竜の娘
ファンタジー

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竜の娘

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      まだ寒いバレンタイン・デーの前日、当時まだ大学生だった僕が出会ったのは、黒いロングヘアで見た目も態度も口調も冷たい印象の、愛想の欠片もない咥え煙草の美人、見る限り同世代の椿波雲だった。
      銀色のリボルバー、コルト・シングルアクションアーミー・アーティラリーを二挺、クルクルとガンスピンさせて咥え煙草を吹かす彼女、波雲氏は、冥府という地獄に似たような世界から僕ら人間の住む世界にやってきては悪さをするタロン、ハゲタカなどの爪の異名を持つその連中を、リボルバーに込めた銀の銃弾で送り返すという、いかにも胡散臭いことを裏のお仕事にしているという。
      胡散臭いが説明されればまあ納得で、同時にちょっとカッコいい感じのそれを台無しにしている風の波雲氏のやる気のなさ、ずぼらさはともかくとして、それからしばらく後の大学を卒業と同時に、そんな彼女の助手としてアルバイト待遇で雇われた僕は、それから梅雨を挟んだ三ヶ月の間に、何度となくそのタロンという輩と波雲氏のバトルに遭遇する控え目な助手なのだが、波雲氏に拳銃やその他の能力を渡したという天使のナントカさんという話を含めてとってもオカルトでファンタジックなお話とは裏腹に、波雲氏は人として色々と問題のある人物でありつつ、やっぱり美人さんなのだった。
      お話は助手である僕が、波雲氏がタロンと戦う活躍以外に、普段の波雲氏の様子などを、完全に僕の主観でご紹介しつつ、本人には内緒な報告書という形で、幾つかのエピソードに分けて皆さんに披露してみたものです。
      冒頭三話はタロンとそれが住む冥府、天使さんとそちらの住む天界と僕らの世界、そして、二挺のシングルアクションアーミー、アーティラリーと呼ばれるロングバレルの拳銃とそれを握る波雲氏の随分と肝の据わった豪胆な性格と、特別な力の欠片もないながら映画からアニメ、ゲームに小説、拳銃とあれこれとマニアックを自称する僕のことも少々ご紹介しています。
      趣向を変えた四話は、口は悪いが黙っていれば絶世の美人たる波雲氏が、それこそ黙っていればどれだけ美人なのかを詳しく書きつつ、波雲氏を主役としたアニメなんかが発表されたらそれはもう、という完全に僕の妄想オンリーで、波雲氏本人は登場しません。
      第五話は、普段はロングバレルリボルバー、アーティラリー二挺を自在に操る波雲氏が、何と料理の腕も天下一品で神業の如きを披露しつつ、海洋学者並のウンチクも披露するという、波雲氏の普段とは明らかに違った面をご紹介しています。そこも彼女の魅力です、と言うにはやや無理のある内容ですけど。
      第六話は、完全に僕の趣味、かつ美少女アニメラブとかな僕をちょっと男っぽく見せようという趣旨で、拳銃に関する少々マニアックなあれこれを有名映画を交えて解説しています。波雲氏が扱うリボルバー、アーティラリーは当然として、昨今のアクション映画に登場するオートマチック拳銃全般の少しコアな話題で、またまた波雲氏は登場しません。やや古いながら名作扱いの映画を拳銃から見るという角度です。
      第七話はこれまた僕の主観から、若い男女のモテる努力、モテ要素、モテる秘訣とは、という話題を僕の経験から幾らかと、それらとは完全に無縁ながらきっとモテた、モテるのであろう波雲氏とは、という話です。
      第八話は、これまでの三ヶ月間の回想から一転、初夏の入り口のイベント、花火大会に行こうという話題です。波雲氏と一緒に浴衣を買いに行き、それを僕が選ぶというウハウハな展開を経て、いよいよ当日となった花火大会の夜に現地に行くと、何と波雲氏と瓜二つの裏波雲と遭遇する話で、続きます。
      第九話は前回の続きで、正体不明で適当にネーミングした裏波雲と波雲氏の対決です。どうやら波雲氏と敵対関係にあるらしい、冥府の使いを自称するゴスロリメイド風な裏波雲と、今は浴衣がとっても似合うポニテの波雲氏の対決で、ゴツいバレットライフルを持った裏波雲でしたが、当然のように波雲氏が勝利して終わります。が、いよいよ花火だという段階になって、なかなかに色っぽいシチュエーションの最中に、それを台無しにするかの如く裏波雲に続くように現れたのは何と、戦の神、かの有名なオーディンさんでした。
      天界側であるオーディンさん曰く、今夜、冥府からの本格的侵攻が始まるとのことでしたが、こちらも何と、としか言えませんけど、波雲氏がオーディンさんの乗る八本足の馬、竜のような屈強なスレイプニールを強奪して夜空に飛び去り、いよいよ現れた空飛ぶタロン軍勢をあっという間に蹴散らして、その侵攻だかはあっけなく終わりです。
      強面のオッサンことオーディンさん、波雲氏を乗せて大活躍だったスレイプニールを交えてのんびりと花火見物をして、初夏のイベントを堪能し、何だかややこしそうなあれこれは綺麗に収

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