異世界バトスポッ!

司時 緋水銀

にじゅうろくたまっ!



「おたまちゃん!無事っ!?」「「「おたまちゃんっ!」」」
「「「おたまっ!!」」」「おたまさんっ!大丈夫なんですか!?」


「うん、心配かけてごめんなさい…」


スイカちゃんとの話し合いを終えて私は一度お城に戻った。
さすがにすぐに旅立つのは皆に心配かけるし、先に約束があるって言ったらスイカちゃんはちゃんと聞いてくれたよ。
お城の中庭には皆が集まっていて武器とか色々持ってた!
メイレーさんに王様に王子様に大臣のおばあちゃん。ミュリお姉さんにフウちゃん、ミーちゃんにニャンちゃん。
みんなに心配かけちゃったんだなぁ……本当に申し訳ないよ…。


「タマが謝る事はないわ、皆様申し訳ありませんでした。アタシがタマを誘拐しました。ごめんなさい」


あわわわわ!
スイカちゃん正直に言い過ぎだよ!
そう、スイカちゃんは起こしてしまった騒動のケジメはつけると言って私と一緒にお城に来ていた。


チャキッ!


わわわっ!
予想どうりにフウちゃんが真っ先にスイカちゃんに剣を突き立てたよ!
けどスイカちゃんは一切動じる事なく、フウちゃんの目を見据え言った。


「言い訳はしないわ、処罰を与えるなら決めて頂戴。ただ……お願いだから選手資格だけは剥奪しないで欲しい。虫のいい話かもしれないけど……」
「わ、私からもお願いだよ!スイカちゃんは悪い人じゃないんだよ!やり方が空回っちゃっただけでっ…!」


「……いいえ、いくらおたまが庇っても信用できないわ。貴女…昨日店員に幻覚魔法を使った子でしょう?声が同じだからわかったわ。故に…おたまを今操っていないって保証がない」
「その通りだ、ここで死ぬか極刑にて処されるか選べ」


あわわわわわわ……
ミュリお姉さんもフウちゃんも凄く怒ってる……どうしよう…


「……貴女…スイカさんですよね?モンスターライドシュートの…。何故こんな事を…」


ミーちゃんがスイカちゃんに尋ねる。
知り合いなのかな?


「みなさん…どうか武器を収めて頂けませんか?まずは事情を聞くべきだと思います。何より……神聖なるこの地での争い事は…球技の神も望んではいないはずです」


ミーちゃんが間に入って止めてくれた。
その真剣な顔つきにフウちゃんもメイレーさん達も顔を見合わせる。


「…そうだねぇ…ミィシャンちゃんの言う通りだよぉ。国王様も奥様もみんなもおたまちゃんを大事に思うあまり頭に血がのぼりすぎだからねぇ……じゃああの子に出てきてもらうとするかねぇ」


パンッパンッ!


大臣のおばあちゃんはそう言って手を叩く。
すると、空間が歪んで…空から見知ったお姉さんが現れた!


ュゥゥゥゥンッ……
「あらあら~…忙しいからあまり呼ばないで欲しいんだけどな~。貴女に呼ばれたならしょうがないわねぇ……それで?どんな御用事なのかしら~?」


銀髪の審判のお姉さんだ!アイスクラッシュヘヴンの審判をしてくれたお姉さん!
確か……名前は……中立の……チャッチャミント…さん?
また突然空間から現れたよ!凄い!
でも……試合じゃないのにどうして審判さんなんだろう?


「あら、アイノタマちゃんじゃない。無事だったのね、私は球技の審判だけじゃなくて国の裁判官も任されてるのよ~、私の属性はレア属性だからね~色々任されちゃうのよ」


そうなんだ!凄いなぁ!


「ジャッジメント、少しの間このエルフちゃんの魔法を封じといてくれるかねぇ」
「その為に呼んだんでしょ~?でもいくら貴女の命令でも事情も聞かずにはできないわよ~?何たって私は中立なんだからね~」


私達は審判兼裁判官のお姉さんに事情を話したよ!


「なるほどねぇ、そういう事なら………はい、これでこの子は魔法は使えないわよ~。ついでにアイノタマちゃんも調べたけど…魔法はかけられてないわよ~。それじゃあまたね~あー忙しい~」


ュゥゥゥゥンッ……


お姉さんはあわただしく空間へと消えていったよ!


