神に気に入られて異世界転生した俺は、救世と終焉の神殺しとなる

あざらし

23話 高等学校入学


あれから1年ちょっとがあっという間に過ぎた
今年の新年は王都で迎えていつもと違う新年に少し浮かれる
この1年ちょっとは自主修練が主で、たまにウォルド達にお願いして依頼に同行させて貰った
「内緒な」とウォルドは言っていたが街中でギルマスとたまたまあった時「程々にな」と釘を刺されたのでギルマスは見て見ぬふりをするようだ

兄姉達はまぁ、昔から変わらずだ・・色んな意味で・・・
今年は長男グリオルスと長女エルーナの卒業式と入学式に俺の入学式がある
兄グリオルスと姉エルーナは高度高等学院に受かった

高度高等学院は特殊で3年で卒業なのに4年目が存在する
4年目は特例事項で1年の間に研究を終わらせ、片づけをして必ず出て行くようにする為だ
何故そのような期間があるのか?それは昔の卒業生が研究資材を片付けぬまま卒業した為、学院側が掃除って名目の後始末をすることになり、新たに規則を作って研究途中の者は1年以内に片付けて出て行くように最長4年と定められた
決まりを破った場合は退学処分に罰金と禁固1年が言い渡される

退学処分だが本来の卒業を剥奪する為で、処分を受けた者は落第者と呼ばれるようになり、学校と学院は国営なので国がこれは罪と定めた場合は罰が下される
学院内での生徒への法律や罰則はほぼ無いが先程説明したのが例外で唯一存在する法だ
それ以外は、既存の法に従うので学生法はそれだけ特殊で例外になる
兄と姉は研究はしないと言っていたので関係なさそうだが

兄と姉の卒業式と入学式はどちらも月の始めで1日に行われる
俺の入学式はそれから4日後の5日で、毎年どちらも日時は決まっている
そして今日は俺の入学式の日だ

高等学校は実力制で基本は徒歩通学なのだが大貴族や王族は貴族学校の様な馬車での登校が多い
中にはクロノアス家みたいな変わり者もいて徒歩通学だが王族は例外なく馬車だ
俺は歩いて登校すると丁度2台の馬車が通学門のある入り口前に止まる
馬車の紋章を確認して「あー・・」とため息めいたものがこぼれる

止まった馬車の紋章は王族の紋章と公爵家の紋章、つまり王子と王女のどちらかか両人と公爵令嬢だ
降りてきたのは2台合わせ全員で8人、王家の親族御一行
朝一から疲れたくなかったので見て見ぬふりをしようとしたが「やぁラフィ、おはよう」と声を掛けられてしまってスルー出来なくなってしまった
挨拶を返し新入生の待機所に行こうとすると王族の大人達から質問される

「グラフィエル君のご両親は一緒ではないのかね?」

「両親は馬車で学院に来ます。兄姉達は知りませんが自分は歩いて通おうと思っていますので色々な道を調べながら登校しました」

「なるほどの。では、もうすぐ来るのかね?」

と、質問されたところで1台の馬車が来た
家紋を確認すると我が家の馬車だ
王族御一行を確認したのか両親が慌てて降りてきて臣下の礼をしようとするが陛下が止め「今日の主役は子供達だ」と告げて「わしらは雑談すれば良いのだ」とヴィルノー先代が両親に告げる
そして何故か仲良く王族たちと一緒に門を潜る事になった
両親もタイミングが悪いな

俺達は待機所に向かうため両親達と別れた
大人たちは入学式に参列した後、懇親会が開かれる
学校内では王族と言えど身分を盾に好き放題は出来ない
但し、他の者が身分を盾に好き放題した場合はその限りではないとされている
身分には身分で対抗しなければならないからだ
懇親会でも校内規則はまかり通るが最低限の礼儀は必要となる
その理由は?そんなの王太子と第5王女が入学されるからです
なので今年の懇親会と入学式は非常に面倒である


俺達は待機所に入ると、まぁテンプレの事が起こる
どっかの貴族のバカ息子が早速、取り巻き数人と一緒に身分を振りかざして平民の入学生数人に色々言っている様だ
他にも貴族っぽいのがいるが何も言えない所を見ると零細貴族か相手の親の爵位が上なのだろう
どうして爵位の高い一部の貴族の子供はアホなのだろうと思いつつ「はぁ~・・」とため息をつき殿下を見る
だが殿下は小声で「ラフィ、任せたよ」と丸投げしやがった・・・後で覚えてろよ!
仕方なく俺が止めに入る

