
自分の初物を自分の分身に奪われるなんて有ってはならない事件だぞ。
そんなことが起きたら大事故だわい。
自爆敵な近親相姦だよ。
畜生、絶対にお尻を守り抜いてやる。
俺は意思を固めて二人のクローンが入って来た扉を潜った。
お尻を警戒しながら奥のエリアを目指す。
【つづく】
どうやらちゃんと赤ん坊をリリースして帰ってきたようだ。
それにしても、あの赤ん坊全員が俺のクローンだとは思わなかったぜ。
テイアーの野郎め。
本人の許可も取らずに他人のクローンを勝手に製造するとは酷い話である。
せめて許可ぐらい取れよな。
勿論ながら許可を求められても断るけれどさ。
クローンに著作権とかって無いのかな?
「ちっ、テイアーめ……」
俺は読んでいたレポートの本を机に放り投げた。
あのホムンクルスが俺のクローンだとヒルダやプロ子にバレたら面倒臭そうだ。
ここは一つ黙っておこう。
『アスラン様、お待たせいたしました』
「よし、じゃあ二人とも異次元宝物庫内に戻ってくれないか。俺は奥を探索してテイアーの研究室を目指すからさ」
俺は部屋の隅に有る木製の扉を指差しながら言った。
奥に進める通路だろう。
するとヒルダたちが返事を返す前に、その扉が唐突に開いたのだ。
そして、開いた扉から人型の誰かが会話をしながら入って来る。
「おい、本当に侵入者なのか?」
「ああ、テイアーママが残して行った魔法の防犯装置が作動したから間違いないだろうさ」
「また水槽から赤子が勝手に出たとかじゃあねえのか?」
「もお~、まったく面倒臭いな~」
それは二人だった。
扉の奥から出て来た二人は話に夢中で警戒していない。
侵入者の俺たちに気が付いていないのだ。
だが、俺たち三人は、そいつらの姿を見て少し驚いていた。
二人の人物は全裸である。
そして、額に二本の角を生やし、堀が深く、エラが角ばり、背中には蝙蝠の羽を持っていた。
肌は赤茶色で、矢印のような黒い尻尾を生やしている。
間違いないだろう。
俺のクローンが成長した姿だ。
しかも、それが二体も居る。
「えっ?」
「あっ?」
二人のクローンが部屋の中央に立つ俺たちに気が付いた。
両者共に僅かに固まる。
そして、沈黙が僅かに流れた後に、二人が俺たちに飛び掛かって来た。
「女だーーー!!!」
「テイアーママ以外に初めて見る女だーー!!!」
二人のクローンは目を血走らせながら飛び掛かって来た。
完全に理性が吹き飛んだ形相である。
角ばった口から長い舌と涎を垂らして、両手を前に突き出してワシャワシャと嫌らしく動かしていた。
「来るかっ!!」
俺が腰の剣に手を伸ばすとクローンたちは眼前のテーブルを踏台にしてジャンプした。
そして俺の頭の上を高々に越えると後ろに居たヒルダとプロ子に向かって飛び掛かって行った。
「「きょぇぇええええ!!!」」
『気持ち悪いですわ!!』
『どすこいっ!!』
「「ぎゃふん!!」」
瞬殺だった……。
ヒルダとプロ子に襲い掛かったクローンたちが瞬殺される。
二人とも一太刀である。
ヒルダは素早く背中からレイピアを抜き出すとクローンの頭を串刺しにした。
プロ子もスカートの中からバトルアックスを取り出すと、掬い上げるような一撃で、クローンの体を股間から頭へと切り裂いた。
「どわっ……」
ぐったりと倒れ込んだクローンたちはしばらく痙攣していたが、直ぐに動かなくなる。
死んじゃったようだ。
俺は呆然としながら二人のメイドたちに言った。
「な、何も殺さなくったって……」
背中にレイピアを戻しながらヒルダが答える。
『すみません、アスラン様。なんだか貞操の危機を強く感じましたゆえに』
隣でプロ子も真面目な眼差しで相槌を入れていた。
「そ、そんなにこいつらエロかった……?」
ヒルダが淡々と答える。
『はい、かなり煩悩の塊のような気配でした。むしろ煩悩のみで出来ているようにおぞましい表情でしたわ。もしも触られたら、それだけで妊娠してしまいそうなぐらいの気持ち悪さです。要するに女性全員の敵です』
「そんなに、気持ち悪いのですか……。しかも女性全体の敵かよ……」
俺のクローンなのに……。
『『はい!』』
二人が力強く頷く。
なんだよ、こいつら……。
さっきまで赤ん坊を欲しがっていたのに、俺のクローンに孕まされるのは嫌なのかよ……。
矛盾してないか.……。
「それにしても、こいつらはやっぱりあのクローンだよな……」
俺は壁に掛けられた進化図を眺めながら言葉を漏らした。
するとヒルダが分かりきったことを返す。
『間違いなく、あのクローンベイビーが成長した姿でありましょう』
『良かったですね、ヒルダちゃん。あんな変態な赤ん坊を育てなくってさ』
『まったくです、プロ子お姉さま』
『どんなに愛情を注いで育てても、絶対ろくな大人に育ちませんよ。間違いなく変態の屑に育ちますよ』
『わたくしもそう思いますは、プロ子お姉さま』
人のクローンを捕まえて言いたい放題だな……。
俺がグレそうだわ……。
「まあ、兎に角だ。二人は異次元宝物庫内に退却してくれ。あんなのに触られたぐらいで妊娠したくないだろう……」
『『畏まりました、アスラン様』』
二人がお辞儀をして踵を返した。
異次元宝物庫に入って行く。
しかし、その寸前でプロ子が振り返って言った。
『アスラン様も気を付けてくださいませ。さっきのクローンたちは飢えていましたから、もしかしたらアスラン様も襲うかも知れませんよ』
「襲うって……?」
『お尻を──』
いゃぁぁああああああ!!!
有り得る~~~!!!
あいつら女に飢えて飢えて飢えて、ヒルダとプロ子に襲い掛かったんだ。
相手が男でも鶏でも羊でも襲いかねないぞ!!
生きた穴ならなんでも良いかも知れないぞ!!
そのぐらい性欲がハングリーかも知れないな……。
怖いよ!!
「わ、分かった……。気を付けます……」
俺がお尻を押さえながら言うとプロ子は笑顔で異次元宝物庫内に消えて行った。
なんてこったい……。
今回は俺の貞操も守らなければならないのか……。
しかも自分のクローンから自分のお尻を防衛しないとならないなんて、馬鹿げた話である。
自分の初物を自分の分身に奪われるなんて有ってはならない事件だぞ。
そんなことが起きたら大事故だわい。
自爆敵な近親相姦だよ。
畜生、絶対にお尻を守り抜いてやる。
俺は意思を固めて二人のクローンが入って来た扉を潜った。
お尻を警戒しながら奥のエリアを目指す。
【つづく】
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