凶犬と狂主人の備忘録

石ノ森 槐

1日目・・・告白

「…は?」
とある朝、俺…千輪大輔の下駄箱に1通の白い封筒が入っていた。
封は、女子がよく使う様なマスキングテープで止められていた。
って事は、これを書いたのは女子か!!
俺は浮き足立ちながら、教室に着いた。

とは言っても、俺は…モテるタイプの男ではない。
どちらかと言うと、喧嘩っ早い性格が災いしてか、俺に友人申請みたいなことをしてくる奴が多い。
そして同じくらいに多いのが…俺を潰しにかかるメンツ。

つまりは来るのは"ラブレター"ってよりは…"果たし状"だ。

でも正直目の敵にしてくるやつの方が…俺としては悪くねぇと思う。
まぁ、ぶっ飛ばすに越したことはないが表っから堂々と仕掛けてくるやつの方が、性格いいやつだ。

問題は…
「ギャハハハ!!」
「まじキメェ!!」
「」

あー言うやつだ。
ちげーよ!あのうるせぇハイエナ共の方じゃねぇよ!!

バケツの水被って濡れ鼠にされてるあのヘナヘナした方、桝田って奴だ。
なんでって?
何も言い返してこない奴ってのは、いつ何仕掛けてくるかわかったもんじゃねぇからだ。

それにあそこまでされてキレないってのも逆に不気味だ。

「なぁ?大輔!!キメェよな!」
「…あぁ。そうだな。」

俺はその理由で、ハイエナ共と共犯になる。
桝田の頬の皮膚が俺の拳で歪み悲鳴をあげる。

勢いで倒れ込んだ桝田にハイエナ共が集る。
俺はその光景をほぼ感情もなく見つめていた。
それよりも俺には大切な用事があんだ。

タバコを理由に教室を出ると、俺はポケットに忍ばせていた…ラブレターを開いた。

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