ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)
第127話【久々の帰還】
「それでは、これからも頑張ってくださいね」
「テイアー、送ってくれて有り難うな~」
俺はテイアーにゲートマジックで螺旋階段まで送ってもらった。
ここから上に登れば出口である。
可愛らしく手を振る美女に見送られて二日目の冒険が終了する。
ゲートマジックの明かりが消えると俺は螺旋階段をコツコツと登って出入り口を目指した。
なんだか結構と疲れたな。
二日目のダンジョン探索は過酷だったもんね。
思いっきり死にかけたしさ。
その割には報酬は少ない。
レイスと戦って勝ったが、レイスの荷物を漁っている暇は無かったから、収入は無いに等しい。
その他にも語られてないこともあったが、ほとんど収入には繋がっていないのだ。
見付けたのは宝刀のダガーと大きなダイヤだけだ。
これらはマジックアイテムじゃあなかったからワイズマンに売り付けて終わりだろう。
まあ、まだまだ冒険は二日目が終わったばかりだから、焦る必要も無かろうて。
それよりもだ。
今後は死にかけないように、気を付けなければなるまい。
何度も幸運的にテイアーが助けてくれるとは限らないからな。
そんな反省会を心中で行いながら、俺が螺旋階段を登りきって出入り口の前に到着すると、何故か鉄扉がガッチリと閉じていた。
なんで!?
なんで、閉めてるの!?
俺は慌てて扉を乱打した。
しばらくすると覗き窓が開いて、ピーターさんが顔を出してこちらを確認する。
「あれ、アスランくん、生きてたんだ!?」
えっ?
何よ、その言葉は?
死んでたほうが良かったのか?
ガチャガチャと鍵を外す音の後に扉が開いた。
「いゃ~、良かったね、アスランくん。昨日は戻らなかったから、死んだのかと思ったよ」
昨日?
なんだ、それ?
「ちょっと待ってくれ」
「なんだい?」
「俺が二日目にダンジョンへ入ってから何日が経ったんだ?」
「今はあれから二日目の夜だよ」
二日間か~。
なんだかんだで長いことダンジョンに入っていたんだな。
後半は寝ているばかりだったけれどさ。
「まあ、兎に角、早く出てよ。上に食事も有るから食べなよ。お腹が空いているだろ」
「ああ、サンキュー」
俺が食堂に進むとパーカーさんとスパイダーさんも待っていた。
俺を見ると二人が椅子から飛び上がって喜んでくれる。
歓喜のハグがウザったかったけれど、俺は甘んじてハグを受け入れた。
二人とも俺が死んだと思っていたようだな。
まあ、俺が生きてて喜んでくれているから良しとしておこう。
ほぼほぼ二日間も戻ってこなかったんだ、しかたあるまい。
そんな感じで、その晩は少し騒いだ。
ダンジョン内で何があったかを三人に説明したが、テイアーのことは隠して置いた。
彼女の存在はベルセルクの爺さんの依頼も有るから伏せて置こうと考えている。
何より自分たちの足元にドラゴンが巣くってるって話は聞きたくないだろう。
まるで大型爆弾の上に暮らしているようなものだ。
知らないほうが救いだと思う。
なんやかんやで消灯の時間は直ぐに来た。
俺たちは各部屋のベッドに潜ると眠りに付く。
それでも結構俺も疲れていたのか直ぐに朝が来た。
四人で朝食を食べているとポラリスがやって来てキンキン声で騒いでいたが、俺は無情にも無視してやった。
まあ、尚更ポラリスの怒りに燃料を投下した形になったが関係ないだろう。
俺はポラリスを無視しながら城を出た。
ワイズマンのところに向かう。
ワイズマンの普段は、あの町外れの屋敷で過ごしているらしいので、そこを目指す。
「でぇ~、なんでお前が付いて来るんだよ?」
「あなたがわたくしをダンジョンに連れてってくれるまでです」
「はぁ~……」
俺は深い溜め息を吐いた。
ローブで姿を隠したポラリスが一人で俺の後ろを付いて来ていた。
ローブの下はスケールメイルのようだ。
武器もショートソードに変わっている。
あの重々しジャイアントハンマーは辞めたようだな。
何よりは、お姫さまなのにメイドを引き連れていなかった。
少しは理解できたのだろう。
こいつをダンジョンに連れていけるとしたらの条件を──。
武器や防具は、狭いところでも動けるように小型が基本。
勿論ながらメイドなんて連れていけない。
最低限のルールをわきまえていない馬鹿はダンジョンに入る権利すらないのだ。
そんなやつがダンジョンに入れば直ぐに死ぬし、仲間を危機に追いやりかねない。
その辺をちゃんと理解してもらいたい。
「でぇ、何処に行くのじゃ?」
「ワイズマンの屋敷だ」
「ワイズマンとは?」
「ゴモラタウンの商人だ」
「なるほど。貿易か?」
「そうだよ。俺も金を稼がないとならんからな。お前さんと違って税金で暮らせないからな」
「なるほどのぉ。冒険者は税金で暮らせないか」
「ああ、暮らせないよ」
こいつは馬鹿か?
