真っ黒マントのうさぎさん
第2話
あれから私はその手紙をポケットに入れたまま過ごしていた。
返事はまだ出来てない。
だって、私あいつに好かれることなんてしてないし、1回もそんな目で見られてた覚えないし。
"あなたに惚れてます。"
うわわ…手紙の中身思い出しちゃった。
「中村さん。」
っていうかなんて答えよう…私あいつのこと好きじゃないし…でもあんな手紙書くってことはすぐ振るのも良くないのかな…。
「莢菜さん。」
「ッはいッ!?」
び、びっくりした。
私が我に返ると、前の席の龍央がこちらを振り返っていた。
「これ、今日の復習プリントです。」
「あぁ…うん。」
私は一番後ろの席だったこともあってプリントを受け取った。
あれ、二枚ある。ってことは一番後ろの人がわざわざ先生の元まで返しに行かないといけない。
…めんど。
私が自分の分をとって引き出しに入れていた時、あまりの一枚に手が伸びてきた。
「これ余りですか?」
「…うん。」
わたしが頷くと、龍央はにこりと微笑んでから立ち上がり教壇にあまりのプリントを持っていった。
「あ、ありがとゴザイマス。」
「いえいえ。」
あれ…何これ…。
私…なんか緊張してる?
しかもものすごく。
心臓がバクバク音を立てて顔が熱い。
「莢菜さん。」
「…ッ。」
私が無言で目を向けると龍央はじっと私の目を見つめていた。
なんか息つまる…。
この感じ…もしかして、返事聞きたい…とか?
待って待って準備できてない!!
「プリント難しかったですか?」
「は?」
何それ。
「この最後の問題、応用みたいなので。」
「あ、うん…」
まず聞いてなかったからプリント出す気も無いんだけどね。
龍央越しに教壇を見ると先生はいなくなっていていつの間にか休み時間になってたみたいだった。
「後で解き方教えますね。」
「え。何故に?」
何の気まぐれ?
今までそんなこと言ってこなかったのに。それにいつも私が一番後ろなんだからいつも手渡しなんかしてこなかったじゃん。
私がつい怪訝な顔を浮かべると、龍央は少し考えてから答えた。
「見せつけたいからですかね。」
「はい?」
「あなたに"僕がいい男だ"ってことをです。」
「ッ!?」
何それ…なにそれナニソレ!!
私が固まると龍央は少し恥ずかしそうに顔をほころばせた。
「馬鹿みたい。」
私がつい嫌味を言うと龍央の笑顔は苦笑いに変わった。
「もっと嫌になっちゃいました?」
「……。」
嫌にはならない。
実際悪い気はしないわけだし。
ん?
もっと?
「嫌われてる自覚はあったんですけど…そのまま振られるのは悔しいなって…。」
だからこんなこといきなりし始めたわけ?
本当に馬鹿みたい。
「振るなんて一言も言ってないし。」
「…はい?」
…あれ、今私何言った!?
「あ、だから…振るほど嫌いじゃないっていうか…その…。」
なんかごまかそうとすればするほどドツボな気がする。
自分の言ってることがどんどん恥ずかしくなって来た。
私は自分顔をしかめていることを感じながら、龍央の少し虚ろな目から視線をそらした。
「それって…莢菜さんの事まだ諦めなくてもいいということでしょうか?」
「ッ。」
少し高くなった声に視線を戻すとその目はしっかり私を見つめていた。
…手、震えてる。
「うん。…いいと思う。」
私は他人事みたいな返事を返した。
返事はまだ出来てない。
だって、私あいつに好かれることなんてしてないし、1回もそんな目で見られてた覚えないし。
"あなたに惚れてます。"
うわわ…手紙の中身思い出しちゃった。
「中村さん。」
っていうかなんて答えよう…私あいつのこと好きじゃないし…でもあんな手紙書くってことはすぐ振るのも良くないのかな…。
「莢菜さん。」
「ッはいッ!?」
び、びっくりした。
私が我に返ると、前の席の龍央がこちらを振り返っていた。
「これ、今日の復習プリントです。」
「あぁ…うん。」
私は一番後ろの席だったこともあってプリントを受け取った。
あれ、二枚ある。ってことは一番後ろの人がわざわざ先生の元まで返しに行かないといけない。
…めんど。
私が自分の分をとって引き出しに入れていた時、あまりの一枚に手が伸びてきた。
「これ余りですか?」
「…うん。」
わたしが頷くと、龍央はにこりと微笑んでから立ち上がり教壇にあまりのプリントを持っていった。
「あ、ありがとゴザイマス。」
「いえいえ。」
あれ…何これ…。
私…なんか緊張してる?
しかもものすごく。
心臓がバクバク音を立てて顔が熱い。
「莢菜さん。」
「…ッ。」
私が無言で目を向けると龍央はじっと私の目を見つめていた。
なんか息つまる…。
この感じ…もしかして、返事聞きたい…とか?
待って待って準備できてない!!
「プリント難しかったですか?」
「は?」
何それ。
「この最後の問題、応用みたいなので。」
「あ、うん…」
まず聞いてなかったからプリント出す気も無いんだけどね。
龍央越しに教壇を見ると先生はいなくなっていていつの間にか休み時間になってたみたいだった。
「後で解き方教えますね。」
「え。何故に?」
何の気まぐれ?
今までそんなこと言ってこなかったのに。それにいつも私が一番後ろなんだからいつも手渡しなんかしてこなかったじゃん。
私がつい怪訝な顔を浮かべると、龍央は少し考えてから答えた。
「見せつけたいからですかね。」
「はい?」
「あなたに"僕がいい男だ"ってことをです。」
「ッ!?」
何それ…なにそれナニソレ!!
私が固まると龍央は少し恥ずかしそうに顔をほころばせた。
「馬鹿みたい。」
私がつい嫌味を言うと龍央の笑顔は苦笑いに変わった。
「もっと嫌になっちゃいました?」
「……。」
嫌にはならない。
実際悪い気はしないわけだし。
ん?
もっと?
「嫌われてる自覚はあったんですけど…そのまま振られるのは悔しいなって…。」
だからこんなこといきなりし始めたわけ?
本当に馬鹿みたい。
「振るなんて一言も言ってないし。」
「…はい?」
…あれ、今私何言った!?
「あ、だから…振るほど嫌いじゃないっていうか…その…。」
なんかごまかそうとすればするほどドツボな気がする。
自分の言ってることがどんどん恥ずかしくなって来た。
私は自分顔をしかめていることを感じながら、龍央の少し虚ろな目から視線をそらした。
「それって…莢菜さんの事まだ諦めなくてもいいということでしょうか?」
「ッ。」
少し高くなった声に視線を戻すとその目はしっかり私を見つめていた。
…手、震えてる。
「うん。…いいと思う。」
私は他人事みたいな返事を返した。
「恋愛」の人気作品
書籍化作品
-
-
39
-
-
1
-
-
549
-
-
0
-
-
4
-
-
111
-
-
516
-
-
439
-
-
59
コメント