「君らその位にしときなよ。入学式早々停学にはなりたくないだろ?」

「誰だ貴様は!私はソロース伯爵家長男ダルタルス・フィン・ソロースだぞ!」

「ふ~ん、伯爵家ねぇ。僕はクロノアス辺境伯家三男グラフィエル・フィン・クロノアスです。身分を掲げて何か言うなら僕の方が上だね」

「く、クロノアス家の三男・・あの、決闘の・・・」

「何か僕に不満があるなら決闘しようか?そうだな・・停学を賭けてしようか」

そう言うとお馬鹿共は顔を青褪めさせてその場から消えて行った
あ~面倒くさい!殿下を半目で見るも何も見てないって顔してやがる
イラッ!ときたがここは我慢だ・・・一応念押しだけはしとくか
小声で「殿下、何かあったら頼みますよ」と伝えると「あの子達だけで良いよね?」と返されたので頷く
殿下も「わかったよ。何かあるか酷ければ動くよ」と言ってくれたのでこの件は安心だな
俺だけならどうとでも出来るし

待機所に案内役が現れ、時間なのでついてくるようにと促す
待機所から別の建物に案内され言われた通りに並ぶ
親達は既に来ていた様で俺達が一番最後だ
全員が並ぶと入学式が始まり学院長の挨拶が始まる

「皆さん!この度は入学おめでとう!この学校は当時の国王様が・・・・・・」

長い長い挨拶が始まった・・
学校長の話はこうだ
この学校では座学の勉強は一切しない
足りない部分は自分で学べ!わからないなら聞いて学べ!である
そもそも筆記試験で座学の問題が出る
本来は入学してから学ぶ内容を、学んでから来い!がこの学校のスタンスなのだ
全ての授業は選択式なので特化授業でもある

次に学校の歴史だ
この話も試験で出るので知っているが毎年必ずこの話はされる
兄姉から聞いていたので憂鬱でもあった
学校は全部で3つで学院は1つあり、この学校の正式名は王国立高等学校だ
残りは国立貴族学校・国立学校・王国立高度高等学院になる

元々は高度高等と高等は王立で、王立とは設立当初は王の私財で運営されていた
王が私財で運営しているのが国の為にならないと国家運営に変わったのだが、設立した当時の王への敬意を込めて王国立になっている
国立学校も当初は国立平民学校だったが、数代前の王により改名された
貴族学校で身分の調整は取れるし貴族側の面子も守れるだろうとの事で解明に至ったそうだ

また学校はランシェス王国が一番多いそうで、これは俺も知らなかった
世界2位の広さを持ち学校数は1位が我が国である
世界1位の広さは勿論帝国である
学校数は何位か知らんが・・・
他にも色々言ってたが話が長すぎて頭に入ってこんわ!と心の中で叫んでおいた
今年は王族が入学するので特別に陛下も挨拶する様だ
ありきたりな挨拶なので省略させてもらうが・・・

入学式が終り大人達は懇親会へ、生徒達は試験結果を元に割り当てられた教室へと教師に連れられて案内される
教室にはクラス毎に教師が待機しており卒業まで朝礼や連絡事項を専任担当する
教室に入る順番は成績上位者からで、試験で総合1位の者から入って行き定員9名がSクラスだ
その後に定員12名のA・15名のBという風に3名増しで振り分けられていく
一番下はDで合計75名が合格者で今年入学した者達である
尚、S・A・B・Cの一番下とA・B・C・Dの一番上が学年が変わる際に入れ替わる事がある
実力制なので総合成績が良い方が上に行けるシステムなのだ
上に行くと何が優遇されるのか?実は知らない
この後説明されるそうなので何が違うのか楽しみだ
そして案内されたS教室の前で今年度入学主席の名前が呼ばれる

「主席!グラフィエル・フィン・クロノアス!」

俺だった・・・
え~・・俺が主席なの・・・面倒事がありそうなんですけど~
そんな思いの中、次に呼ばれたのはリリィ王女で流石お姫様であった
次にフェル殿下でその次がティア公爵令嬢だ
知り合いだけで3つ埋まっちゃったよ・・・
次に平民の子と商人の子が5席と6席になった
一応順位がありSクラスのみ席次で呼ばれる
1席◯◯的な感じで、テストなどの成績発表は在籍クラスに席次と名前が貼り出される
残る席次は全員貴族だが1人は零細貴族の子だった
これでSは満席になtるが、先程のバカ貴族が何か喚いて教師陣が連行して行った
これは親の元へ強制連行かな?陛下もいるのに・・・ご愁傷様です

後で聞いた話だがあのバカ貴族は停学だけは免れたが言動に難ありと取られて試験結果の合格ラインギリギリだけとなりDの最下層からのスタートになったそうだ
元々取り巻き達よりも出来も悪くCの最下層近くだったらしい
処分前の順位的には50位辺りかな?取り巻き達は悪くてもCの中だったそうだ
席次に関しては張り出されるので直ぐにわかるから大変だよなぁ・・・

教室に入った俺は自己紹介をした
主席から始まり全員が終った後、色々と説明が始まる
S教室の上位5席は基本余程の事が無い限り入れ替わらないそうだ
だが、それで怠けると入れ替わる可能性もあるので精進するようにと注意される

次に選択授業についての説明だ
登校は9時までに行い授業開始は10時からで1授業1時間
昼休憩は1時間半あり午後も2時間の授業がある
それを日毎に行うので選択した内容によっては1日授業無しも珍しくはない