「これで惑わされる心配はなさそうね、じゃあ…話してもらいましょうか」


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<ヴェルクスフェザールーク城・客室>


…………


「………………それで…おたまを誘拐したってこと…?」
「ええ、そうよ」


私とミュリお姉さんとスイカちゃんと大臣のおばあちゃんは客室で話し合ったよ!
ミュリお姉さんとおばあちゃんには事情を説明したよ!
他のみんなにはもう大丈夫だからって言ってお仕事に行ってもらったよ!
私の事でこれ以上迷惑かけるのはダメだもん!
王様達はそれでも心配そうだったから大臣のおばあちゃんに一緒に来てもらった!
ごめんね…おばあちゃん…。


「はいよしよし、これもお仕事だからねぇ。おたまちゃんは何も気にしなくていいんだよぉ」
「……うん!ありがとう!」


「はぁ……それで?どうしておたまに目をつけたの?」
「あら?貴女は一緒にプレーして何も感じなかったの?タマは天才よ、自分の球技に出てもらいたいと思うのは当然じゃない?貴女もそう思ったからアイスクラッシュヘヴンに誘ったのかと思ったわ」
「…………」


うーん、スイカちゃんには地球の事言ってないから説明が難しいなぁ……。
それに私は天才でも何でもないよ!


「とにかくアタシはタマにモンスターライドシュートに出場してもらいたい、今度こそ本選に出場しなきゃいけない理由があるの」
「その理由っていうのは?」
「貴女に言う必要はないわよ、タマにはそのうち話してあげるけどね」
「おたま、やめておきなさい。他の球技に出たいならあたしが一緒に探してあげるから」


バチバチバチッ………


あわわわ……なんかミュリお姉さんとスイカちゃん仲悪いよ!?
凄い睨み合って火花散らしてるよ!?


「おたまちゃんはモテモテだねぇ、ほらほら喧嘩するもんじゃないよ、おたまちゃんが悲しむでしょぉ…」
「「…………」」


おばあちゃんが止めてくれた!
凄いなぁ、私もいつかこんなおばあちゃんになれるかな?


「おたまちゃんの意志に任せるべきよぉ…おたまちゃんは出場したいんでしょぅ?」
「……うん、私で良いなら出てみたいよ」


「…ちなみに…大臣さん。モンスターライドシュートってどんな球技なんですか?最近球技が増えてきてるからあたしもよく知らないんです」


ミュリお姉さんがおばあちゃんに問う。
そうだった!私もまだどんな球技か聞いてないんだよ!
魔物さんと一緒にやるって事くらいしか!


「最近公式化されたばかりで歴史も数年しかないから当然よ。ざっくりで良いならアタシが説明してあげるわ。と言ってもすごくシンプルな球技よ」


スイカちゃんはそう言って大げさにローブをバサッてしてドヤ顔した。


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☆『モンスターライドシュート』


【概要】
バトル・コロッセウムという円形球技場にて行われるサバイバル球技。
プレー人数は一チーム1名~3名まで(3名までなら人数は自由)
プレーヤーは魔物に乗り、文字通り人馬一体にて試合を行う。
一つのボールを奪い合い、多く点を得たチームの勝利。
試合時間は無制限。
【得点方法】
互いの陣地にはゴールが設置されており、そこにボールを入れるとプラス1点。
相手の魔物を倒すとプラス2点。
プレーヤーを倒すとプラス3点。
最後に立っていたプレーヤー(魔物)チームにプラス5点。
倒すの定義はプレーヤーが意識を失う事(再起不能)とする。
相手チームのプレーヤーと魔物が全て倒れた時点で試合終了。
その時点での得点差にて勝敗を決定する。
【ルール】
・プレーヤーは魔物から降りる事はできない。
・基本、攻撃はボールによるもののみ。
・相手プレーヤー、魔物への直接攻撃は禁止とする。
・ゴールを決める事ができるのは騎乗したプレーヤーのみ。魔物によるアシストは可能だが魔物がボールをゴールに決めても得点にはならない。
・各チームではそれぞれの判断により試合中でも即時棄権が出来る、一人での棄権、退場も可能である。
・またこの球技には禁止魔法、属性がある。
【禁止魔法】
・回復、回復系に準ずるもの。
【禁止属性】
『回復』


尚、死亡者が出た場合でも全員が倒れるか棄権するまで試合は継続される。
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