神に気に入られて異世界転生した俺は、救世と終焉の神殺しとなる

あざらし

109話 クロノアス領での遺跡探索

この話で未成年編は終わりです


 謁見が終わった翌日、俺はクランへと出向き、父からの指名依頼を受理しに来ていた


クロノアス領の遺跡は、魔物の領域内にはあるが、魔物自体の強さはそこまでではない


それでも、Dランクでなければ入れない制限付きではあるが






で、今回のパーティーはと言うと






「ラフィと組むのも久しぶりだな」






「そう言えば、僕も久しぶりだね」






「私達は随分とご無沙汰です」






「私は後衛特化ですしね」






「あの・・・私も一緒で良いのでしょうか?」






「シアは年齢的に良いのですか?」






「何かあれば僕が守るから。だよね、ラフィ?」






「そうだな。二人は任せたぞ、ヴェルグ」






とまぁ、少しお気楽なピクニック気分であった


尚、リリィ、ティア、ラナはお留守番


リリィとティアは「絶対に許さん!」と、陛下とヴィルノー先代から許可がもらえず、ラナに関しては里帰り中


ブラストが送り迎えをしている






そう言えば、七天竜の内、アルバとリュミナを除く竜達が、俺の元を一時的に離れている


バフラム、コキュラト、シンティラは龍島へ向かい、何やら用事を済ませて来るとの事


ディストはセブリーとの修練後に「世界を見て回りたいのです!」と武者修行の旅へ


ただな、ディストと対等に戦える奴なんて、この世界にいるのか疑わしいぞ






とまぁ、こう言った事情もあって、今回はゲートでクロノアス領へと出向いている


お目付け役は当然の如く、ウォルドである


ブラガスがウォルドを連れて行けと、頑として譲らなかったのだ






『御館様はともかく!奥様方に何かあってからでは遅いのですよ!わかっておられるのですか!?』






と、凄い剣幕であった


ブラガス曰く『ウォルドを置き去りにしても、奥様方はご帰還ください!』と、ナリアの前で言ったものだから、その後のナリアは超不機嫌だった


今頃ブラガスは、ナリアの冷たい目に晒されているだろう






軽く雑談しながら、領主の屋敷へと足を運ぶ


屋敷の前に着くと、兄が出迎えに出ていた






「久しぶりだね、ラフィ。エルーナの結婚式以来かな?」






「お久しぶりです、兄上。エルーナ姉の結婚式以来ですね」






「まぁ、立ち話もなんだし、中で話そうか」






「久しぶりの我が家ですか」






「そう言えばラフィは、学校に行ってからは帰って来てないのか」






「ええ、少し懐かしさを感じます。ナリアも連れてくればよかったかな?」






「今からでも呼びに行けば?」






「そうしようかな?ブラガスの為にも・・」






「何かあったのかい?」






「ええ、実は・・・」






兄に何があったかを説明する


兄は笑いを堪えながら






「くくく・・・それは、家宰の言い方が悪いね。ラフィへの信頼からの言葉だろうけど、家臣としては当主も心配しないと。少し、お説教が必要かな?二人を呼べるかい?」






「ええ。ですが、屋敷の維持は誰が?」






「我が家の家宰にお説教して貰ってから、送り返そう。時間はそんなに掛からないから、誰か回せるでしょ?」






「短時間なら、執事に任せてもいけるかな?ブラガスが来るまでは、彼とナリアで回してましたし」






「帳簿の確認はしてあるかい?」






「はい。問題はありませんでしたよ」






「執事の方は優秀みたいだね」






この会話の後、屋敷に入る前にブラガスとナリアをゲートを使って呼び、屋敷に入ると同時に、ブラガスは連行されていった


その様子を見ていたナリアは、少し溜飲が下がったようであった








クロノアス領主屋敷の応接間に案内され、ナリアを除く全員がソファーへと腰を下ろす


ナリアは給仕をする様だ


ただ、ウォルドを見るナリアの目が「何を座っているのですか?」と非難している様だ


ウォルドは冷や汗を流しているが、兄がナリアを窘める






「他家の侍女長に言う事ではないけど、敢えて言わせてもらうよ?今回は冒険者として来てもらってるから、家臣的な対応されても、こちらが困る。賢いナリアならわかるよね?」






