ハクスラ異世界に転生したから、ひたすらレベル上げをしながらマジックアイテムを掘りまくって、飽きたら拾ったマジックアイテムで色々と遊んでみる物語。(タイトルに一部偽り有り)

ヒィッツカラルド

第7話【スキルと魔法】

やっとレベルアップした。

この異世界にやって来て二日目だ。

それでやっとレベル2だぞ。

このペースは遅くないかと思う。

もっと派手なアクションと冒険を期待してたのにだ。

ガンガン戦闘を繰り広げて、ガンガンとレベルアップして、わんさかわんさかとマジックアイテムをゲットできるもんだと思っていたのにな。

だが、なんとも地味である。

何が『ハクスラスキル』だよ。

ぜんぜん発動してないじゃんか……。

詰まんない……。

とりあえず、レベルアップしたことだしステータスを見てみよう。

何かスキルとか魔法とかを覚えたかもしれない。

何せレベル1のころは空白だったからな。

『ハクスラスキル』以外は何も書いてなかったんだから、期待も湧くわ。

そして確認してみるとスキル欄に『アイテム鑑定』と新スキルが記入されていた。

今の切迫したサバイバルな状況を解決してくれるスキルじゃないが、何も無いよりましだろう。

『アイテム鑑定』の説明欄を読む。

【通常アイテムの鑑定が出来るように成り、通常アイテムの使い方が解るように成る。マジックアイテムの鑑定も出来るが、本人とのレベル差が有ると鑑定出来ない】

なるほどね。

自分のレベルと同等か、それ以下のアイテムしか鑑定できないのか。

まあ、道具アイテムの使い方が分かるようになるのは便利だよな。

ちょっと試しに、この骨の棍棒ボーンクラブを鑑定してみるか?

ステータスを出す時のパターンからして、声に出して言えばいいのだろう。

骨の棍棒ボーンクラブを鑑定する」

すると女性の声で鑑定結果が報告された。

【ボーンクラブ+3。あなたのレベルが低くて鑑定できません】

え、マジで!?

うっそ~ん!?

この骨の棍棒ボーンクラブのほうが、俺よりレベルが高いのかよ!!

ちょっとまてよ、他の骨も試してみるか。

四体分の骨の山が直ぐ側に有るし、MPとか消費してないから、何度でも使えそうだしな。

てか、HPとかMPとかがステータス欄に表示されてないよな。

筋力値とか敏捷値とかもない。

そう言った数値化する概念が無いのかな?

とりあえず、同じような骨を拾って鑑定する。

するとまた女性の声が説明してくれた。

【ただの人骨です。使い方は様々です】

え……。

マジ……。

うっそぉ~~ん!

じゃあ何か、俺がたまたま選んで拾ったこの骨が、俺よりレベルの高いマジックアイテムだったってことかよ!!

マジでー!!

ラッキーだけれど納得いかねーなー!!

まあ、落ちつこう。

兎に角、この骨は良いものだ!

これも『ハクスラスキル』の効果か?

『ハクスラスキル』ちゃんと発動してるじゃんか。やるね~。

それならもしかして、このボロボロの服も、すげーマジックアイテムだったりして!

よし、鑑定だ!

そして─────。

【ただのボロボロの服です。着る物です】

だとよ……。

がっかり……。

念のために他の四体の服も鑑定したが、やっぱりただのボロボロの服だった。

でも、骨の山をあさって、右足のサンダル片足と、左足のブーツ片足に、左足のロングブーツ片足を発見した。

鑑定結果も【ただの履き物です】だ、そうな。

まあ、これで、全裸の卒業に続いて、素足からも卒業できる。

自分が少し成長したかのようで、ちょっぴり嬉しい。

るんるん気分で右にサンダル、左にブーツを履いた。

ボロイ靴を履けて、こんなに嬉しいとは思わなかった。

それだけ全裸に素足は、肉体的にも精神的にも過酷だったのだ……。

左のロングブーツが片足分残ったので、腰縄に括って持ち歩くことにした。

骨の棍棒ボーンクラブの鞘代わりだ。

何かを拾ったら入れて置く袋代わりにもなるだろう。

それとボロボロの服を一着分だけ背中に背負う。

マント代わりだ。

それと寝る時に、枕代わりにもなる。

その他に4Gを見付けている。

コインを拾おうと手を伸ばしたら、直ぐに掌内に吸い込まれてしまった。

金貨にさわれなかった……。ちょっと寂しい。

ステータス画面で確認したら5Gに増えていた。

それと経験値が50に増えている。

スケルトン一匹が10点ずつだったのかな。

他にもくるくるに丸められた羊皮紙を見付けている。

なんだろう、これは?

中を広げて見てみると何やら奇怪な図形と禍々しい魔法文字らしき物が書かれていた。

魔法のスクロールなのか?

よし、これこそアイテム鑑定スキルの出番ではないか。

鑑定してみる。

【魔法マジックトーチの羊皮紙スクロール。羊皮紙を広げた状態で魔法名を読めば魔法が取得できる。使用しない場合は羊皮紙を閉じた状態で保管しましょう】

早速、声を出して読んでみた。

「マジックトーチ」

うわっ!?

突然、掌内の羊皮紙が青白い炎を上げて燃え上がる。

そして、羊皮紙は一瞬で灰に成った。

燃えるなら先に言ってくれよ。ビックリするじゃん……。

どれどれ、ステータス画面の魔法枠を見る。

空白だった欄に『マジックトーチ』と追加記入されていた。

どうやらこの世界では、スキルはレベルアップ時に獲得できるようだが、魔法はスクロールを読んで習得するようだ。

マジックトーチの説明文を読む。

【魔法マジックトーチ。何かの先端を対象に光のオーブを召喚する魔法。それは無生物であり棒状でなければならない。光は5時間継続される。一日に術者のレベル分だけの個数を召喚出来る】

て、ことは、今の俺なら一日に二回使えるのか。

早速、試すかな。

俺は骨の棍棒ボーンクラブの先を指差して言う。

「マジックトーチ!」

ぼわっと骨の先が光だした。

まさに魔法の松明トーチだった。

魔法の光が通路内を照らす。

そんなに大きな灯りじゃないが、十分だった。

これで、ダンジョン探検が続けられる。

【つづく】

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