真っ黒マントのうさぎさん
第1話 燈湖龍央ver.
俺があんな発言をしたからか、次の日学校につくと、昇降口に女子生徒が仁王立ちしていた。
みゆきさん?
この時間にもう来てるなんて珍しいな…。
「おはよう、みゆきさん。」
「あんた…よく何事もない顔してられるよね!!犯罪者!」
「」
おぉ…朝からご立腹とは元気なことで…。
こちらは昨日夜中まで会合でストレスが尽きないというのに。
言葉遣いを俺は隠すこともなく顔を顰めた。
「朝からうるせぇ。気品のない女だな。」
「ッ…。それがいつものアンタなの?」
「だったら何だ。話聞いたんだろ?ならこの喋りが普通だろ。」
俺の問いかけに、みゆきさんは驚き戸惑いながらも頷いた。
「で?」
俺はそう聞きながら自分の下駄箱を開けた。そこには無駄に落書きされた上履き…うん、紛れもなく俺の靴が入っている。
一つ息を吐いてからその靴に足を通して外用の靴を中に突っ込んだ。
「何か用?」
俺が訪ねながら視線だけを向けると、みゆきさんは一度ビクッと震えてから一度咳払いをした。
「その…何で莢菜なの?」
「何が。」
「だから…何であの子に告白したの?別に好きって感じじゃなかったじゃん。」
俺は場所を移動するためにみゆきさんの先を歩き始めた。
「惚れてたさ。」
「嘘。…まさかあの子…何かに巻き込まれそうとか?」
やっぱりこいつは鋭い。
さすが警察の娘だな。
「まぁ、当たりだな。…半分は。」
「半分?」
そう…半分はだ。
「もうとっくに巻き込まれ始めてるってことだ。」
「ッ!?」
俺が平然と答える中、みゆきさんは目をカッぴらいて固まった。
「俺が文化祭前に怪我したろ。あの時だ。」
「…でもあれってただ莢菜が階段踏み外しただけじゃないの?」
「」
一般人が考えればそう思うよな。
俺もあの瞬間を見なければそうなっただろう。
俺は会議室に入り扉がしまったのを確認してから、無言でその日莢菜が運んでいた箱の写真を見せた。
「?」
「莢菜が運んでいた荷物だ。」
そこには足の形にしっかり凹んだ箱が写っている。もちろん靴跡も鑑定できるほどにくっきりと。
「これって…誰かの足の跡?」
「だろうな。」
「…。」
みゆきさんはその写真をじっと見つめ眉間に刻々とシワを寄せた。
無理もない。
大切な友人を故意に突き落としたとなれば腸は煮えくり返る。
「誰かはわかってるの?蛇のやつらとか?」
父親から聞いたのか…平然と蛇の名を口に出すとは。
しかし名を出す時の声を抑えたのが、あいつの娘らしく警戒出来ている。育ちがいいな。
「…いや。蛇の奴らの刺青はなかった。」
バンッ!!
「…そんなの…何の証拠にもならない。」
みゆきさんは取り乱しているのか机にひどく強く拳を叩き下ろした。
「だから尚更なんの証拠もないってことだ。…だが実際に…あいつは命を狙われた。」
「じゃ、あんたと付き合えばあの子は助かるとでも?保証なんかないじゃん!」
「ねぇよ。吹きっ晒しの中に置いとくよりはましなだけだ。」
俺の言葉に、みゆきさんは少し口を噤んでからまた言葉を返した。
「保護するならある程度の責任がついてまわるってわかってるんでしょうね?」
「あぁ。」
俺の返事に、みゆきさんは納得でききれてはいなそうだったが俺の意見を飲んだ。
みゆきさん?
この時間にもう来てるなんて珍しいな…。
「おはよう、みゆきさん。」
「あんた…よく何事もない顔してられるよね!!犯罪者!」
「」
おぉ…朝からご立腹とは元気なことで…。
こちらは昨日夜中まで会合でストレスが尽きないというのに。
言葉遣いを俺は隠すこともなく顔を顰めた。
「朝からうるせぇ。気品のない女だな。」
「ッ…。それがいつものアンタなの?」
「だったら何だ。話聞いたんだろ?ならこの喋りが普通だろ。」
俺の問いかけに、みゆきさんは驚き戸惑いながらも頷いた。
「で?」
俺はそう聞きながら自分の下駄箱を開けた。そこには無駄に落書きされた上履き…うん、紛れもなく俺の靴が入っている。
一つ息を吐いてからその靴に足を通して外用の靴を中に突っ込んだ。
「何か用?」
俺が訪ねながら視線だけを向けると、みゆきさんは一度ビクッと震えてから一度咳払いをした。
「その…何で莢菜なの?」
「何が。」
「だから…何であの子に告白したの?別に好きって感じじゃなかったじゃん。」
俺は場所を移動するためにみゆきさんの先を歩き始めた。
「惚れてたさ。」
「嘘。…まさかあの子…何かに巻き込まれそうとか?」
やっぱりこいつは鋭い。
さすが警察の娘だな。
「まぁ、当たりだな。…半分は。」
「半分?」
そう…半分はだ。
「もうとっくに巻き込まれ始めてるってことだ。」
「ッ!?」
俺が平然と答える中、みゆきさんは目をカッぴらいて固まった。
「俺が文化祭前に怪我したろ。あの時だ。」
「…でもあれってただ莢菜が階段踏み外しただけじゃないの?」
「」
一般人が考えればそう思うよな。
俺もあの瞬間を見なければそうなっただろう。
俺は会議室に入り扉がしまったのを確認してから、無言でその日莢菜が運んでいた箱の写真を見せた。
「?」
「莢菜が運んでいた荷物だ。」
そこには足の形にしっかり凹んだ箱が写っている。もちろん靴跡も鑑定できるほどにくっきりと。
「これって…誰かの足の跡?」
「だろうな。」
「…。」
みゆきさんはその写真をじっと見つめ眉間に刻々とシワを寄せた。
無理もない。
大切な友人を故意に突き落としたとなれば腸は煮えくり返る。
「誰かはわかってるの?蛇のやつらとか?」
父親から聞いたのか…平然と蛇の名を口に出すとは。
しかし名を出す時の声を抑えたのが、あいつの娘らしく警戒出来ている。育ちがいいな。
「…いや。蛇の奴らの刺青はなかった。」
バンッ!!
「…そんなの…何の証拠にもならない。」
みゆきさんは取り乱しているのか机にひどく強く拳を叩き下ろした。
「だから尚更なんの証拠もないってことだ。…だが実際に…あいつは命を狙われた。」
「じゃ、あんたと付き合えばあの子は助かるとでも?保証なんかないじゃん!」
「ねぇよ。吹きっ晒しの中に置いとくよりはましなだけだ。」
俺の言葉に、みゆきさんは少し口を噤んでからまた言葉を返した。
「保護するならある程度の責任がついてまわるってわかってるんでしょうね?」
「あぁ。」
俺の返事に、みゆきさんは納得でききれてはいなそうだったが俺の意見を飲んだ。
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