兄の一言にナリアは態度を軟化させ、一言






「申し訳ありませんでした。今後、注意致します」






綺麗なお辞儀をして謝罪するが、兄は追い打ちをかける






「謝るのは私では無くて、使えるべき主とウォルド殿にだね。家臣の失態は、そのまま当主への評価に繋がるから。その点で言えば、今回のウォルド殿が行った対応は間違っていない」






この言葉に、ナリアはこちらへと向き直り






「ご当主様、ウォルド様、大変申し訳ありませんでした」






ナリアの改めての謝罪に、俺は「気にしなくて良い」と伝える


対するウォルドは・・ちょっとあたふたして、慰めていた


夫婦仲は良好の様だ


近々、子供が出来るのではなかろうか?






少し話が脱線したが、ここから本題へ移る


今回受けた依頼の話へと






「さて・・では、本題に移ろうか。軽く調べてみたんだが、遺跡の半分は領域内に、もう半分は領域外になっている。元は一つの遺跡だったみたいなんだが、そこで一つ聞きたい。こういう場合、領域の範囲はどうなっているんだい?」






「探索してみないと何とも・・領域として広がっている場合もあれば、そうで無い場合もありますので。こちらからも、一つ良いですか?」






「何だい?」






「何故、今見つかったのですか?半分が領域外なら、建物として残っていたりするのでは?」






「それか・・・実はね、領域で間引き中に魔法の誤射があったんだが、結構威力が高かった様でね。地面が抉れたわけだが、その抉れた場所から遺跡が見つかってね」






「地中に埋もれていたのですか?」






「いや、詳しく調べてみたら、領域内には地上に建物が存在していた。恐らくだが、領域外の遺跡は崩れたか、埋もれたとみている」






「なるほど・・では入り口は、領域内にあると言う事で良いんですね?」






「その認識で間違いない。領域外の遺跡からは、侵入経路は見つからなかった」






「わかりました。遺跡の詳しい位置を教えてください」






兄と話を詰めていき、必要な情報を得ていく


その間、皆は押し黙ったままだ


しかしここで、ウォルドが口を開く






「ラフィ、必要な情報が抜けているぞ」






「え?何か忘れてる?」






「魔物の種類と生息散布だ。万が一、生息してない魔物がいたら厄介だからな」






「そうだな・・流石は先輩冒険者」






「何気に馬鹿にしてないか?」






と軽口を叩き合った後、魔物についても聞いておく


領域内の魔物は、トレント系統を主軸に動物系の魔物が多数


領域の主は、まさかのドラゴン種でタイラントドラゴン


ただ中心域に構えているらしく、今回は接敵しないだろうとの事


もし万が一、接敵したら、倒さずに逃げて欲しいと言われる






「主を倒すと、領域の統制が崩れるから、被害がね」






とは兄の言葉だ


領域の主を討伐してしまうと、領域外に魔物が溢れてしまう


魔物は魔物で縄張りと統制が取れているからな


万が一の殿しんがりは、俺かウォルドかヴェルグだな


その他、聞ける情報を全て聞きだし、どう動くかのすり合わせを行って、話し合いは終了






その後は雑談になったのだが、その途中にブラガスがげっそりとして帰って来た


どうやら、こってりと絞られた模様


そこから数時間は、俺が幼少期に住んでた部屋を見に行ったり、兄が色々と暴露したりして、恥ずかしい思いをしながらその日は終了する






夕食までご馳走になったブラガスとナリアを屋敷に送り、俺達も屋敷の一室に案内され、その日は就寝


遺跡探索は翌日からとなった






翌日の朝、食事を終えた探索隊一行が屋敷の前に集合する


さて出発!となった所で、重要な問題が発生した


