1分の時があれば

TOMO_music

僕は人に好かれるような人間ではない。ただただ、朝起き、学校へ行き、夜寝る。そんな生活を送りたい。そんな事を思いながら、家へと向かう。その時、目から涙が出てきた。なぜだろう。こんなにも、不思議な気持ちは。今までに経験をしなかったような事が起きたら、涙が出てくるのかと思ったりしていると家に着く。家には珍しく父が居た。僕と父は共に食卓を囲むことがほとんどない。だが、今日は父と晩御飯を共に過ごした。そして、別に父と話もしたくないが、今日起こった事を自ら話し出す。
 「今日さ、友達と色々あってさ…。」
父は、その話を真剣に聞いてくれた。父は箸を止め、僕が話し始めて初めて口を開いた。
「お前はそれで本当に満足なのか?自分のやりたい事をやるのも大切だ。だが、友達の事を考えてあげるのはそれ以上に大切だ。しかも、その子はお前の事が好きなんだろ?」
僕は父の言っていることに首を傾げた。
「でも、俺とすずはそんなに仲が良いわけじゃないし、接点もそんなにあるわけじゃない。」
僕は箸を置き、自分の部屋へと向かった。いつもなら、机に向かって少しだけ復習するが、今日はそのまま、寝床へと入った。その時、なぜか目からは涙が流れていた。なぜだろう。こんなにも不思議な気持ちは。その日は早く眠りにつこうとしたが、早く眠りにつくことが出来なかった。そして、夢にもすずが出てきた。夢の中でも、すずは泣いていた。声をあげ、見たこともないような姿で。

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コメント

  • 岡口雪理

    ツイッターから来ました。
    これから読んでいきます!

    1
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