妖精の魔法で俺にモテ期到来!?

I.G

マドンナの秘密 12

「たかし! 今行くのだ!」


ファリーは自身の体を子猫サイズまで
小さくして、駿の元に飛ぶ。


「あ、あれ? あの女の子は?
て! 君達は一体ここで何をしている
のかね!」


「ちっ! めんどくさ。ターニャ!」


「はい!」


ファリーを追いかけて来た先生
見つかり、すかさず姫路は
ターニャに指示を出す。
指示を受けたターニャは手を
先生の額に置き


「えいっ!」


と、魔法をかけた。


「あ、あれ? 私は一体ここで──」


「テレポート!」


ターニャは間髪を入れずに
先生を別の場所へと飛ばす。


「次よ! ターニャ! その妖精を
捕まえて!」


が、ここでターニャの動きが
ピタッと止まる。


「ちょっと! 何やってんのよ。
あの妖精が逃げちゃうじゃ──」


「ファ、ファリー先輩!?」


ターニャは突っ込んできた
ファリーを見て、驚嘆した。


「!? もしかして、ターニャ?」


ファリーもまたターニャを見て
動きが止まる。


「知り合いか?」


姫路が退いたことで
ようやく解放された駿は
ファリーに問う。


「同じ学校を卒業した僕の後輩なのだ。」














「何やってるのよ、ターニャ! 」


「ご、ごめんなさいぃ......いくら
ご主人様でもファリー先輩を
倒すことなんて......」


「は!? 何言ってるのよ!
そいつが私の近くにいたら、
私の幸福が逃げちゃうって
あんた言ってたじゃない!」


と、ここで姫路は口を滑らす。


「ははぁーん。なるほど。
どおりでたかしがこんなにも
不幸な訳なのだ。」


「おい、どういうことだよ。ファリー。」


「簡単に説明すると、この女は
今まで僕の後輩をこき使って他人の
幸福を奪って一人占めしていたのだ。」


それを聞いて駿は姫路に目をやると、
姫路は苦そうな表情をしていた。


「だから、駿に行くはずだった
幸福も全てこの女の元に行って
たのだ。間違いないのだ? ターニャ。」


ファリーは厳しい目でターニャを
睨み付ける。


「は、はぃ......」


「はぁ......これは妖精法に違反している
のだ。ターニャ。そして、そこの
女! 覚悟しておけなのだ!」


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