現地まで馬車で2日掛かると言う


色々と用事が立て込んでいるので、今日中に片付ける予定が暗礁に乗り上げた


結果、現地まで俺が走って、ゲートを繋ぐことで解決したが、余計な体力を使う・・いや、そうでもないか








現地に到着し、各々準備を始める


探索は俺達が行い、クロノアス領で募った冒険者達は遺跡から魔物を遠ざける役目を行う


クロノアス家に仕える兵達は、万が一のために周辺を警戒し、領域外へ出て来た場合は対処を行う








そして・・遺跡探索が開始される








領域内の入り口を目指して、進軍する俺達


道中の魔物達は、主にウォルドとリアが倒していた






「歯応えがねぇなぁ」






「あったら大問題だと思うけど?」






「リアの言う通りだな」






と、軽口を叩き合いながら、入り口に問題無く到着


入り口には特に封印魔法とかは掛かってはいなかった


しかし、防犯上の都合だろうか?鍵はしっかりと掛かっていた


しかもご丁寧に、ナンバリングのカギが


前世でも良く目にした、4桁の数字を並び替えて開ける鍵だった


当然ながら、物凄く面倒なので誰もやりたがらなく、じゃんけんで誰が担当するかを決めたのだが






「あそこでパーを出しておけば・・・」






「まぁ、頑張れや」






「一抜けした奴に、言われたくねぇ」






鍵開け担当は、見事に俺に決まった


0000~9999迄ある数字を全て試すなんてイヤだ!


なので聴力と触感を最大にして正解を探す


慎重に、一つずつダイヤルを回し、正解を導き出す






「この数字だ!」






並んだ数字は1234・・・舐めてんのか?


僅か10分で正解を出したが、何か腑に落ちないんだが


肩をポンと叩かれ、横に顔を向けると






「この世はな・・理不尽だらけなんだぜ」






遠い目をしたウォルドに慰められた


きっとウォルドも同じような目にあったのであろう、と勝手に思っておくことにする








遺跡内部に突入し、探索を始める


前衛はウォルドとリア


中衛にシアと俺が入り、後衛はミリア、ナユ、リーゼ


後方からの襲撃にはヴェルグが対応する






地表に出てる部分を探索するが何も無い


一通り探索し終え、地下の探索に移行する


地下に下りていくらか進むと、魔物と会敵する


会敵したのだが・・・






「ゴブリンにコボルト?」






「この領域って、中級ランク向けだよな?」






「そのはずだけど・・・」






リアが魔物の種類を言い、ウォルドが首を傾げ、俺は困惑


何故、初級者向けの魔物がこの遺跡内部に居るのか?


謎ではあるが、安全のために討伐






「歯応えがねぇなぁ・・」






「あったら大変じゃん」






「でも、不完全燃焼だよねぇ」






ウォルドとリアが不満を漏らすが、危険度が低いに越した事は無い


遺跡探索では、何が起こるかわからないのだから






その後も、出てくるのは低級魔物ばかり


シアの訓練も兼ねて、ウォルドが壁役をこなし、リアは攪乱役に徹する


その間に、シアが魔法で倒していくのだが






「もしかして、こいつらの巣になっている?」






「いや、それだと数が少なすぎる」






「もしかしたら、元々生息していたのかもしれないよ」






「多分ですが、リアさんの考えが正解だと思います」






リーゼの声に反応して顔をそちらに向ける


リーゼは少し考えてから






「恐らくですが、遺跡が見つかるまでの間、ずっと住み着いていたのでしょう。ゴブリンなどは、洞窟にも住み着きますし、穴掘りも得意だと聞きます。たまたま掘っていたら、地下の遺跡を見つけて、壁を壊して中に入り、住み着いたと考えれば・・」