まあ所詮はお城のお姫さまってことだよな。
しばらく歩くとワイズマンの屋敷に到着した。
俺が執事に面会を求めると、俺たち二人はロビーに通される。
すると二階の廊下からワイズマンが現れた。
優雅なワイングラスを片手にビキニ姿の半裸である。
うんうん、日中から変態プレー全快中とは呑気だな。
「いゃ~~、アスランくん。お出ましだね。ダンジョンで良いものを見付けたかい?」
上を見上げたまま口をポカーンと開けっ放しのポラリスが驚愕していた。
まあ、変態を初めて見たのだろう。
衝撃も大きかろうさ。
「よう、ワイズマン。今日も派手だな」
「いやいや、これでも地味なほうだよ。おや、今日は連れが居るのかい?」
「ああ、こちらの方は君主ベルセルク様のお孫さんのポラリス様だ」
「お姫さま!!」
「では、ポラリスさまから一言」
ポラリスが唖然の表情から我を取り戻す。
そして、一つ咳払いの吐いた後に凛とした表情でワイズマンをピシャリと指差して述べた。
「死刑!!」
「えっ!?」
うん、ナイスな反応である。
この先が期待できますぜ。
【つづく】
「テイアー、送ってくれて有り難うな~」
俺はテイアーにゲートマジックで螺旋階段まで送ってもらった。
ここから上に登れば出口である。
可愛らしく手を振る美女に見送られて二日目の冒険が終了する。
ゲートマジックの明かりが消えると俺は螺旋階段をコツコツと登って出入り口を目指した。
なんだか結構と疲れたな。
二日目のダンジョン探索は過酷だったもんね。
思いっきり死にかけたしさ。
その割には報酬は少ない。
レイスと戦って勝ったが、レイスの荷物を漁っている暇は無かったから、収入は無いに等しい。
その他にも語られてないこともあったが、ほとんど収入には繋がっていないのだ。
見付けたのは宝刀のダガーと大きなダイヤだけだ。
これらはマジックアイテムじゃあなかったからワイズマンに売り付けて終わりだろう。
まあ、まだまだ冒険は二日目が終わったばかりだから、焦る必要も無かろうて。
それよりもだ。
今後は死にかけないように、気を付けなければなるまい。
何度も幸運的にテイアーが助けてくれるとは限らないからな。
そんな反省会を心中で行いながら、俺が螺旋階段を登りきって出入り口の前に到着すると、何故か鉄扉がガッチリと閉じていた。
なんで!?
なんで、閉めてるの!?
俺は慌てて扉を乱打した。
しばらくすると覗き窓が開いて、ピーターさんが顔を出してこちらを確認する。
「あれ、アスランくん、生きてたんだ!?」
えっ?
何よ、その言葉は?
死んでたほうが良かったのか?
ガチャガチャと鍵を外す音の後に扉が開いた。
「いゃ~、良かったね、アスランくん。昨日は戻らなかったから、死んだのかと思ったよ」
昨日?
なんだ、それ?