選択授業内容は
貴族科  内政科  冒険科  商業科  魔法科  調理科  武術科
メイド科  執事科  騎士科  研究科  魔道具科
等々言い始めたらきりがない位に多い

選択授業は定員制の授業もあるのでS教室は優先的に選べる権利を貰える
俺、受けたい授業がほとんど無いんですけど・・・

次は席順で、授業は定員制の授業のみ成績の悪い者から前に座っていく
後ろは不利なようにも思えるがそうでもない
席は扇状に高低差があるので後ろだと1席で広範囲が見渡せる
定員割れした時はその限りではないが

次に昼食時だが学院にはスペシャルメニューなるものが存在していた
仕入れによって決まるので毎日は無理で数も不明だが学年順に成績優秀者から注文可能で1番上の学年から上位9席×4学年分は注文できる様に必ず用意されている
36食以上出来ない時は通常メニューがSクラス分だけ少し豪勢になったりする

食事もS教室の者は3階席で食事ができる
勿論別席でも食事は可能で、A・Bは2階までC・Dは1階席のみになる
3階席以外は席を多めに用意してあるのでどこでも食事可能だが他クラスと食事をする場合は下位クラスに合わせる必要がある
何故このような形にしてあるかというと、学校内で身分は関係ないと徹底した上で、上位者でも一つ間違えば下に落ちると知らしめる為だ
食事中も学校が相応しくないと判断した場合はクラスを緊急入れ替えされるそうだ
毎年いるらしく特に1年に多いので気を付ける様にと言われた
元々言葉使いが悪かったりする者もいるがその程度では落とされないらしい
明確な基準があるそうだが秘密だった
そりゃそうだよね・・・

最後に休みだが、S・Aは週休2日で残るクラスは1日だ
これには下位選択授業の救済処置の為で、定員オーバーした授業を受けれる
1日も授業が無い者もいたりするので週4日休みの生徒も過去にはいたそうだ
今はいないそうだがSの最上級生の一部だけ特例事項がある
冒険者登録した生徒達は冒険科を選択しており、実地野外授業の一環として週の授業を2日分免除する代わりに冒険者ギルドで依頼を受けて成否を問わず報告する事になっている
ただランクが低いので受けられる依頼に遠出は無く、必ず週に1度は朝礼に出席するように義務付けられている
ランクが上がり遠出の依頼がある場合は学校へ依頼受注前の連絡も義務付けられている
この学校が出来てからその様な報告は片手で足りる位しかいないそうだ

説明が終り質問が無ければ選択授業を選んで提出するようにと言われた
何を選ぶか悩んでいると先生から

「クロノアスは貴族科と内政科は取る様に。これは親御さんと陛下からのお達しだ。後は選んでも選ばなくても良いぞ」

なんですと!?何故俺だけ強制なんですか!
理由を聞くと「言わなきゃ選ばないから強制してくれ」と両親に頼まれ、陛下にも内政科は受けさせろと言われ、学校も容認したそうだ
子供の自主性奪うなよ・・・前世と合わせたら30手前だけどさ・・・

半ば強制的に決まり残りは2枠なんだが・・ふと研究科がどんな内容なのかわからない事に気付いた
聞いてみると研究科は色々な分野の研究をする基礎知識を1年目の授業で教え、主に高度高等学院に進学して研究する生徒は選んでる生徒が多いそうだ
2年目以降は場所を取らない研究なら好きに出来るらしい
ちょっと興味は惹かれたが研究したい物が見付からず別のにした

残りの二つは調理科と魔法科にした
飯は美味いもの食いたいしこの世界には無いマヨネーズや味噌に醤油など作りたいしな
魔法科は他の生徒がどんなのを使うのが見たいから
選択授業はSのみ定員が一杯でないなら変えられるそうだしとりあえずそれにした
変えるとしたら魔法科から冒険科にかな

記入した紙を渡したら今日の授業は終了だ
翌日に定員以上の生徒がいる授業は下位から変える様に言われるのでSは確実に取れる
俺は殿下達の元に行き授業を何にしたのか聞いた
貴族科・内政科は全員が選んだそうで残りの選択授業は、リリィ王女とティアは調理科だけでフェル殿下は魔法科と商業科だった
少し意外だったのでフェル殿下に聞くと

「商業と内政を組み合わせれば金の不正は見渡しやすくなると思って選んだ」

と言われ、王子であり次代王としての選択かと思わされてしまった
全員が提出し終わり、4人で両親達の待つ懇親会場へと向かい、何故か王族一行と昼食を取って帰路についた


作者です
最近悩むのはどうすればもっと読んで貰えるのか?と考えています
結論・・・面白みに欠ける?でした
なろうでは変えると言ってましたが同じの掲載しようかしら・・・

コメント

  • 時龍クロノス

    なろうでも掲載中なのか…(今頃気づいた)
    見に行こ( ˙-˙ )

    1
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品