真っ黒マントのうさぎさん
第4話 燈湖龍央ver
いきなりだが今日、俺と莢菜との交際が始まった。
というか無理やり始めた。
理由はまず一つは莢菜を好いているから。
紛れもない事実だ。
実際にあの三人の中では聡明だ。
負けず嫌いが相当邪魔をしているように思うが…。
そしてもう一つは…蛇の動きが日に日に怪しくなってきている事にある。
実際にこないだの会合で俺と莢菜との関係を問う者もいた。それも蛇から流れてきた話だと言うから驚いた。
どうやら大橋の下で莢菜を助けたのが事の発端だとか。
"莢菜=俺の女"という噂でも流れてしまっているからには一般人をこれ以上危険な目に合わせるわけにもいかない。
俺は帰りがけに莢菜に一人暮らしをしている部屋を教えた。
と言ってもここはカモフラージュの為に仮で使っている部屋だがな。
「…なんか…あんたって箱入り息子なのかと思ってた。」
「」
まぁ、間違ってはいない。
お坊ちゃまって言うホカホカした家庭というよりかは…えげつねェほど肩に責任やらなんならが幼少期から乗りかかってたけど。
「ねぇ、入ってみていい?」
「…はい?」
「一人暮らしってなんかすっごい憧れって感じ!!大人って気がすんじゃん?」
莢菜はごく当たり前と言いたい顔をして俺に鍵を開けるように目で促した。
…俺が気弱だから何もしてこないと踏んだのだろうか。
鍵を開けると玄関で靴を脱いでパタパタとキッチンに走っていった。
なんだかんだで靴は揃えるのが育ちがいいのだと悟る。
「ねぇ、龍央!!」
「…どうしたの?」
「キッチンだけ新品みたいなんだね。」
「」
そう…莢菜は見抜く力がずば抜けて高い。
文化祭でアリスという名のリーダーを担当してもらっていたのも状況理解に優れていて対応も早いからだ。
「…あまり自炊しないんだ。」
「ふぅん。」
…少し言い訳きつかったか…。
「…良かったらお茶でも。」
「ん、なら私やるよ。多分私の方がお茶作るの慣れてると思うし。」
「…いや、冷蔵庫に…烏龍茶入ってる。」
流石にお茶っ葉をずっと置いておくのは…俺のような組にいると…誤解がでかくなるから置いていない。
俺が申し訳なさげに顔を上げると、莢菜は顔を赤くした。
「そ、そういうことは早く言って欲しかった…て言うか…。」
「…あ…すみません。」
「ッ…謝られるともっと恥ずいじゃん…か。」
莢菜はそう言って俯いた。
…可愛い…。
「…可愛い。」
「ッはぁ!?」
…まずい、心の声が…。
「…お茶用意するね。どこか座って待ってて。」
「うん…。」
ふたりでぎこちなくそれぞれ動き始めた。
俺は冷蔵庫からお茶を出してグラスに注ぎ運び出すと、莢菜は座っていたソファから立ち上がって一つを受け取った。
「ありがとう。」
「ん。」
対して俺が床に座ると、先程までソファに座っていたはずの莢菜はごく当たり前な顔をして床に座った。
「ソファに座らないの…?」
つい声をかけると、莢菜はフフッと笑った。
「床の方が慣れてるから。」
…嘘つけ。
床に座るのなれてたらそんなにすぐに足が痺れてこないだろ。
莢菜の足は少しずつ震え始めた。
それをごまかそうと何度かさすっているが…そんなにもたないだろう。
自然に気を使う姿が…俺にはどストライクだったりする。
俺は黙って莢菜のいるところに近づいて沙耶奈の手からコップを取った。
「?」
「ソファに座りましょ。僕は足が痺れやすくて。」
「…わかった。」
莢菜は少し不思議そうに俺の顔を覗いていたが、頷いた。
というか無理やり始めた。
理由はまず一つは莢菜を好いているから。
紛れもない事実だ。
実際にあの三人の中では聡明だ。
負けず嫌いが相当邪魔をしているように思うが…。
そしてもう一つは…蛇の動きが日に日に怪しくなってきている事にある。
実際にこないだの会合で俺と莢菜との関係を問う者もいた。それも蛇から流れてきた話だと言うから驚いた。
どうやら大橋の下で莢菜を助けたのが事の発端だとか。
"莢菜=俺の女"という噂でも流れてしまっているからには一般人をこれ以上危険な目に合わせるわけにもいかない。
俺は帰りがけに莢菜に一人暮らしをしている部屋を教えた。
と言ってもここはカモフラージュの為に仮で使っている部屋だがな。
「…なんか…あんたって箱入り息子なのかと思ってた。」
「」
まぁ、間違ってはいない。
お坊ちゃまって言うホカホカした家庭というよりかは…えげつねェほど肩に責任やらなんならが幼少期から乗りかかってたけど。
「ねぇ、入ってみていい?」
「…はい?」
「一人暮らしってなんかすっごい憧れって感じ!!大人って気がすんじゃん?」
莢菜はごく当たり前と言いたい顔をして俺に鍵を開けるように目で促した。
…俺が気弱だから何もしてこないと踏んだのだろうか。
鍵を開けると玄関で靴を脱いでパタパタとキッチンに走っていった。
なんだかんだで靴は揃えるのが育ちがいいのだと悟る。
「ねぇ、龍央!!」
「…どうしたの?」
「キッチンだけ新品みたいなんだね。」
「」
そう…莢菜は見抜く力がずば抜けて高い。
文化祭でアリスという名のリーダーを担当してもらっていたのも状況理解に優れていて対応も早いからだ。
「…あまり自炊しないんだ。」
「ふぅん。」
…少し言い訳きつかったか…。
「…良かったらお茶でも。」
「ん、なら私やるよ。多分私の方がお茶作るの慣れてると思うし。」
「…いや、冷蔵庫に…烏龍茶入ってる。」
流石にお茶っ葉をずっと置いておくのは…俺のような組にいると…誤解がでかくなるから置いていない。
俺が申し訳なさげに顔を上げると、莢菜は顔を赤くした。
「そ、そういうことは早く言って欲しかった…て言うか…。」
「…あ…すみません。」
「ッ…謝られるともっと恥ずいじゃん…か。」
莢菜はそう言って俯いた。
…可愛い…。
「…可愛い。」
「ッはぁ!?」
…まずい、心の声が…。
「…お茶用意するね。どこか座って待ってて。」
「うん…。」
ふたりでぎこちなくそれぞれ動き始めた。
俺は冷蔵庫からお茶を出してグラスに注ぎ運び出すと、莢菜は座っていたソファから立ち上がって一つを受け取った。
「ありがとう。」
「ん。」
対して俺が床に座ると、先程までソファに座っていたはずの莢菜はごく当たり前な顔をして床に座った。
「ソファに座らないの…?」
つい声をかけると、莢菜はフフッと笑った。
「床の方が慣れてるから。」
…嘘つけ。
床に座るのなれてたらそんなにすぐに足が痺れてこないだろ。
莢菜の足は少しずつ震え始めた。
それをごまかそうと何度かさすっているが…そんなにもたないだろう。
自然に気を使う姿が…俺にはどストライクだったりする。
俺は黙って莢菜のいるところに近づいて沙耶奈の手からコップを取った。
「?」
「ソファに座りましょ。僕は足が痺れやすくて。」
「…わかった。」
莢菜は少し不思議そうに俺の顔を覗いていたが、頷いた。
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