「ちょっと待ってくれ」
「なんだい?」
「俺が二日目にダンジョンへ入ってから何日が経ったんだ?」
「今はあれから二日目の夜だよ」
二日間か~。
なんだかんだで長いことダンジョンに入っていたんだな。
後半は寝ているばかりだったけれどさ。
「まあ、兎に角、早く出てよ。上に食事も有るから食べなよ。お腹が空いているだろ」
「ああ、サンキュー」
俺が食堂に進むとパーカーさんとスパイダーさんも待っていた。
俺を見ると二人が椅子から飛び上がって喜んでくれる。
歓喜のハグがウザったかったけれど、俺は甘んじてハグを受け入れた。
二人とも俺が死んだと思っていたようだな。
まあ、俺が生きてて喜んでくれているから良しとしておこう。
ほぼほぼ二日間も戻ってこなかったんだ、しかたあるまい。
そんな感じで、その晩は少し騒いだ。
ダンジョン内で何があったかを三人に説明したが、テイアーのことは隠して置いた。
彼女の存在はベルセルクの爺さんの依頼も有るから伏せて置こうと考えている。
何より自分たちの足元にドラゴンが巣くってるって話は聞きたくないだろう。
まるで大型爆弾の上に暮らしているようなものだ。
知らないほうが救いだと思う。
なんやかんやで消灯の時間は直ぐに来た。
俺たちは各部屋のベッドに潜ると眠りに付く。
それでも結構俺も疲れていたのか直ぐに朝が来た。
四人で朝食を食べているとポラリスがやって来てキンキン声で騒いでいたが、俺は無情にも無視してやった。
まあ、尚更ポラリスの怒りに燃料を投下した形になったが関係ないだろう。
俺はポラリスを無視しながら城を出た。
ワイズマンのところに向かう。
ワイズマンの普段は、あの町外れの屋敷で過ごしているらしいので、そこを目指す。
「でぇ~、なんでお前が付いて来るんだよ?」
「あなたがわたくしをダンジョンに連れてってくれるまでです」
「はぁ~……」
俺は深い溜め息を吐いた。
ローブで姿を隠したポラリスが一人で俺の後ろを付いて来ていた。
ローブの下はスケールメイルのようだ。
武器もショートソードに変わっている。
あの重々しジャイアントハンマーは辞めたようだな。
何よりは、お姫さまなのにメイドを引き連れていなかった。
少しは理解できたのだろう。
こいつをダンジョンに連れていけるとしたらの条件を──。
武器や防具は、狭いところでも動けるように小型が基本。
勿論ながらメイドなんて連れていけない。
最低限のルールをわきまえていない馬鹿はダンジョンに入る権利すらないのだ。
そんなやつがダンジョンに入れば直ぐに死ぬし、仲間を危機に追いやりかねない。
その辺をちゃんと理解してもらいたい。
「でぇ、何処に行くのじゃ?」
「ワイズマンの屋敷だ」
「ワイズマンとは?」
「ゴモラタウンの商人だ」
「なるほど。貿易か?」
「そうだよ。俺も金を稼がないとならんからな。お前さんと違って税金で暮らせないからな」
「なるほどのぉ。冒険者は税金で暮らせないか」
「ああ、暮らせないよ」
こいつは馬鹿か?
まあ所詮はお城のお姫さまってことだよな。
しばらく歩くとワイズマンの屋敷に到着した。
俺が執事に面会を求めると、俺たち二人はロビーに通される。
すると二階の廊下からワイズマンが現れた。
優雅なワイングラスを片手にビキニ姿の半裸である。
うんうん、日中から変態プレー全快中とは呑気だな。
「いゃ~~、アスランくん。お出ましだね。ダンジョンで良いものを見付けたかい?」
上を見上げたまま口をポカーンと開けっ放しのポラリスが驚愕していた。
まあ、変態を初めて見たのだろう。
衝撃も大きかろうさ。
「よう、ワイズマン。今日も派手だな」
「いやいや、これでも地味なほうだよ。おや、今日は連れが居るのかい?」
「ああ、こちらの方は君主ベルセルク様のお孫さんのポラリス様だ」
「お姫さま!!」
「では、ポラリスさまから一言」
ポラリスが唖然の表情から我を取り戻す。
そして、一つ咳払いの吐いた後に凛とした表情でワイズマンをピシャリと指差して述べた。
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