「説明はつくのか・・ただそれだと、発掘品は期待出来そうに無いよなぁ」






「まぁ、期待しないで探索しようや」






ウォルドが絞めて、再び探索に戻る


一応だが、探査魔法は使っている


魔物の数はそれほど多くはない様だ


後、意外と大きな部屋の反応が多い


地上に出てた部分も、地下の部分も既に結構な大部屋を開けては探索しているのだが






「大部屋の数が多くないか?」






「多分だが、大昔は貯蔵庫か集積地だったんじゃね?そう言う遺跡は、ちょいちょい見つかってるぞ」






「そうなのか?」






「9割方、ハズレだけどな。アタリは・・・酒類だな」






雑談をしながら、領域内の地下を探索していく


最下層まで降りて分かった事は、地上1階の地下3階と言う事


尚、お宝は今の所無し


誰もが「ハズレだな」と思いながら、領域外の遺跡地下探索へと切り替える


魔物は当然、全て討伐したぞ






領域外の地下を探索していくが、こちらには魔物が一匹もいなかった


探査魔法にも引っ掛からないので、領域外と認識していると判断


しかし、何があるかわからないので、隊列はそのままだ






地下1階・・・特に何も無し


地下2階・・・こちらも特に無し


しかし、地下3階は違っていた






「明るい?」






「魔光灯が、まだ生きてるのか・・これだけでもお宝だな」






「そうなのか?」






「普通は死んでるもんだ。魔道具ギルドに持って行けば金になる。ラフィの兄貴がどうするかは知らねぇけどな」






とりあえず、収穫無しは避けられた模様


だが、大部屋の中は全く変わらず


探索していき、残り3つとなった大部屋の一つを開ける


そこにあったのは・・・






「食料か!だが、なんで腐ってない?」






「ウォルド、どうやらこの大部屋には魔法が掛けられてる・・と言うより、魔道具っぽいぞ」






「マジか!?こりゃあ、お宝だな!」






大喜びなウォルド


だがそれも仕方ない


何も無ければ依頼料のみで終わるが、金になる物が見つかった場合、臨時収入が出る可能性が高いからだ


それに、今まで何も見つかっていない事もあってか、こうやって見つかると少し嬉しいし


ただな・・・この大部屋魔道具をどうやって持ち帰るんだ?


ウォルドはその事に気付かず大喜び中だった






その後、残る二部屋も開けて調べる


この二部屋も大部屋魔道具の様で、中には色々と残っていた


その中で、一つ気になる物を見つける






「これって・・ガラケー?」






前世で一昔前に流行した携帯電話そっくりな物を見つける


あ、説明書発見!


ふむふむ・・・あ、やっぱガラケーだわ


更に調べていくと、スマホっぽい物もある


お!これにも説明書があるぞ


・・・あ~、これはスマホもどきだ


タッチパネルが無いから、画面を触っても無反応


電卓に電話機能が付いた感じの物に見えるわ






他にも、自転車や衣類に娯楽品など


そこでふと思い出す


ここって、大昔の複合商業施設なんじゃね?と


そう考えた直後、残る一部屋からウォルドの叫び声が聞こえてきた






まさか強力な魔物がいたのか!?


急いでウォルドのいる部屋に飛び込むと・・






「見ろよ、ラフィ!酒だぜ!毒鑑定をミリアお嬢さんに頼んでから試飲したんだが、大分若いな。値はあまり付かねぇけど、古代酒としては売れるから、これもお宝だぜ!」






「おい・・・」






さっきのは悲鳴ではなく、歓喜の雄たけびだった模様


・・・何とも紛らわしい


とは言え、これだけの物が見つかるとは予想外だった


ただ、問題がいくつかあったりする






「とりあえず、兄上に報告だな・・・」






ゲートを起動し、兄上の元に繋ぐ


本来は正確な位置のわからない地下では使えないのだが、自身を起点とし、兄上達のいる場所を探知魔法で確認


後は距離を算出して繋ぐという、ちょっとした荒業を使った


そのゲートを通ってきた兄上だが






「これは凄いな・・・依頼料を割り増しにしても、十分に黒字だ」






そう言って喜んではいるが、俺の顔をは少し微妙だ


その表情に直ぐ気付いた兄上が、俺へ質問をする






「どうしたんだい?あまり表情がすぐれない様だけど」






「いくつか、面倒な発掘品があるんですよ」






そう言って兄上にガラケーとスマホもどきを見せる


その二つを見た兄上も少し微妙な表情になった






「それは何だい?見た所、箱っぽいけど」






「古代文明時代の通信機と思うのですが、これが一つ目の面倒事ですね」






「どういうことだい?」






現在、通信機などは存在していない


王家が何か言ってくるか、最悪の場合は王権で取り上げかねない


もう一つは販路だ


説明書はあるが、詐欺と思われる可能性もある


仮にそうで無かったとしても、末端価格は恐ろしい値が付くだろう


王家が一つの貴族家に、王家を上回るかもしれない保有財産を得た貴族家を放置しておくとは考えにくい


この通信機は、いわば諸刃の剣であった






「なるほどね・・・で、もう一つと言うのは?」






「保管されてた部屋の事です」






こちらも、現代の魔道具では、俺とヴェルグ以外、再現不可能な代物であった


では、掘り出して使えば良いのでは?と考えるだろう


当然の疑問なので、それについても説明する






「一つは、誰がこの部屋まで掘るのかですね。仮に掘ったとしても、移動させて使えるかは不明ですし、耐久性にも疑問が残ります。中は時間が止まっていても、外装は1万年以上前ですよ?崩れて使えない可能性も十分にあります」






「ラフィに別件で依頼して、報酬を払っても無理なのかい?」






「自分の手法と同じなら可能ですけど、別の手法で作られていた場合、新しく作るのと大差ないですよ?そうなると、多分、莫大な資金が必要ですね」






「そうなのか・・・兄弟とは言え、こう言う事はしっかりと払わないと駄目だしなぁ・・・・・ちなみに、どれくらいかかる?」






「多分、これくらいは・・・」






そう言って、金額を伝える


その金額を聞いた兄上は・・・






「あ、無理。修繕費は最低額ならどうにかなるけど、その他は予算が足りない。勿体ないけど、諦めるかぁ」






「その方が無難です。それで・・通信機の方はどうしますか?」






「一つだけ聞くよ?これを大量に保有した場合、厄介事は起こるかい?」






「確実に起こるでしょうね。最悪、暗殺者を送り込まれかねないです。いろんな理由で、と付きますけど」






「封印するしかないのか・・・勿体ないなぁ」






「一つだけ、手が無いわけでもないですが、大部分は自分が預かる事になるかと」






その方法を兄上に話す


兄上の顔は、当然だが良い表情ではないが






「今回の依頼料って、無しに出来ない?」






この様な提案になってしまうわけだ


俺はそれでも良いのだが、皆の手前があるので全員に話をすることになる


それを聞いた皆はの答えは






「私は別に構いませんけど、物品で支払い済みにして頂けますか?」






「そうしないと、ギルドからも監査が入るしね」






「俺は、何本か酒が欲しいな」






「僕はラフィに従うけど?」






「代理販売をしたときに、利益を要求しないのであれば」






「シアもラフィ様に従います!難しいお話ですし!」






「それは良いけど、ギルドにはなんて話すの?」






順にミリア、リア、ウォルド、リーゼ、シア、ナユの意見であった


兄上の顔がちょっと引き攣ってはいるが






「はぁ~・・・わかった。依頼料の代わりに、ラフィ達には通信機と何本かの酒と食料。その代わりに、通信機のいくつかは我が家から王家への献上品にするだね。赤字ではないし、厄介事も引き受けてもらえるか。酒は・・・オークションにでも出して、稼ぎにするか」






「娯楽品のいくつかは、自分が作って販売してますしねぇ」






「とは言え、食料にも珍しい物があるからな。と言うか、これはどうやって食べるんだい?」






兄上が手にしたのは金属の器に密封された物


所謂、缶詰であった


俺は兄上から渡されて、食べ方を教えると






「へぇ、保存食なのか。器にも状態保存される魔法が付与されているのか。ある意味、これも魔道具だね」






兄上の見解は間違ってはいない


但し、使い捨ての魔道具ではあるが






結果、依頼料は俺が上乗せ分も一度兄上に払い、それを兄上がギルドに支払う形で合意


通信機や一部の商品を貰って、探索は終了した






あ、見つかった品物は俺の空間収納に全て入れて、兄上の屋敷で渡したぞ


本来は別料金なのだが、通信機の諸々があって、サービスで運搬したのだ


尚、時間停止の魔道具部屋は保留となっている


兄上が専門家や学者を手配して、色々と調べるそうだ






厄介な物を引き受けはしたが、利益も出るし、俺に表立ってちょっかいをかける貴族も今はいないので、儲けとしては黒字かな?


兄上も厄介事を引き受けて迄、利益はいらない様子だったしな


こうして俺達は、王都へと帰還したのであった



未成年編迄終了です
今後の更新は未定です
続きが気になる方は、カクヨムで最新話まで更新しております
幕間なども気になると言う方は、カクヨムで読んでください
記念幕間なども一番多いです

ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました
もし、カクヨムでの評価が見たいと言う方は、次回更新までの間、最終話の場所に掲載します
あくまでも、見たいと言う声が大きければですが

ではでは、次回更新があるかわかりませんが、楽しんでください

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